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第四巻
しおりを挟む怨念とは、強い恨みや無念の気持ちが心の中に深く残っている状態を指す言葉だ。特に、理不尽な出来事や非業の死などによって生じた、晴らすことのできない強い感情を意味する。
すずは随分と前になるが霊媒師から次のような怖い話しを聞いたことがあった。
大阪に繊維問屋街がある。そこの衣料品問屋に平松という30歳の社員がいた。
ある日、その会社である事件が起きた。店のレジから一万円札が一枚紛失したのである。店番をしていた平松が疑われた。平松は「自分ではありません」と容疑を否認したが専務の村松に理不尽な事を理由に会社をクビになったのである。平松にしては無実であるにも関わらず、クビになった。
紛失した一万円は給与で相殺された。
しかし、平松は納得がいかない。平松はとうとうノイローゼになり、首吊り自殺をしたのであった。数年が経ったある日、東京にあった雑貨屋の店員が店主に急におかしなことを言い出したのだ。
その店員は山田と言った。店主は彼の言動がおかしいので近所の霊媒師の所へ彼を連れて行ったのである。
その霊媒師は早速その店員をサニワした。するとその店員が突然話し出したのである。
「自分は大阪の衣料品店に勤めていた平松だ。理不尽な言いがかりを言われ、頭にきて自殺した。この店員に憑依したのでこの店員を大阪に連れていき専務の村松を刺し殺して恨みをはらす」というのである。
霊媒師は早速、霊に話しかけてよく供養するから今回の件は平松から出ていってやって欲しい」
と霊に話したのであった。
その霊は霊媒師の「懇ろな供養をしてやる」という言葉に納得して平松の体から外へ出ていったのであった。
このように怨念は、時としてまったく関係のない第三者に憑依することがあるのだ。
すずはその話しを思い出したのだ。
他者からの仕打ちに対する不満や憎しみ、憤りの感情を指す「恨み」と同じよう怨念は同義語として使われる。
また、怨念には心残りや悲しみといった感情も含まれる。
古くから、怨念は怨霊と深く関連付けられてきた。恨みや憎しみを持った人の生霊や、非業の死を遂げた人の霊が怨霊になるのだ。学問の神様の菅原道真はこの怨霊により京都に落雷や憑依などで沢山の都人が死んでいる。
菅原道真は京で怖がられた。そこで菅原道真を神として信仰の対象になったのである。北野天満宮で生きている人間や社会に災いをもたらすとされ、北野天満宮では鎮めるための祭祀が行わている。
そうすると菅原道真の怨霊は現れなくなったのである。
「怨」という漢字は「うらむ」という意味を持つ。日本神話や歴史の文脈では、怨念は怨霊や祟りの物語として語られ、鎮魂や顕彰によって和解へと転じられてきた歴史がある。
怨念の類語には、「怨恨」や「私怨」などがある。また、「怨嗟」も恨み嘆く感情を意味する言葉です。
ある日、すずはいつものように生命保険の勧誘の為に茨木市の總持寺にいた。
すずは總持寺にある霊媒師の所に相談に行ったのである。
「こんにちは」
「あら、お久しぶり。元気?」
「はい」
「今日はどうされましたか?」
「はい。また、以前のように『あんた死ぬよ』ということが、分かるようになりまして怖くて怖くて」
「分かりました。もう一度サニワしましょう」
「はい、お願いします」
早速老婆はサニワを始めた。サニワを始めてから20分が経過した。
霊媒師は腕を組み目を閉じて考え込んだ。そうして大きな目を見開いた。
「これはかなり強い霊力になっています。しかしどうすることも出来ません」
「そうなんですか。何か良い話しありませんか?」
「ないですね。もうこれ以上サニワしても分かりません」
霊媒師の老婆が言った。
「すずは明確な答えを得られなかった」
老婆が口を開いた。
「善一筋で生きて行けばなんら問題ありませんから」
すずは霊媒師に金一万円を熨斗袋の中に入れ神前にお供えして祝詞をあげたのであった。
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