排卵ガチャ

ゆきとかげ

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空の子たち~ゆきのこ レインボーヤ~

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 空の丘に住む、「空の子」の仲間たちを紹介するよ。

 「たいようサン」はライオンのような姿で強そうに見えるけど、案外自分に自信がなくて、臆病なところもあって、ずっと光輝いていることに疲れて、時々「モクモクモ」の後ろに隠れてしまうんだ。
 
 「モクモクモ」は小さくなったり、大きくなったり、自分の体の大きさを自在に変えることができるモンスターだよ。めったに怒ることはないけど、笑うこともなくて、感情は一定で、お地蔵さまや大仏さまのようにみんなに対して平等なんだ。
 
 「あめ しずく」は双子のかわいらしい妖精だよ。ちょっと泣き虫だけど、「たいようサン」が見せてくれる光を見ると、喜んで笑顔になるんだ。
 
 「たいようサン」と「あめ しずく」が一緒にニコニコしている時、ふいに現れるのが、猫のような姿の「レインボーヤ」。毛並みが虹色に光る妖精なんだ。レインボーヤと出会えたら、幸せが訪れると言われているから、空の丘にもめったに現れないんだけど、みんなレインボーヤに会いたがっているんだ。
 
 レインボーヤと同じ、虹色の光の環を冠みたいに頭の上に乗せている「ハロさま」もいるよ。ハロさまは空の丘の神さまなんだ。空の子たちの中にはいたずらっ子もいるから、あまり悪さをしすぎないように見張っているんだよ。
 
 いたずらっ子の「あられヒョウ」は動物のヒョウのような姿をしていて、すばしっこいし、いつも元気で気が強いんだ。でもあられヒョウでも敵わない、いたずらっ子たちもいるよ。
 
 「ゴロロ ピピカ ドドン」という三兄弟が空の丘で一番強いいたずらっ子というより、不良なんだ。三人揃っている時が一番強くて、威張っているんだ。空に落書きをしてみたり、雷を落として、空の下にいる人間たちを怖がらせてみたり…。強いけど、眠っていることも多いから、いつも悪さをしているわけではないんだ。
 
 「かぜクン」は風の旅人で、かぜクンと友だちのモクモクモは一緒に遠くへ旅することもあるよ。モクモクモがかぜクンと旅に出かけている間は、たいようサンは隠れる場所がなくてずっと輝いていなきゃいけないから、疲れてしまうんだ。
 
 「ゆきのこ」という雪のお化けの子も空の丘に住んでいるよ。雪だるまみたいな二頭身の体はふわふわで、頭にかぶっているキノコのかさような帽子がトレードマークだよ。その帽子は会ったことのない、お父さんがゆきのこのために残してくれたんだって。だからゆきのこの宝物なんだ。
 
 ゆきのこには「ゆきのこのお母さん」がいて、色白で、氷のように冷たく、長い髪が特徴的な雪女のようなお化けだよ。とてもやさしいお化けなんだ。

 こんな風にたくさんの空の子たちが住む空の丘には、時々、風船やシャボン玉がふわふわ飛んでくるんだ。その風船やシャボン玉の中には、「ゆきとのお母さんになりたい」とか、「かなたに会いたい」とか、「お母さんに会いたい」、「またお母さんの元に生まれたい」なんて様々な願い事が入っていて、空の子たちはそんな願い事が入った風船やシャボン玉を見つけると、その願いを叶えてあげようと奮闘するんだ。いたずらっ子たちは願い事を叶える邪魔をしようとするけれど、それにもめげずに、やさしい空の子たちは力を合わせて、願い事が叶うキャンディやおもちゃの入ったガチャポンのカプセルを作って、空の丘から、願った命の元へそれを届けるんだ。

 紹介し忘れていたけれど、「たいようサン」が休んでいる間に現れる「ムーンじいさん」が孫の「流れ星のこ」たちの背中に、願い事の叶うカプセルを背負わせて、願い事をした命の元へ届けるんだよ。

 願い事をした後、ガチャポンをして、もしも不思議なカプセルが当たったら、それはきっと空の子たちが空の丘で作ってくれたガチャに違いないよ。怖がらずにキャンディは舐めた方がいいし、おもちゃで遊んでみるといいよ。


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感想 1

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みんなの感想(1件)

矢木羽研
2022.08.08 矢木羽研

男性なしでの妊娠という、古来から神話や英雄譚で描かれてきたテーマと、ガチャポンという現代的な題材の融合が面白かったです。
排卵日が来ることとガチャを引くことにはまったく繋がりがないはずなのに、なぜかその行為が懐胎につながるという不思議な話。

貧困などによって非婚化や晩婚化が進み、海鈴のような女性は日本に増えていると思います。
現実にはありえない物語だけの優しい奇跡。
神話の文脈なら、奇跡によって産まれた雪音くんは、この時代の暗雲を晴らす英雄になるのかも知れませんね。
何百年後かの未来には、このような神話が本当に語られているのかも知れません。

ささやかながら、大賞に投票させていただきました。

解除

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