139 / 142
最終章 死と光
4. 最後の戦い
しおりを挟む
「ノア、ラウルス、ジン――……一斉に魔法を仕掛けるぞ!」
ついに、サナトリオルムとの最後の戦いが始まる。
俺たちが負ければ、悪霊は世界に病をもたらす魔獣を召喚し、サナトスは厄災に見舞われるだろう。多くの人々の命が危険にさらされてしまう……
そんなことさせない、絶対に――
先に仕掛けたのはサナトリオルムだった。背筋がこおりつくような……ぞっとするような闇の魔法が俺たちに襲いかかる。それに対抗するのは兄上の魔法だった。灼熱の炎が魔術師の闇魔法を遮る盾となった。炎に守られながら、俺たちは各々が得意とする呪文を唱え、悪霊へとありったけの力を込めて攻撃魔法を繰り出していく。だが、敵も間髪入れずに連続して魔法をこちらへ放ってくる。
どうやって、こんな……!
こっちは四人なのに……押されてる!?
次々と繰り出される敵の魔法を、こちらも魔法で相殺するという応酬が続いたがついに追い付かなくなり、目前にとてつもなく強い、殺意のこもった魔力の塊が迫る――
「くっ……!」
なんとか魔法障壁を張ることはできたが――
防げるか!?
来る――その瞬間、目の前に誰かが飛び込んできた。
ウィルだ……!
「うおおおぉぉぉっ…!」
ウィルは魔法を盾で受け止め、軌道を逸らした。サナトリオルムの放った魔法は前方へと跳ね返され、壁に衝突した。
「ウィル……!助かった!ありがとう!」
「礼はいらない。これが俺の役目だから」
「……顔に傷が!」
先ほど受け止めた魔法の余波だろうか……ウィルの顔面から血が滴り落ちていた。
「ヒール!」
回復魔法がウィルを包んだ。
「ニケ!」
「みんな、怪我したら僕に言って!すぐに治すからね」
ニケの心強い言葉――頼もしい。
俺も、もっと頑張らないと……
それから、俺たちは力を振り絞って悪霊へと、持てる力の全てを叩き込んだ。
――瞬間、サナトリオルムの魔法が途切れ、エトワールの放った矢が、ぶつかり合ういくつもの攻撃魔法の合間を縫い、サナトリオルムの腕を捉えた。
「くっ……!」
「今だ!」
ありったけの力を込めて魔法を放った。
渾身の攻撃魔法が、サナトリオルムに次々と襲い掛かる。
サナトリオルムに魔法が命中しても、血が爆ぜ肉が弾けるといったことは起こらなかった。ただ、魔法が当たった個所からは禍々しい色の霧状の気体が噴き出し、悪霊のからだは徐々に崩れ落ちてゆく。
「うそだ――こんな、我が……こんなところで……」
我が……死ぬ……の、か……
魔術を極め、人の魂を喰らい、命を生き長らえさせてきた。
世界を手中に握る神にも等しい存在であったというのに……
虫けらの如き人間の手にかかり――
我の命が今日で終わる?
い――いやだいやだいやだ!!
我はまだ、死にたくはない。
なんのために生きる?
我のために――
己が心を満たすために――
凄まじい光の氾濫が、俺たちを包んだ。
ついに、サナトリオルムとの最後の戦いが始まる。
俺たちが負ければ、悪霊は世界に病をもたらす魔獣を召喚し、サナトスは厄災に見舞われるだろう。多くの人々の命が危険にさらされてしまう……
そんなことさせない、絶対に――
先に仕掛けたのはサナトリオルムだった。背筋がこおりつくような……ぞっとするような闇の魔法が俺たちに襲いかかる。それに対抗するのは兄上の魔法だった。灼熱の炎が魔術師の闇魔法を遮る盾となった。炎に守られながら、俺たちは各々が得意とする呪文を唱え、悪霊へとありったけの力を込めて攻撃魔法を繰り出していく。だが、敵も間髪入れずに連続して魔法をこちらへ放ってくる。
どうやって、こんな……!
こっちは四人なのに……押されてる!?
次々と繰り出される敵の魔法を、こちらも魔法で相殺するという応酬が続いたがついに追い付かなくなり、目前にとてつもなく強い、殺意のこもった魔力の塊が迫る――
「くっ……!」
なんとか魔法障壁を張ることはできたが――
防げるか!?
来る――その瞬間、目の前に誰かが飛び込んできた。
ウィルだ……!
「うおおおぉぉぉっ…!」
ウィルは魔法を盾で受け止め、軌道を逸らした。サナトリオルムの放った魔法は前方へと跳ね返され、壁に衝突した。
「ウィル……!助かった!ありがとう!」
「礼はいらない。これが俺の役目だから」
「……顔に傷が!」
先ほど受け止めた魔法の余波だろうか……ウィルの顔面から血が滴り落ちていた。
「ヒール!」
回復魔法がウィルを包んだ。
「ニケ!」
「みんな、怪我したら僕に言って!すぐに治すからね」
ニケの心強い言葉――頼もしい。
俺も、もっと頑張らないと……
それから、俺たちは力を振り絞って悪霊へと、持てる力の全てを叩き込んだ。
――瞬間、サナトリオルムの魔法が途切れ、エトワールの放った矢が、ぶつかり合ういくつもの攻撃魔法の合間を縫い、サナトリオルムの腕を捉えた。
「くっ……!」
「今だ!」
ありったけの力を込めて魔法を放った。
渾身の攻撃魔法が、サナトリオルムに次々と襲い掛かる。
サナトリオルムに魔法が命中しても、血が爆ぜ肉が弾けるといったことは起こらなかった。ただ、魔法が当たった個所からは禍々しい色の霧状の気体が噴き出し、悪霊のからだは徐々に崩れ落ちてゆく。
「うそだ――こんな、我が……こんなところで……」
我が……死ぬ……の、か……
魔術を極め、人の魂を喰らい、命を生き長らえさせてきた。
世界を手中に握る神にも等しい存在であったというのに……
虫けらの如き人間の手にかかり――
我の命が今日で終わる?
い――いやだいやだいやだ!!
我はまだ、死にたくはない。
なんのために生きる?
我のために――
己が心を満たすために――
凄まじい光の氾濫が、俺たちを包んだ。
1
あなたにおすすめの小説
今世はメシウマ召喚獣
片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。
最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。
※女の子もゴリゴリ出てきます。
※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。
※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。
※なるべくさくさく更新したい。
【完結】だから俺は主人公じゃない!
美兎
BL
ある日通り魔に殺された岬りおが、次に目を覚ましたら別の世界の人間になっていた。
しかもそれは腐男子な自分が好きなキャラクターがいるゲームの世界!?
でも自分は名前も聞いた事もないモブキャラ。
そんなモブな自分に話しかけてきてくれた相手とは……。
主人公がいるはずなのに、攻略対象がことごとく自分に言い寄ってきて大混乱!
だから、…俺は主人公じゃないんだってば!
異世界転移した元コンビニ店長は、獣人騎士様に嫁入りする夢は……見ない!
めがねあざらし
BL
過労死→異世界転移→体液ヒーラー⁈
社畜すぎて魂が擦り減っていたコンビニ店長・蓮は、女神の凡ミスで異世界送りに。
もらった能力は“全言語理解”と“回復力”!
……ただし、回復スキルの発動条件は「体液経由」です⁈
キスで癒す? 舐めて治す? そんなの変態じゃん!
出会ったのは、狼耳の超絶無骨な騎士・ロナルドと、豹耳騎士・ルース。
最初は“保護対象”だったのに、気づけば戦場の最前線⁈
攻めも受けも騒がしい異世界で、蓮の安眠と尊厳は守れるのか⁉
--------------------
※現在同時掲載中の「捨てられΩ、癒しの異能で獣人将軍に囲われてます!?」の元ネタです。出しちゃった!
最弱白魔導士(♂)ですが最強魔王の奥様になりました。
はやしかわともえ
BL
のんびり書いていきます。
2023.04.03
閲覧、お気に入り、栞、ありがとうございます。m(_ _)m
お待たせしています。
お待ちくださると幸いです。
2023.04.15
閲覧、栞、お気に入りありがとうございます。
m(_ _)m
更新頻度が遅く、申し訳ないです。
今月中には完結できたらと思っています。
2023.04.17
完結しました。
閲覧、栞、お気に入りありがとうございます!
すずり様にてこの物語の短編を0円配信しています。よろしければご覧下さい。
【新版】転生悪役モブは溺愛されんでいいので死にたくない!
煮卵
BL
ゲーム会社に勤めていた俺はゲームの世界の『婚約破棄』イベントの混乱で殺されてしまうモブに転生した。
処刑の原因となる婚約破棄を避けるべく王子に友人として接近。
なんか数ヶ月おきに繰り返される「恋人や出会いのためのお祭り」をできる限り第二皇子と過ごし、
婚約破棄の原因となる主人公と出会うきっかけを徹底的に排除する。
最近では監視をつけるまでもなくいつも一緒にいたいと言い出すようになった・・・
やんごとなき血筋のハンサムな王子様を淑女たちから遠ざけ男の俺とばかり過ごすように
仕向けるのはちょっと申し訳ない気もしたが、俺の運命のためだ。仕方あるまい。
クレバーな立ち振る舞いにより、俺の死亡フラグは完全に回避された・・・
と思ったら、婚約の儀の当日、「私には思い人がいるのです」
と言いやがる!一体誰だ!?
その日の夜、俺はゲームの告白イベントがある薔薇園に呼び出されて・・・
ーーーーーーーー
この作品は以前投稿した「転生悪役モブは溺愛されんで良いので死にたくない!」に
加筆修正を加えたものです。
リュシアンの転生前の設定や主人公二人の出会いのシーンを追加し、
あまり描けていなかったキャラクターのシーンを追加しています。
展開が少し変わっていますので新しい小説として投稿しています。
続編出ました
転生悪役令嬢は溺愛されんでいいので推しカプを見守りたい! https://www.alphapolis.co.jp/novel/687110240/826989668
ーーーー
校正・文体の調整に生成AIを利用しています。
光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。
みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。
生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。
何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる