悪役令嬢のお父様

春巻 名取

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人が空を舞う。
字面にすると羽が生えて飛んでいる様子に見えるがそんなメルヘンなものではなく、顎から脳天に掛けてのアッパーカットを喰らったサージェ王子は俗に言う車田落ち、殴り飛ばされて空中で数回転した後、顔面から地面に叩きつけられた。
割と危険な角度で地面に落ちた気がするが末端の四肢がピクピクと痙攣している事からまだ息があると言えるだろう。
バッチリそれを目撃した兵士達は各々ガクガクと震えながらブラダマンと距離を置く。
ただの拳で人を数メートル殴り飛ばす人と戦うなど敵対していない限りごめんである。

一発殴って少しは怒りが収まったのかブラダマンはクルリと国王に向き直る。

「では、国王陛下、そう言うわけで我々一族郎党は処刑される前に全て・・を持ってこの国に反旗を翻しますので。」

「まあ、待て待て!!早まるでない!!」

その発言に国王が待ったをかける。
全て、全てと言ったぞこの男。国王は冷や汗を流しながら思考を加速させる。
冗談ではない、全てを持って反旗を翻すということはこの国が亡くなってしまう・・・・・・・・・・・・
軍務に関しては此方に利はあるだろう、だが、経済面に置いてこの国の半分以上はナタリアが実権を握っている様なものだ。
例え戦に勝ったとしてもその後の事を考えるとジェリクル家と争うのは言語道断である。
何より普段は親バカなブラダマンではあるが民衆からの人気は高く、何より個人の戦闘能力の高さが厄介なのだ。
もしここでブラダマンが暴れれば1分もしないうちに全滅する可能性もある。

故に、戦闘を回避する為にも、ここで、ブラダマンを、説得するしか、ないのである!















国王は、深い、深い息を吐き…

「それだけは勘弁してください!」

人目を憚らず土下座したのである。
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