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第二巻
しおりを挟む世の中の事件や事故、災害といった不吉な出来事は、時として偶然とは思えないようなタイミングや連鎖で起こることがあるものだ。そのような時私達の頭によぎるのは祟りや呪いといった言葉であろう。
日本では古くから、人に祟りや災いをもたらす悪霊は怨霊と呼ばれ恐れられて来た。
抑々怨霊には、大災害をもたらすような強大な力を持つとされるものが存在する。
その中でも特に強力な怨霊として恐れられたのが、菅原道真、平将門、崇徳天皇の3人だ。
歴史上の偉人として知られる彼ら。果たして何が、怨霊として恐れられたのか。
彼らの悲惨な最期や恨みの深さから、日本各地で様々な怪異や災いをもたらす大怨霊となったのだ。
この章では菅原道真だけを取り上げる。
ー(菅原道真)ー
菅原道真は、平安時代に実在した。
中流貴族の家に生まれ、幼い頃より学問や詩歌の才能を発揮。道真は「神童」と呼ばる天才であった。
学者、漢詩人、政治家と多彩な才能を持ち870年に官吏登用試験で抜群の成績を修めて任官された。宇田天皇からの信頼も厚く、遣唐使の廃止を進言した。
道真は異例のスピード出世をすることになる。それは宇田天皇に重用されていたからだ。特に道真は宇田天皇に和歌を教えていたのだから。
道真はやがて朝廷の最高職とも言われる右大臣に就任する。
しかし、当時の政界では貴族の藤原氏が強い影響力を持っていた。藤原時平である。道真も時平に並ぶ影響力を持つようになる。
道真の出世を快く思わない者も多かった。中でも当時もう一人の権力者がいた。 左大臣・藤原時平である。
ある時、藤原時平は菅原道真を陥れる為彼に無実の罪を着せる。当時の天皇・醍醐天皇に「菅原道真は天皇を廃帝させるために陰謀を企てている」と讒言したのである。
時平の言葉を信じた醍醐天皇は、菅原道真を失脚させ、大宰府に左遷したのであった。
菅原道真は左遷後2年で無念の死を遂げたのである。
菅原道真が左遷された太宰府は、今の福岡県である。当時、太宰府は都から遠く離れた辺境の地であった。
その後、道真は弁明などを一切聞き入れられることのないまま、囚人同様の扱いで太宰府に幽閉されたのだ。
そして失意のうちにわずか2年で非業の死を遂げてしまう。道真の無念はやがて怨霊となる。
その後は道真に代わって権力を握った藤原時平の覇権が続くと思われましたが、藤原時平は39歳で突如亡くなる。
更にその後、宮廷内で落雷が発生して複数の貴族が命を落とし、やがては道真を左遷した醍醐天皇とその皇太子までもが病で立て続けに亡くなってしまう。
道真の怨霊に依る災いを鎮めるため「天神様」と祀られるようになったのである。
これらの一連の出来事は、菅原道真の怨霊による祟りであると恐れられ、死後にも関わらず太政大臣や左大臣の位を与えて怒りを収めようとした。しかしそれでも災いが止まることはなかったため、最終的には菅原道真の魂を神として祀るべく、北野天満宮が建立されたのである。
菅原道真は落雷をもたらしたことから雷神として崇められ、「天神様」と呼ばれるようになる。時が経つにつれて怨霊としての恐ろしさは弱まっていき、代わりに生前学問の才能に秀でた菅原道真にあやかろうと、「学問の神様」として崇められるようになった。
菅原道真を祀った天満宮は全国に数多く存在し、現在では受験生の合格祈願の名所としてすっかり有名になった。
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