某国の皇子、冒険者となる

くー

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第4章 古代遺跡探索行

16. 遺跡の守護者

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闇の中に、それはいた。
ふたつの赤く光る目が闇の中、はるか頭上に浮かんでいる
「暗いな…明かりを灯すぞ」
兄上は手のひらの大きさほどの光球をいくつも作り出し、モンスターの周囲にそれらを配置した、
スポットライトのような光源に照らされ闇が消えると、モンスターの姿が現れた。

巨人……いや、人形?
それは、全長4mほどはあろうかという、人間の姿を模した土人形だった。
頭部は目の部分だけ穴の空いた不気味な被り物で覆われ、体には奇妙な刺青のような文様がきざまれている。
手には槍のような巨大な武器を持っていた。あれが得物だろう。

「コイツは…モンスターなのですか?」
「古代人の作った魔法人形だ。遺跡に隠された秘宝を守っているのだろう。おそらくコイツは…」
「ボスモンスターですね!」
遺跡の秘宝を守護するモンスター!現世のゲームやアニメで散々見てきた状況が今、現実となって目の前にあるのだ。興奮せずにはいられない。

「今までのザコとは比べ物にならない力を感じる……。ノア、気をつけろよ」
「はい!」

俺は呪文の詠唱に入った。
兄上は剣を抜いた。そして助走をつけて跳躍し、モンスターに切りかかった。
モンスターは巨体に似合わない俊敏な動作で動き出した。手に持つ槍で兄上の剣を受け止めた。

「うーむ……古代人の技術はあなどれんな。いったいどうやって動いているのだ……」

土人形は、兄上の目にも止まらぬ斬撃を、すべて受け切っている。


「ライトニング!」
俺はモンスターへ雷撃魔法を放った。土人形は魔法に呼応するかのように、予備動作もなく防御の魔法障壁を展開した。雷撃魔法は跳ね返され俺に向かって――
「シールド!」
俺はとっさに魔法障壁を張った。一か八かだったが、なんとかできた!

「よくやったノア!あとは私に任せろ!」

兄上は剣に魔力を込めた。炎を纏った剣が、薄暗い部屋の中で赤々と燃えている。

モンスターの持つ槍の柄の部分を狙った一撃は狙い通りに入り、吹き飛ばされた槍の穂は地面に突き刺さった。

「武器なしで私と戦うか?」
モンスターは拳をつき出し、戦いに備えている。
「フン……やってみるがいい」

兄上の剣は人形の胴体を見事にとらえ、真っ二つに切り裂いた。

「やりましたね!兄上!」
「ああ…おまえのおかげで楽な戦いだった。礼を言うぞ、ノア」

倒れたモンスターの体から魔力が放出され、隠された扉が壁に浮かび上がった。

「ノア、転移魔法が仕込まれているかもしれない。念のため、手をつないで扉をくぐろう」
さすが兄上。その気づく力を俺にもわけてほしい。

扉を開けると、そこは小さな部屋で、中央には水晶玉が設置されていた。
「十中八九、魔力を込めると発動する転移魔法だな。ノア、準備はいいか?」
「大丈夫です、兄上」

転移魔法の多用に、そろそろ体は慣れてきていた。乗り物酔いのような感覚は、もうほとんどない。

俺と兄上が転移した先には――

「兄上!見てください!」
「おお……」
「ノア!陛下!!」

仲間たちが揃っていた。


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