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第三巻
しおりを挟む門の松は関東地区は7日まで、関西地区は15日までだ。
しかし、たん熊は7日の朝から営業した。
何故なら常連客の舞妓さんたちからの要望であった。
京都と言えば舞妓と芸者の街である。
たん熊はこの日の早朝から七草粥の準備をしていた。
フードライターの仮面ライダーも実たちを取材し、また、店先に並んでいる舞妓たちの取材をしている。
今回も仮面ライダーは会社のグルメ企画から“七草粥と京都の舞妓さん達“というタイトルでグルメ雑誌の表紙を飾ることになる。フードライターの仮面ライダーも今回の企画に勝負を掛けていた。
さて、この七草粥は日本の行事食の一つである。
一般的には人日の節句の朝に食べられるものを指し、七日粥ともいう。
ー(七草粥)ー
歴史的には上元と呼ばれる正月15日の小正月行事にも7種の穀物を入れた七種粥を食べる風習があり、小豆粥のルーツの一つとなっているが、正月7日の七草粥とは本来は別の行事とされているのだ。
春の七草や餅などを具材とする塩味の粥で、その一年の無病息災を願って1月7日の朝に食べられる。
春の七草は現代ではセリ、ナズナ、ゴ(オ)ギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロを指す。
正月の祝膳や祝酒で弱った胃を休める為である。これは理に叶っていると言える。
古代中国には元日から一日ごとに鶏狗羊猪牛馬と畜獣を占い、7日には人を占ったことから「人日」と称された。
江南地方にはこの日に早春に若菜摘みを行って「七種菜羹」と呼ばれる羹にし、万病や邪気を防ぐという風習があったのだ。
5世紀から6世紀にこの地方の年中行事や習俗を記した『荊楚歳時記」』にも「正月七月を人日と為す。七種の菜を以て羹を為る。」との記載があるくらいだ。
日本でも古代から早春に若菜摘みが行われており、冬に不足する新鮮な野菜を求めて貴族も若菜摘みを行ったのだ。
古代中国の民間俗信が日本に入って若菜摘みと習合し、奈良時代から平安時代には宮中でも人日に若菜を羹にして食べる行事が行われるようになった。
平安時代には正月7日(人日)の七種菜のほかに初子の日(陰暦正月上の子の日)の宴(供若菜)があり、いずれも若菜を摘んで羹にする行事であった。
室町時代以降になって羹から粥に変わっていったが、それ以前に吸い物式ではなく粥式のものもあったかどうかは不明である。
日本の『御伽草子』七草草子で辰の刻に七草粥を煮るとされるのは、かつて上辰日に行われていた風習の名残らしい。
また、朝日新聞のコラム「天声人語」2023年1月7日掲載分「七草いまむかし」によると、江戸時代には七つの調理道具を用いて囃す「薺打ち」という行事があり、年の初めに豊作を願うのが由来だとされている。
私はこの朝日新聞の「天声人語」を毎日読んだものだ。
この時期、スーパーの店頭にはこの七草セットが陳列され消費者達の目線の主役になる。
現在では、七草をセットした商品が、多くの八百屋など小売店にて販売されるほか、フリーズドライの七草や、お茶漬け用のふりかけとして販売されている例もあるくらいだ。
また、日本食糧新聞によると感染症の流行により年末年始を自宅で過ごす人が増えたため、七草茶漬けの需要が高まったとされている。
なお、正月七日に七種の食材を食べて健康を願う風習は中国にも残っているのだ。
御伽草子の七草草子に、説話が語られている。
唐の楚国に、大しうという親孝行者がいた。両親はもう百歳を越し体がままならず、そんな両親を嘆き悲しんだ大しうは、山に入って21日間もの苦行を行い祈願した。
「私に老いを移してもいいのでどうか両親を若返らせてください」と。
そこに天上界の帝釈天からお告げがあった。
「そなたの願いを聞き入れた。須弥山の南に齢8000年の白鵞鳥がいるが、この秘術をぬしら親子に授ける。ついては、
毎年春のはじめに七種の草を食べることである。
1月6日までに7種類の草を集めておくこと。次の時刻に柳で作った器に種を載せ、玉椿の枝で叩くこと。
酉の刻から芹
戌の刻から薺
亥の刻から御形
子の刻から田平子
丑の刻から仏座
寅の刻から菘
卯の刻から清白
辰の刻からこれらの種を合わせ、東から清水を汲んできて、これを煮て食べること。
一口で10歳、七口で70歳若返るので、ついには8000年生きることができよう。」大しうはこの教えを繰り返し暗唱すると、この日は正月であったのですぐに山を降りて7種類の草を集め、6日の夕方から教えの通り、不思議な心持ちで夜通し草を叩いた。朝になり、東から汲んだ水で炊いて両親に食べさせたところ、たちまち若返ったのはいうまでもない。これが世に伝わり、噂を聞いた当時の帝はこの親孝行に感動して位を譲ったというエピソードである。
すなわち、七草の由来とともに、ここでは親孝行の功徳を説いた話だったのである。
ー(小正月行事の七種粥)ー
正月7日の七草粥(七種粥)とは異なるものに、小正月行事の七種粥がある。
上元、陰暦の正月15日)の日に食される7種の穀物を入れて炊いたもので、このような風習は小正月の小豆粥のルーツとなっているのだ。
七種の穀物を使用することからもっぱら「七種粥」と表記されている。
七種の御粥に使用された七種の穀物は、『延喜主水司式』によればイネ(稲(すなわち米、コメ))、アワ(粟)、キビ(黍子)、ヒエ(薭子)、ミノゴメ(葟子(ムツオレグサ、タムギを指す))、ゴマ(胡麻)、アズキ(小豆)である。
古代中国には小豆粥の風習があった。
また、中国の『荊楚歳時記』によると正月十五日に豆粥を作る風習があり、日本にも伝わり正月十五日の宮中行事となったが日本では七種の穀物を入れた「七種粥」となった。
その理由は不明であるが、人日(正月7日)に作られる七種菜羹の影響を受けて正月15日の豆粥を儀式化する際に穀物七種としたものとみられている。
たん熊では朝から 七草粥の準備で、おおわらわ。
実は朝から準備で大変だ。
何故なら今朝は七日であり火曜日だが既に舞妓ハンたちが長蛇の列を成している。
午前9時30分に特別に開店するのである。
店の前には常連客の舞妓たちが開店を今か、今かと待っていた。
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