神戸三宮割烹料理 武田 女料理人物語

蔵屋

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第八巻

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 国土が東西南北に長く弓なりに広がる日本列島は豊かな森林と川と水、そして列島周囲を囲む海、春夏秋冬、季節の移り変わりを感じる自然豊かな島国だ。季節ごとに多種多様な食材に恵まれ、とくに海の宝庫の魚介類は、新鮮だ。
料理人にとって、この上ない贈り物だ。
梅ちゃんは、料理人になりもう10年になる。
 神戸の名門女学院、名門女子大学を卒業後、京都の調理師学校で学んだ。卒業後、調理師免許を取得した後、京都で老舗の懐石料理店 菊水本店で修行し、数年ぶりに神戸にUターン、神戸三ノ宮で、割烹料理店武田を開店するのだ。
開店前は開店準備に追われて、実家に帰れなかったが、やっと準備も終わり、梅は実家に帰った。
玄関を入るなり、女中のタマキが玄関で出迎えた。
「お嬢様、お帰りなさいませ。お待ちしておりました。お父様もお母様もお待ちですよ」
「タマキ ありがとう。いつも世話かけるね」
梅ちゃんは、タマキに案内されるまま、渡り廊下を歩き、父と母の待つ食卓に行った。
「お父さん、お母さん、ただいま帰りました」
「お帰りなさい。梅子」
「お帰り」
「疲れたでしょ。今日はゆっくりしなさいね」
「さあ、席について」
「母さん、ありがとう」
「先ず、乾杯だ」
待機していた女性ソムリエのマキが、
「本日のワインは、イギリス王室御用達のデュボネ ルージュでごさいます」
説明の後、昇、良子、梅のそれぞれのワイングラスに赤ワインを注いだ。
昇の音頭で、乾杯した。
「じゃ、乾杯だ。梅お帰り。長い間、よく頑張ったね。梅の前途を祝し乾杯!」
「乾杯」
「乾杯」
3人は、赤ワインを飲み始めた。
しばらくして、ウエイトレス達が厨房から料理を運んで来た。
今日の料理は
①神戸牛 ヒレステーキ 
②子羊のロースト
③かぶとレタスのコールスロー
④りんごとセロリのマカロニサラダ
⑤タコマリネのピンチョス
⑥ロールキャベツホワイトソース煮
⑦トマトとほうれん草のオムレツ
⑧コーン入りオムライス
⑨トマトスープ

以上の九品だ。
3人は食卓テーブルに置かれた料理を食べ始めた。
「美味しいわ。やっぱり神戸牛ね。いつも美味しいわ。この柔らかさ、この独特な味。舌触り。美味しい」
「これ、美味しいね。このタコ料理、なんていうんだい」
「いやね、あなた、タコマリネのピンチョスよ」
「そうか、タコマリネのピンチョスか」
「今度は、覚えて下さいよ」
「分かったよ」
3人は笑った。
なんと幸せな家庭なのだろう。
梅ちゃんは自分の生い立ちを考えていた。
いつも幸せであるから、余計に考えるのだ。
生きる喜び、生きる希望、生きる目的を幸せだからこそ、考えるのだ。

その基本は、大自然を感じることだ。
大自然は生きている。

太宇宙は、規則正しくまた、くるいなく動いている。止まっているものはない。
生きているのだ。
例えば、太陽について、考えてみよう。
太陽の光と熱は地球に昼という時間とエネルギーを与えてくれる。太陽は海や陸をあたため、地球に生きるすべての生きものにとって、あらゆる地球上の命をはぐくむためになくてはならない大切な存在なのだ。

しかし、この幸せな家族に悲しい出来事が起こるのであたった。
ある日突然、交通事故で、梅ちゃんは両親を失ったのである。
その後、梅ちゃんは親戚筋の家に養女として迎えいれられたのである。
老舗割烹料理店武田である。





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