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2章
翠くんは海が好き
この道は……
間違いなく見覚えがある……
そしてホテルの入り口に着いた時に、僕の頭のなかの点と点が綺麗に繋がる。
人気のあるホテルが格安で簡単には取れるはずがないのは考えればわかったはず……
「相模くん、車を駐車場に止めてくるから先にロビーにいっててくれる?」
先生の問いかけに頷くと僕は翠くんとロビーへと向かった。
――この場所へは久しぶりに来た……
「楓、このホテルすげぇ高そうだけど……大丈夫?」
不安気な翠くんに、大丈夫と伝えたけれどキョロキョロと、周りを見回しているのを見ると心配なんだろうな……。
「楓くん?」
後ろから名前を呼ばれ振り返ると僕を呼んだ声の主が目尻をこれでもかと、いうほどに下げている。
「じぃちゃん」
翠くんは僕の言葉に驚いているようだった、それもそのはず、じぃちゃんと呼ぶには若い……。
それでも見た目とは違いα一族である父さんの家系、やり手なのが風貌からもヒシヒシと伝わってくる。
「じぃちゃん、こちらは翠くんだよ……僕の恋人」
そう言うと、じぃちゃんは翠くんに楓くんと仲良くして頂き、ありがとうと頭を下げた。
翠くんは、少し緊張しながらも挨拶をしていた。
じぃちゃんが出てきたと言うことは、遥が動いてくれたのがすぐに理解できる。
――やっぱり、まだ僕1人の力ではここまで準備はできなかったんだ……
気付かれないように大人が、サポートをしてくれたんだ。
「楓!」
先生と空くんが車を止めて、僕たちの方へと歩いてくる。
その時、じぃちゃんのにこやかな表情が少しだけ警戒しているように僕には見える。
「じぃちゃん、友達の空くんと恋人の高梨先生」
そう紹介すると、楓がお世話になっていますと挨拶をした。
そして先生の目を真っ直ぐに見据え、あらためて口を開いた。
「高梨さん……きみはΩだね?抑制剤は、ちゃんと所持しているかい?」
じぃちゃんの言葉で僕たちの間には、言いようのない緊張がはしる。
空くんは顔が徐々に青白くなっているし、先生も心なしか表情が硬い。
翠くんからも緊張が伝わり、僕は無意識に翠くんの手を取ると、口を開いた。
「じぃちゃん……ちょっと顔が怖い……」
僕の言葉に、バツが悪そうな表情を一瞬浮かべたけど、すぐに気品なある紳士のように僕たちに向き合った。
「いや……怖がらせるつもりはなかったんだ……うちのホテルにはαのお客様が多くてな言い方を変えるとΩのお客さんは、ほとんどこないんだそれで……楓くんの友達に、もしもの事があってはいけないと無駄に心配してしまったみたいだな……」
じぃちゃんの話している事は、遥から聞いたことがある。
Ωがほとんど来ない……正確には遥しか来たことがない。
先生と空くんに目を向けると顔色が悪い。
「空くん、先生が抑制剤を持ってなくても空くんがもって来ているよね?」
僕の問いかけに空くんが頷き先生も自分で所持している事を、じぃちゃんに伝えた。
よけいな心配だったみたいだな……そう言うと僕たちをフロントへと案内した。
張り詰めた空気から完全に解放されたわけでは、なかったけれど僕たちは、じぃちゃんについていく。
「楓くん、部屋は2部屋で海側にしておいたけど大丈夫かい?」
じいちゃんから提示された、部屋はジュニアスイート……
学生がどんなに頑張っても泊まれる部屋ではない。
「じぃちゃん、僕そんなにお金を用意してないよ……」
そう話すと、じぃちゃんは優しい表情を浮かべながら
楓は初めてのお泊まりデートなんだろ?
遥ちゃんから聞いているぞ。
なぜか楽しそうに話すじいちゃんは僕の目をみた。
彼氏なら部屋は誰かに頼ってでも少しくらいかっこつけろよ。
そう言いながらウインクをした。
それに、さっき皆を怖がらせてしまったから足りない分は、じぃちゃんが出すからな。
そう話すじいちゃんの父さんと似ているドヤ顔をみて、僕は甘えさせて貰うことにした。
◇◇◇◇
部屋へと入ると翠くんの目が大きく見開き窓の方へとむかう後ろ姿にはウキ♪ウキ♪と弾んでいる文字が見えるようだった。
「凄い……水平線の先には空しか見えない……」
僕は翠くんの腰に手を回し肩に顔をうずめると、翠くんは僕の頭をなでながら、早く着替えて海に行こうと言った。
――もう少し、くっついていたいけど……顔を見なくても翠くんが早く海に入りたい気持ちが伝わってくる。
翠くんの腰から手を離すと、海遊びの準備を始めた翠くんのカバンからは色々な遊びグッズが出てくる。
そして持ってきた物を僕の名前を呼びながら説明してくれる姿は可愛いと思う。
「楓、水着のままだ外に出たらダメだよな?」
水着を目の前に悩んでる翠くん。
「大丈夫だよ」
僕の言葉を聞いた翠くんは、物凄くキラキラとした幼稚園の時のような表情を浮かべながら、水着を持って小走りで浴室へと向かっていった。
学校に居る時の翠くんとも、僕が観察していた時の翠くんとも違う表情を見せる翠くんに心が満たされる気がした。
あの頃の翠くんと変わらない所もあるんだ……
僕だけが知ってる姿の翠くん……
翠くんが、こんなにも海が好きだったなんて知らなかった……
僕は部屋のソファーに腰をかけると、さっきの翠くんの表情を思い出し、他の人には見せたくないと思う。
僕の独占欲は、たぶん強いと思う……けれどαの僕がβの翠くんに対して他の人には翠くんを取られなくない、緩んだ表情を見せてほしくないと考えるのは普通なの……か?
僕がモヤモヤと考えていると後ろから翠くんが声をかける。
「楓も早く着替えてこいよ、早く海に行こう!」
振り向いた先にいた翠くんは水着は着ていたけれど、上にはなにも着ていない……。
昨日も、なんとなくは感じていたけど翠くんは脱いだら凄かった、比べたくはないけれど自分の体が貧相なきがした。
そんな翠くんの体は目のやりばに困る、気恥ずかしさをかくすように着替えてくるよと笑いながら僕は、
水着とラッシュガードを持って脱衣所へ向かうも、脳裏には翠くんの身体がはなれない。
あんな体型をどうやって維持しているんだろう?
僕は身長だけが伸びたけど、筋肉はあんまりない……
そりゃ周りにΩだと言われてもみんな納得するよな……
鏡に映る自分の身体に大きな溜め息が落ちる。
ラッシュガードのファスナーを上までしめて部屋へと戻ると、そこには楽しそうに浮き輪に空気を入れている翠くんの姿があった。
「楓!つぎは楓のに空気を入れるからまってて」
そんな翠くんを見ていると、体型の事で悩んでいる時間がもったいないと感じ、翠くんの浮き輪の空気入れの手伝いをした。
間違いなく見覚えがある……
そしてホテルの入り口に着いた時に、僕の頭のなかの点と点が綺麗に繋がる。
人気のあるホテルが格安で簡単には取れるはずがないのは考えればわかったはず……
「相模くん、車を駐車場に止めてくるから先にロビーにいっててくれる?」
先生の問いかけに頷くと僕は翠くんとロビーへと向かった。
――この場所へは久しぶりに来た……
「楓、このホテルすげぇ高そうだけど……大丈夫?」
不安気な翠くんに、大丈夫と伝えたけれどキョロキョロと、周りを見回しているのを見ると心配なんだろうな……。
「楓くん?」
後ろから名前を呼ばれ振り返ると僕を呼んだ声の主が目尻をこれでもかと、いうほどに下げている。
「じぃちゃん」
翠くんは僕の言葉に驚いているようだった、それもそのはず、じぃちゃんと呼ぶには若い……。
それでも見た目とは違いα一族である父さんの家系、やり手なのが風貌からもヒシヒシと伝わってくる。
「じぃちゃん、こちらは翠くんだよ……僕の恋人」
そう言うと、じぃちゃんは翠くんに楓くんと仲良くして頂き、ありがとうと頭を下げた。
翠くんは、少し緊張しながらも挨拶をしていた。
じぃちゃんが出てきたと言うことは、遥が動いてくれたのがすぐに理解できる。
――やっぱり、まだ僕1人の力ではここまで準備はできなかったんだ……
気付かれないように大人が、サポートをしてくれたんだ。
「楓!」
先生と空くんが車を止めて、僕たちの方へと歩いてくる。
その時、じぃちゃんのにこやかな表情が少しだけ警戒しているように僕には見える。
「じぃちゃん、友達の空くんと恋人の高梨先生」
そう紹介すると、楓がお世話になっていますと挨拶をした。
そして先生の目を真っ直ぐに見据え、あらためて口を開いた。
「高梨さん……きみはΩだね?抑制剤は、ちゃんと所持しているかい?」
じぃちゃんの言葉で僕たちの間には、言いようのない緊張がはしる。
空くんは顔が徐々に青白くなっているし、先生も心なしか表情が硬い。
翠くんからも緊張が伝わり、僕は無意識に翠くんの手を取ると、口を開いた。
「じぃちゃん……ちょっと顔が怖い……」
僕の言葉に、バツが悪そうな表情を一瞬浮かべたけど、すぐに気品なある紳士のように僕たちに向き合った。
「いや……怖がらせるつもりはなかったんだ……うちのホテルにはαのお客様が多くてな言い方を変えるとΩのお客さんは、ほとんどこないんだそれで……楓くんの友達に、もしもの事があってはいけないと無駄に心配してしまったみたいだな……」
じぃちゃんの話している事は、遥から聞いたことがある。
Ωがほとんど来ない……正確には遥しか来たことがない。
先生と空くんに目を向けると顔色が悪い。
「空くん、先生が抑制剤を持ってなくても空くんがもって来ているよね?」
僕の問いかけに空くんが頷き先生も自分で所持している事を、じぃちゃんに伝えた。
よけいな心配だったみたいだな……そう言うと僕たちをフロントへと案内した。
張り詰めた空気から完全に解放されたわけでは、なかったけれど僕たちは、じぃちゃんについていく。
「楓くん、部屋は2部屋で海側にしておいたけど大丈夫かい?」
じいちゃんから提示された、部屋はジュニアスイート……
学生がどんなに頑張っても泊まれる部屋ではない。
「じぃちゃん、僕そんなにお金を用意してないよ……」
そう話すと、じぃちゃんは優しい表情を浮かべながら
楓は初めてのお泊まりデートなんだろ?
遥ちゃんから聞いているぞ。
なぜか楽しそうに話すじいちゃんは僕の目をみた。
彼氏なら部屋は誰かに頼ってでも少しくらいかっこつけろよ。
そう言いながらウインクをした。
それに、さっき皆を怖がらせてしまったから足りない分は、じぃちゃんが出すからな。
そう話すじいちゃんの父さんと似ているドヤ顔をみて、僕は甘えさせて貰うことにした。
◇◇◇◇
部屋へと入ると翠くんの目が大きく見開き窓の方へとむかう後ろ姿にはウキ♪ウキ♪と弾んでいる文字が見えるようだった。
「凄い……水平線の先には空しか見えない……」
僕は翠くんの腰に手を回し肩に顔をうずめると、翠くんは僕の頭をなでながら、早く着替えて海に行こうと言った。
――もう少し、くっついていたいけど……顔を見なくても翠くんが早く海に入りたい気持ちが伝わってくる。
翠くんの腰から手を離すと、海遊びの準備を始めた翠くんのカバンからは色々な遊びグッズが出てくる。
そして持ってきた物を僕の名前を呼びながら説明してくれる姿は可愛いと思う。
「楓、水着のままだ外に出たらダメだよな?」
水着を目の前に悩んでる翠くん。
「大丈夫だよ」
僕の言葉を聞いた翠くんは、物凄くキラキラとした幼稚園の時のような表情を浮かべながら、水着を持って小走りで浴室へと向かっていった。
学校に居る時の翠くんとも、僕が観察していた時の翠くんとも違う表情を見せる翠くんに心が満たされる気がした。
あの頃の翠くんと変わらない所もあるんだ……
僕だけが知ってる姿の翠くん……
翠くんが、こんなにも海が好きだったなんて知らなかった……
僕は部屋のソファーに腰をかけると、さっきの翠くんの表情を思い出し、他の人には見せたくないと思う。
僕の独占欲は、たぶん強いと思う……けれどαの僕がβの翠くんに対して他の人には翠くんを取られなくない、緩んだ表情を見せてほしくないと考えるのは普通なの……か?
僕がモヤモヤと考えていると後ろから翠くんが声をかける。
「楓も早く着替えてこいよ、早く海に行こう!」
振り向いた先にいた翠くんは水着は着ていたけれど、上にはなにも着ていない……。
昨日も、なんとなくは感じていたけど翠くんは脱いだら凄かった、比べたくはないけれど自分の体が貧相なきがした。
そんな翠くんの体は目のやりばに困る、気恥ずかしさをかくすように着替えてくるよと笑いながら僕は、
水着とラッシュガードを持って脱衣所へ向かうも、脳裏には翠くんの身体がはなれない。
あんな体型をどうやって維持しているんだろう?
僕は身長だけが伸びたけど、筋肉はあんまりない……
そりゃ周りにΩだと言われてもみんな納得するよな……
鏡に映る自分の身体に大きな溜め息が落ちる。
ラッシュガードのファスナーを上までしめて部屋へと戻ると、そこには楽しそうに浮き輪に空気を入れている翠くんの姿があった。
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