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第4章 古代遺跡探索行
12. 遺跡の罠
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「ルクス……!ケガはないか!?」
ああ、またやってしまった。
「兄上!申し訳ありません……っ!私の不注意で!」
ラウルスとエトワールとはぐれてしまった。
「気にするな。おまえのせいではない。おかしな場所に仕掛けをほどこした古代人に罪がある。ルク…ノアを罠に嵌めた罪を償わせてやることができないのが残念だ。すでに死んでしまっているからな」
「ごめんなさい、兄上」
「元気を出せ!ノア!大丈夫!すぐにみなと合流できるさ。私にすべて任せておくがいい!大船に乗ったつもりで安心していなさい」
『兄さま……』
「え……?」
今、誰かの声がきこえた。
「どうかしたか?ノア?」
振り返って辺りを見回すが、誰もいないし、何もいない。
気のせいか――
「なんでもありません。先へ進みましょう。失敗を取り戻せるよう、がんばりますので!」
「よしよし!元気になってくれたな。ノアは私が必ず守る。だれにも、指一本触れさせないよう動くが、万が一のこともある。おまえは自分の身を守ることに専念しなさい」
俺と兄上がふたりで地下遺跡の最奥を目指し進み始めた直後――
「前方と後方から敵が迫っている…そこを動くなよ」
「はい!」
兄上の詠唱は一瞬だった。魔法を前方に向かって打った後、すぐに振り返って後方にも同じように放つ。
どういう仕組みなんだ……
「ノア!上だ!」
蜘蛛のようなモンスターが、牙を剥き出しにして襲い掛かってきた。
兄上はとっさに剣をモンスターへ投げ付ける。剣は空中でモンスターを串刺しにし、壁に突き刺さった。
「ノア、ケガはないか?」
兄上の背後に何かが不自然に蠢くのを感じ、俺は魔法を唱えた。
「アイシクルブレード!」
氷の刃が何かをかすめ、血が吹き出す。そこに兄上が魔法で追撃を加える。木っ端微塵となったモンスターの肉塊だけがそこに残った。
「ノアに助けられたな、ありがとう」
「いえ……私なんてまだまだです」
「詠唱破棄ができているではないか。上達したな」
「まだほんの少しの呪文でしかできませんが……」
「こういうことは着実に一歩ずつ、が正解だ。さすがは私の弟だよ」
兄上に魔法の腕を褒められた。嬉しいな……
「っ……!」
そのとき突然に、それまで感じたことのないような激しい頭痛が走った。我慢できずうずくまる。
「どうした!ノア!」
『ノアばっかり兄さまに褒められて、ずるい……少しくらい、ぼくと代わってくれてもいいじゃないか…』
頭の中に、声が直接きこえてきた。聞き覚えのある声音。この声は――
俺の声だ……
ああ、またやってしまった。
「兄上!申し訳ありません……っ!私の不注意で!」
ラウルスとエトワールとはぐれてしまった。
「気にするな。おまえのせいではない。おかしな場所に仕掛けをほどこした古代人に罪がある。ルク…ノアを罠に嵌めた罪を償わせてやることができないのが残念だ。すでに死んでしまっているからな」
「ごめんなさい、兄上」
「元気を出せ!ノア!大丈夫!すぐにみなと合流できるさ。私にすべて任せておくがいい!大船に乗ったつもりで安心していなさい」
『兄さま……』
「え……?」
今、誰かの声がきこえた。
「どうかしたか?ノア?」
振り返って辺りを見回すが、誰もいないし、何もいない。
気のせいか――
「なんでもありません。先へ進みましょう。失敗を取り戻せるよう、がんばりますので!」
「よしよし!元気になってくれたな。ノアは私が必ず守る。だれにも、指一本触れさせないよう動くが、万が一のこともある。おまえは自分の身を守ることに専念しなさい」
俺と兄上がふたりで地下遺跡の最奥を目指し進み始めた直後――
「前方と後方から敵が迫っている…そこを動くなよ」
「はい!」
兄上の詠唱は一瞬だった。魔法を前方に向かって打った後、すぐに振り返って後方にも同じように放つ。
どういう仕組みなんだ……
「ノア!上だ!」
蜘蛛のようなモンスターが、牙を剥き出しにして襲い掛かってきた。
兄上はとっさに剣をモンスターへ投げ付ける。剣は空中でモンスターを串刺しにし、壁に突き刺さった。
「ノア、ケガはないか?」
兄上の背後に何かが不自然に蠢くのを感じ、俺は魔法を唱えた。
「アイシクルブレード!」
氷の刃が何かをかすめ、血が吹き出す。そこに兄上が魔法で追撃を加える。木っ端微塵となったモンスターの肉塊だけがそこに残った。
「ノアに助けられたな、ありがとう」
「いえ……私なんてまだまだです」
「詠唱破棄ができているではないか。上達したな」
「まだほんの少しの呪文でしかできませんが……」
「こういうことは着実に一歩ずつ、が正解だ。さすがは私の弟だよ」
兄上に魔法の腕を褒められた。嬉しいな……
「っ……!」
そのとき突然に、それまで感じたことのないような激しい頭痛が走った。我慢できずうずくまる。
「どうした!ノア!」
『ノアばっかり兄さまに褒められて、ずるい……少しくらい、ぼくと代わってくれてもいいじゃないか…』
頭の中に、声が直接きこえてきた。聞き覚えのある声音。この声は――
俺の声だ……
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