3 / 5
第三巻
しおりを挟む3ヶ月後の8月19日(9月13日)に引廻しの上獄門の判決が下された。
なお、当時の法律上、被害者の身分が高いか低いかで、刑を決めるとは明記されていないため、裁判では「盗みに入った相手が身分の高い者ばかりという事で、刑を加重するのは問題ではないか」という点で争いが起きており、議論が紛糾したという。
引き廻しの際には牢屋敷のある伝馬町から日本橋、京橋のあたりまで、既に有名人であった鼠小僧を一目見ようと野次馬が大挙して押し寄せたという。
引廻しの際の鼠小僧は上は黒の麻帷子、下は更紗で帯は八端、顔には薄化粧をしていたという。
処刑は品川(鈴ヶ森刑場)で行われたとする文献もあるが、小塚原刑場で行われたともされ、松浦静山の家臣は千住(小塚原刑場)へ晒し首を見に行っている。
処刑時の年齢は36歳、37歳、38歳などの説がある。
次郎吉の死後、墓は両国の回向院にあり、墨田区の有形民俗文化財となっている。正に伝説の鼠小僧次郎吉であるのだ。
参拝客は長年捕まらなかった幸運にあやかろうと、墓のお前立ちを削って持ち帰り、お守りにしている者もいる。
いつの世も「悪は絶えない」ということである。
この鼠小僧次郎吉の墓であるが、愛知県蒲郡市の委空寺にも母親の手によるとされる墓を移設したものがあるのだ。
その他、南千住の小塚原回向院、愛媛県松山市、岐阜県各務原市等にも鼠小僧に恩義を受けた人々が建てた等と伝えられる墓がある。
鼠小僧墓(両国回向院)
源次郎(弟の名前)、魚屋治三郎、次兵衛といった偽名を用い、佐内町、檜物町、向町、赤坂田町、深川中島町、永代寺門前仲町、深川山本町、本所新右衛門町、神田新銀町と居所を転々とした。
次郎吉は女房も頻繁に替えており、かつ、いち、さん、みちという4人の酌婦と連れ添ったり離縁したりを繰り返している。
長谷川時雨の祖母も鼠小僧の引廻しを見たらしく、『旧聞日本橋』には「鼠小僧は小がらな、うすあばたのある、ちいさな男のよし」という時雨が母から伝えられた内容が記述されている。
鼠小僧は賭博で勝ち逃げをしたり、負けて引き下がって場を白けさせたりしなかったということで、賭場での評判は良かったとされる。
愛知県蒲郡市には、鼠小僧の生まれは現在の同市神明町であるとの伝承があるのだ。
10
あなたにおすすめの小説
冷遇妃マリアベルの監視報告書
Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。
第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。
そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。
王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。
(小説家になろう様にも投稿しています)
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。
了承した彼女は帝都でドレスメーカーの独立工房をやっている叔母のもとに行くことにする。
テンダーがあっさりと了承し、家を離れるのには理由があった。
それは三つ下の妹が生まれて以来の両親の扱いの差だった。
やがてテンダーは叔母のもとで服飾を学び、ついには?
100話まではヒロインのテンダー視点、幕間と101話以降は俯瞰視点となります。
200話で完結しました。
今回はあとがきは無しです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる