掟破りは甘党派!?

高草木文歌

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あ、あれは…

〝出会い②〟

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────彼の言葉は、すごく開放感があった。

羨ましかった。きっと中界の住民なんでしょう。

だとしたら、今隣にいる人が天使と言う名の頂点に立つ者と知ったら、きっと驚くであろう。
ねぇ、君もそうだろう?
あなた〝うん〟
だろ?そう考えると、レイタールはもう、懐中電灯をあてたくて仕方がない。
だから君に、お願いしたいことがあるんだ。もし相手が悪魔だったら。レイタールを守ってくれ。その代わり、レイタールが嫌がる事はするんじゃないぞ?じゃあ、俺(ナレーター)はおつかいに行ってくるよ。よろしく~

…は、早く。早く彼の顔に懐中電灯をあてたい。よし、もうあててしまおう。もしもあの、お母様がずっと言っておられた、薄汚い悪魔だとしたら…どうしましょう…
でも、私は彼の〝素顔〟を知りたいわ。もうあてるしかないの。

カチャ…

「おっ、あかる…い…」

ん?何故彼は言葉を最後まで発しない…の…

「悪魔…」
「天使…」

あなた〝あ、あ、どどうしよう!レイタール様とスナイダー様が出会ってしまった!ナレーターさんには言われたけど、今ここを邪魔すれば、レイタール様は嫌がると思うな…じゃあ、ここはそっとしておこう。〟

────スナイダー

ほう…これがあいつらが言っていた天使と言うモノか。ふーん…なかなかいい女じゃねぇか。

(ただいま~)
スナイダーはニヤリと笑った。
…ヤる気だ…
「ちげーよ!!」
「え?」
「あ、いや、その…」
スナイダーは結構のコミュ障だ。
そして一目惚れしやすい。心の中では気持ち悪いこと言っているけれど、普通に恋をしているだけだ。
(失礼な…!!)
ふふっ…まぁ、簡単に言えば…〝美しい女性〟と言っているのと同じだ。

────レイタール

…これが、あの薄汚い悪魔と言うモノですのね。
正直、薄汚いと言う言葉は合いませんね…
〝恰好いい〟の方が合うと思いますわね…
別に、襲いかかってくることなんてないし、今まで言われてきた事は、全て私をこの方と出会わせないようにする為の、洗脳だったのですね!
私、この方と仲良くなりたい。そして、言葉と言う檻から開放されたい…きっとこの方なら、私を…助けてくれると思うの…です。

「お前、名前は?」
『レイタールです。』
「ふーん…俺は、スナイダー。悪魔だ!」
『既に存じ上げています。』
「そうか…そうだよな。天と地の会があったもんな…」
『あなたにお会いしたかったです…私、堅苦しい言葉に悩まされていて…』
「あ~、確かに堅苦しい言葉ばっかり喋ってるよな。じゃあさ…」

スナイダーはレイタールの手を取った。

〝これから毎日、ここで会わないか?〟

「俺が、言葉と言う檻から解放してやるから」

レイタールは嬉しかった…やっと出会えたって。

『お願い…します!』

ニコッと微笑んだレイタール、天使の笑顔でサイラー池はダイヤモンドのように輝き、その夜は終わった。

その日はお互いにとって、最高の夜となった。
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