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01話 無慈悲な世界
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オレの名はゲン。年齢は20歳。背は175センチくらい。
一重でつり目だしバスケットをしてたから体格もよく、見た目で少し怖がられることもあるが、話してみればその誤解は大体とける。
昔から人付き合いは得意だったので、セールスマンとして働く普通の社会人2年目のサラリーマンだ。
コノは俺の妹。年齢は10歳で、背は130センチくらい。
髪は肩くらいまであるが後ろでまとめていて、両頬にかかる髪は少し癖っ毛で波打っていて、大きな瞳だがタレ目なのがとてもチャーミングだ。
膝丈まである白いワンピースを着てることが多い。
俺たち兄妹は、母さんと父さんと4人でつつまじく幸せに暮らしていた。
そうーーーあんな出来事が起こるまでは・・・・・
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
ーーーーー2036年04月13日
オレ達が住む地球に「死の神」と呼ばれる惑星アポフィスが軌道を急遽大きく変え衝突し、人類の約半数がその尊い犠牲となった。
「うううーーー頭が割れるように痛い」
目が覚めたら目の前はまるで地獄絵図のようだった。
街は炎に包まれ、まるで山火事のように一瞬で辺り一面を焼け野原に変えていった。
「そうだーーー家に父さん、母さん、コノが!間に合え間に合え間に合え・・・あ・・あぁ・・・」
青い家根と白を基調とした自宅が炎に包まれ赤色に染まり、崩れてきた柱の下敷きになっている家族の姿があった。
「いま助けるから・・・この柱さえどければ・・・グググ・・バタン・・・チキショウ!全然うごかねぇ。動け動け動け動け動け動けうぅごぉけぇぇぇ!」
俺の願いを嘲笑うかのように、無慈悲にも柱の上に更に柱が重なり微動だにしない。
「おかあさぁん。恐いよぉ。えーんえーん」
妹のコノが、黒い煤を頰につけながら、母親の腕の中で涙を流している。
「コノ、よく聞いて。お兄ちゃんの言うことをしっかり聞いて、いい子にするのよ。あなたもゲンも母さんの大切な宝物よ。だから、母さんとお父さんの分まで強く生きるのよ!」
「やだよぉぉおかあさんと、おとうさんと一緒にいるぅぅぅ」
何で家族がこんな目にーーー神さま、一生に一度のお願いです、家族を助けて下さいーーーそんな俺の声を神さまはきく由もなく、無慈悲にも風が吹き付け火が更に強くなっていった。柱はどう足掻いてても未だ微動だにしない。
「ゲン、諦めろ。父さん達はもう助からない。コノを連れて今すぐ地下の物置小屋に避難をするんだ。最後の男の約束だ、コノを必ず守って二人で生きていくんだ!お前は選ばれし存在・・・だから・・・ガクッ」
「父さーん!母さーん!!」
選ばれし存在と父さんが言った意味がその時はわからなかったが、俺はその小さな妹のカラダを両手で受け取り、無我夢中で地下の物置小屋へと走った。
「お兄ちゃん・・・おとうさんと、おかあさんともう会えないの?えーんえーん」
「コノ、ごめんな。俺に力がなかったがために、お前を悲しませてしまって。兄ちゃん、一生かけてお前を守っていくからな・・・」
その日まで父さん母さんがいるのが当たり前だと思ってた。
無口だけど男らしい背中で男らしさを教えてくれた父さん。
天使のような優しさで弱きものこそ守る大切さを教えてくれた母さん。
こんなにも・・・もろく・・儚く・・人の命が途絶えてしまうことを目の当たりにし、ただただ呆然と立ち尽くすしかなかった・・・
その時、地下部屋の扉が開いた。あたりは焼け焦げた木の匂いと煙が充満していて鼻をついた。
目の前にはククリがたっていた。
「ゲンちょっとしっかりしなさい!アンタがコノちゃんを守るんでしょ、早くこっちにきて!」
ククリは俺の幼なじみだ。俺と同い年で、背丈は150センチくらい。
髪はセミロングで耳より下にパーマをかけている。華奢なそのスタイルと豊満な胸、ガラス玉のように大きな瞳の可愛らしさ。自慢の幼なじみだ。
それとは裏腹に、周りをアッとさせるような行動力もある。
いつもタイトなミニスカートで動きやすい格好をしている。
そんな心強い彼女の存在がなければ、きっと俺は俺のままでいられなかっただろうーーーーーーー
一重でつり目だしバスケットをしてたから体格もよく、見た目で少し怖がられることもあるが、話してみればその誤解は大体とける。
昔から人付き合いは得意だったので、セールスマンとして働く普通の社会人2年目のサラリーマンだ。
コノは俺の妹。年齢は10歳で、背は130センチくらい。
髪は肩くらいまであるが後ろでまとめていて、両頬にかかる髪は少し癖っ毛で波打っていて、大きな瞳だがタレ目なのがとてもチャーミングだ。
膝丈まである白いワンピースを着てることが多い。
俺たち兄妹は、母さんと父さんと4人でつつまじく幸せに暮らしていた。
そうーーーあんな出来事が起こるまでは・・・・・
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ーーーーー2036年04月13日
オレ達が住む地球に「死の神」と呼ばれる惑星アポフィスが軌道を急遽大きく変え衝突し、人類の約半数がその尊い犠牲となった。
「うううーーー頭が割れるように痛い」
目が覚めたら目の前はまるで地獄絵図のようだった。
街は炎に包まれ、まるで山火事のように一瞬で辺り一面を焼け野原に変えていった。
「そうだーーー家に父さん、母さん、コノが!間に合え間に合え間に合え・・・あ・・あぁ・・・」
青い家根と白を基調とした自宅が炎に包まれ赤色に染まり、崩れてきた柱の下敷きになっている家族の姿があった。
「いま助けるから・・・この柱さえどければ・・・グググ・・バタン・・・チキショウ!全然うごかねぇ。動け動け動け動け動け動けうぅごぉけぇぇぇ!」
俺の願いを嘲笑うかのように、無慈悲にも柱の上に更に柱が重なり微動だにしない。
「おかあさぁん。恐いよぉ。えーんえーん」
妹のコノが、黒い煤を頰につけながら、母親の腕の中で涙を流している。
「コノ、よく聞いて。お兄ちゃんの言うことをしっかり聞いて、いい子にするのよ。あなたもゲンも母さんの大切な宝物よ。だから、母さんとお父さんの分まで強く生きるのよ!」
「やだよぉぉおかあさんと、おとうさんと一緒にいるぅぅぅ」
何で家族がこんな目にーーー神さま、一生に一度のお願いです、家族を助けて下さいーーーそんな俺の声を神さまはきく由もなく、無慈悲にも風が吹き付け火が更に強くなっていった。柱はどう足掻いてても未だ微動だにしない。
「ゲン、諦めろ。父さん達はもう助からない。コノを連れて今すぐ地下の物置小屋に避難をするんだ。最後の男の約束だ、コノを必ず守って二人で生きていくんだ!お前は選ばれし存在・・・だから・・・ガクッ」
「父さーん!母さーん!!」
選ばれし存在と父さんが言った意味がその時はわからなかったが、俺はその小さな妹のカラダを両手で受け取り、無我夢中で地下の物置小屋へと走った。
「お兄ちゃん・・・おとうさんと、おかあさんともう会えないの?えーんえーん」
「コノ、ごめんな。俺に力がなかったがために、お前を悲しませてしまって。兄ちゃん、一生かけてお前を守っていくからな・・・」
その日まで父さん母さんがいるのが当たり前だと思ってた。
無口だけど男らしい背中で男らしさを教えてくれた父さん。
天使のような優しさで弱きものこそ守る大切さを教えてくれた母さん。
こんなにも・・・もろく・・儚く・・人の命が途絶えてしまうことを目の当たりにし、ただただ呆然と立ち尽くすしかなかった・・・
その時、地下部屋の扉が開いた。あたりは焼け焦げた木の匂いと煙が充満していて鼻をついた。
目の前にはククリがたっていた。
「ゲンちょっとしっかりしなさい!アンタがコノちゃんを守るんでしょ、早くこっちにきて!」
ククリは俺の幼なじみだ。俺と同い年で、背丈は150センチくらい。
髪はセミロングで耳より下にパーマをかけている。華奢なそのスタイルと豊満な胸、ガラス玉のように大きな瞳の可愛らしさ。自慢の幼なじみだ。
それとは裏腹に、周りをアッとさせるような行動力もある。
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