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第4章 古代遺跡探索行
9. 地下遺跡へ
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夜が明け、集合場所である宿の中庭に6人が集まった。
さすが高級宿。宿から出ることなく、転移魔法を発動させるために作られた中庭が完備されていた。
兄上が転移魔法を発動させ、ザッフィロ地下遺跡の入り口まで転移した。
ザッフィロ地下遺跡は、アラゴグとの戦いがあったマントデア平野より北に位置している。
遺跡の入り口を見張っている騎士たちが敬礼をし、道を開けた。入り口に施された魔法封印は兄上によって解かれ、遺跡の扉は開かれた。
「うわぁ――」
遺跡の内部は、魔法の明かりが灯り、想像していたよりもずっと明るかった。
「どうかしたのか?ノア」
「いえ……古代の遺跡に始めて入ったものですから、その――感動して」
「――ノア、うしろを振り向くな」
「え……?」
兄上は羽虫を振り払うように手首を一振りする。
近くから、ぐしゃっと何かが潰れるような音がした。
「終わった。もういいぞ」
振り返ると、野犬くらいの大きさの節足動物が、頭を潰され事切れていた。
「ノアが来ると言うのに、掃除が行き届いていないようだな」
「やってもやっても、いずこよりか湧いてくるのです。きりがありません」
「ふむ……どこも同じだな」
遺跡の奥に進むにつれ、幾度もモンスターと遭遇したが、最上級の実力者二人の前に、モンスターは俺たちに傷を負わせることはおろか、足止めすることすらできないのだった。
(これ、俺らがいる意味あるんかねぇ……)
「もうすぐその意味を知るだろう、愚かな魔族よ」
ジンの小声の愚痴を兄上の地獄耳は聞き逃さなかった。「ひいぃっ!申し訳ございません!」と平謝りするジン。
「陛下はモンスターの接近を一早く察知するため、感覚鋭敏化の魔法アイテムを装備されています。すべては弟君のために」
「魔族よ、貴様に向かってモンスターが近づいて来ても、私はそのままにしておくと心得よ」
「はいぃぃ!承知しました!」
ジン、そこは不満を訴えてもいいんじゃないか?
いくつか階段を下り、しばらく進んだところで兄上たちの足が止まった。
右の扉は開かれていて奥へと道が続いているが、その左隣には閉ざされた石の扉がある。
「ここから先は未踏の領域です。右の扉の先には装置があり、作動させると左の扉が開きますが、右の扉は閉ざされます。また、右の扉の奥にも扉があり、左の扉から続く道の先に、その扉を開ける装置があるのではと、推測されます」
さあ、遺跡ギミックのお出ましだ――
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「うわぁ――」
遺跡の内部は、魔法の明かりが灯り、想像していたよりもずっと明るかった。
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「もうすぐその意味を知るだろう、愚かな魔族よ」
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右の扉は開かれていて奥へと道が続いているが、その左隣には閉ざされた石の扉がある。
「ここから先は未踏の領域です。右の扉の先には装置があり、作動させると左の扉が開きますが、右の扉は閉ざされます。また、右の扉の奥にも扉があり、左の扉から続く道の先に、その扉を開ける装置があるのではと、推測されます」
さあ、遺跡ギミックのお出ましだ――
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