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「あたしと行こうぜ!鏡のクエスト!」
「はぁ……?」
さっきまでの睨むような表情から打って変わったキラキラした目で僕の方を見てくる。
「知らねぇの?マーズの鏡のクエストだよ!」
マーズの鏡とは映す者の本当の姿が見れるという伝説の鏡で、マーズという崖で囲まれた祠に置いてあるらしい。経験値がバカみたいに貰えるのだが、プレイヤーの本当の顔も見えてしまうということで敬遠されがちなクエストだ。
無論、僕は醜い本当の顔なんて自分でも見たくないので、意識的に避けてきた。
「申し訳ないけど…僕はあの辺のマップに詳しくなくて…」
「大丈夫!あたし、あのへんは詳しいんだ!あの崖さえのぼれれば…!」
そういうと彼女はピークスの方を見る。
確かにピークスの翼と脚なら人2人くらい乗せて崖を超えることは出来るだろう。
「ほら、あたしずっとソロだったから生愛者の友達がいねぇんだよ。頼む!今回だけ!」
懇願の目をこちらに向けられ、仕方なく僕が折れることにする。
「分かったけど…君の職業は?生愛者はサポート側だから戦闘は出来ないよ?」
と言っても、僕は生愛者トップのレベルなので戦闘職種より遅れはとるがある程度のボスを倒せるくらいにはなっている。
「うん!あたし勇者なんだ!だから大丈夫!」
勇者…
「は!?勇者!?嘘だろ?!」
勇者は今回のアップデートで追加された職業で、それ以前にあった職業すべてで特定のボスを倒してやっとなれる職業だ。まず、その特定のボスを見つけるのに1週間、そして全ての職業で倒すのに2、3ヶ月はかかると聞いたのに…
ちなみに、まだアップデートから3日も経っていない。
「君…チートは大概にしろよ。」
チートしかありえない。そんな速さでやるなんて物理的に無理だ。
「チートじゃねえって!28時間、食わず飲まず寝ず勤しんでたんだよ!」
まぁボスを2発目で見つけたって言うのもあるけど、と続ける。
「はぁ…じゃあ分かった。僕は生愛者のSNoWだ。クエストクリアまで、どうぞよろしく」
「おう!あたしは勇者のアカネ!よろしくな!」
こうして勇者と手を組んでクエストクリアを目指すのだった。
「はぁ……?」
さっきまでの睨むような表情から打って変わったキラキラした目で僕の方を見てくる。
「知らねぇの?マーズの鏡のクエストだよ!」
マーズの鏡とは映す者の本当の姿が見れるという伝説の鏡で、マーズという崖で囲まれた祠に置いてあるらしい。経験値がバカみたいに貰えるのだが、プレイヤーの本当の顔も見えてしまうということで敬遠されがちなクエストだ。
無論、僕は醜い本当の顔なんて自分でも見たくないので、意識的に避けてきた。
「申し訳ないけど…僕はあの辺のマップに詳しくなくて…」
「大丈夫!あたし、あのへんは詳しいんだ!あの崖さえのぼれれば…!」
そういうと彼女はピークスの方を見る。
確かにピークスの翼と脚なら人2人くらい乗せて崖を超えることは出来るだろう。
「ほら、あたしずっとソロだったから生愛者の友達がいねぇんだよ。頼む!今回だけ!」
懇願の目をこちらに向けられ、仕方なく僕が折れることにする。
「分かったけど…君の職業は?生愛者はサポート側だから戦闘は出来ないよ?」
と言っても、僕は生愛者トップのレベルなので戦闘職種より遅れはとるがある程度のボスを倒せるくらいにはなっている。
「うん!あたし勇者なんだ!だから大丈夫!」
勇者…
「は!?勇者!?嘘だろ?!」
勇者は今回のアップデートで追加された職業で、それ以前にあった職業すべてで特定のボスを倒してやっとなれる職業だ。まず、その特定のボスを見つけるのに1週間、そして全ての職業で倒すのに2、3ヶ月はかかると聞いたのに…
ちなみに、まだアップデートから3日も経っていない。
「君…チートは大概にしろよ。」
チートしかありえない。そんな速さでやるなんて物理的に無理だ。
「チートじゃねえって!28時間、食わず飲まず寝ず勤しんでたんだよ!」
まぁボスを2発目で見つけたって言うのもあるけど、と続ける。
「はぁ…じゃあ分かった。僕は生愛者のSNoWだ。クエストクリアまで、どうぞよろしく」
「おう!あたしは勇者のアカネ!よろしくな!」
こうして勇者と手を組んでクエストクリアを目指すのだった。
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