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第9章 王都の断罪
9-1:絶望の王都、最後の希望
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王都は、死んでいた。
ソフィアが追放されたあの日、虚飾と熱気に満ち溢れていた華やかな都は、今や、灰色と紫色の絶望に塗り込められた、巨大な墓所と化していた。
あれほど鳴り響いていた市場(マルシェ)の喧騒も、楽団の陽気な調べも、貴族たちの高慢な笑い声も、すべてが嘘のように消え失せている。
その静寂は、平和とは程遠い、死に満ちた静寂だった。
代わりに響くのは、固く閉ざされた家々の扉の奥から漏れ聞こえる、絶え間ない、苦悶に満ちた咳の音。家族を失った者の、押し殺したような嗚咽。そして、日に日に数を増していく死者を運ぶ荷車の、石畳を削る、重く、陰鬱な車輪の音だけ。
空気は、もはや腐臭と呼ぶべき匂いに満ちていた。
病に倒れた人々の死の匂い、それを恐れる人々が魔除けと称してやみくもに焚きしめる、効果のない薬草や硫黄の焦げた匂い。それらが混じり合い、粘りつくような「瘴気」となって、街全体に分厚く沈殿している。
そして何より、人々の心から発せられる「絶望」そのものの匂いが、ソフィアの鼻を(マスク越しに)突き刺した。
空は、そのおぞましい煙霧(スモッグ)によって、常に薄暗い灰色に淀み、太陽の光ですら、この都を浄化することを諦めたかのようだった。
「……ひどい」
ソフィアは、その光景を、彼女がかつて知る王都とは似ても似つかぬ「地獄」を、冷静な、しかし、自らの「薬学」が冒涜されたことへの静かな怒りに燃える、赤い瞳で見つめていた。
彼女とギルバートは、王都の城門を、ほとんど抵抗なく通過していた。
城門を守る衛兵たちもまた、多くが『紫死病』に倒れ、残った者たちも、その顔は土気色で、いつ自分も感染するかという恐怖に怯え、虚ろな目をしている。もはや、まともな検問すら機能していなかったのだ。
二人は、村でソフィアが用意した、タイムとラベンダーの精油を染み込ませた厚手の布(マスク)で口と鼻を覆っている。その異様な姿に、すれ違う(数少ない)王都の民は、一瞬だけ驚きの目を向けたが、すぐに興味を失ったように、壁を伝う汚水でも見るかのように、目を伏せて足早に去っていく。
誰もが、他者を信じず、他者を恐れ、ただ自分の命だけを守ることに必死だった。
(……これが、あのオーギュストの、歪んだ権威欲の結果。これが、アルベルト殿下の、短絡的な『正義』が招いた、現実)
ソフィアの胸の内には、彼らへの侮蔑よりも、ここまで事態を悪化させた「非合理性」そのものへの、強い憤りが渦巻いていた。
「……ギルバート。王城へ、最短距離で行きますわよ」
「ああ、承知している」
ギルバートの声も、故郷の惨状を目の当たりにし、硬く強張っていた。彼の魔術師としてのプライドは、この災厄を放置し、あまつさえその片棒を(無自覚に)担いでいたことへの、深い自責の念に苛まれていた。
(俺が……俺たちが、王宮魔術師団(アカデミー)が、オーギュストの歪んだ錬金術の危険性に、もっと早く気づいてさえいれば……!)
だが、今は感傷に浸っている時ではない。
彼らは、瘴気が淀む貴族街の、立派だが固く閉ざされた屋敷の列には目もくれず、ただ一点、この国の政治と、そして災厄の中枢である「王城」へと、足を速めた。
王城もまた、例外ではなかった。
かつては、磨き上げられた銀色の鎧が整然と並び、王家の権威を示していた城門前。
だが、今、そこに立つ騎士たちの数は、半分以下に減り、その磨き上げられていたはずの鎧も、手入れがされておらず、灰色の煙霧に燻されて鈍い光を放っている。騎士たちの顔にも、絶望と、何日も眠れていないであろう深い疲労の色が濃く浮かんでいた。
彼らは、ギルバートの顔(王宮魔術師団・研究室の、見慣れたローブ)を見ると、一瞬だけ、安堵の表情を浮かべた。
「ギルバート様! ご無事でしたか!」
「研究室に篭もりきりだと伺っておりましたが……! まさか、このような時に……」
「ああ。状況は最悪のようだな。……それより、国王陛下のご容態は」
ギルバートが、核心を突くと、騎士たちの顔が、再び絶望に曇った。
「……それが。聖女リリア様が、三日三晩、祈りの間(ま)に篭もり、治癒の光を当て続けておられるのだが……」
騎士は、そこで言葉を切り、力なく首を振った。
「ご容態は、悪化の一途を辿っております。もはや、時間の、問題かと……」
「アルベルト殿下は」
「自室に篭もり、『聖女様を信じろ』『我らの祈りが足りないのだ』と仰るばかりで……。オーギュスト薬師長も、高価な薬草を煎じてお持ちしてはいるが、まったく効果はなく……」
(……オーギュストめ。国王陛下にすら、自分の『失敗作(フェーズ・ツー)』を、治せもしないガラクタ(薬草)で誤魔化し続けているのか。……自分の罪が露見する、その最後の瞬間まで)
ギルバートの拳が、ローブの中で、怒りに白く震えた。
「……案内しろ。私(わたくし)が、陛下を診る」
ギルバートの、普段の温和な彼からは想像もつかない、絶対的な命令口調に、騎士は一瞬怯んだ。
「し、しかし、ギルバート様は魔術師で……医者では……。それに、今は、オーギュスト薬師長閣下と、アルベルト殿下以外は、寝室への立ち入りは……」
「いいから、案内しろ!」
ギルバートが、声を荒げた。
「この国を救う『最後の希望』を、お連れしたのだ!」
ギルバートは、自らの背後に立つ、ボロボロのドレスの残骸をまとった銀髪の少女——ソフィアを、騎士たちに示し、そう言い放った。
「こ、この方が……?」
騎士たちは、その、場違いな少女の姿に、絶句した。
どこかの難民か、あるいは、あまりの事態に、ついにギルバート様も気が触れたのか。そんな侮蔑と困惑が、彼らの視線には含まれていた。
だが、ソフィアは、その視線を、意にも介さなかった。
彼女は、ギルバートの一歩前に出ると、その冷徹な赤い瞳で、騎士を射抜いた。
「……ソフィア・フォン・クライネルト、と申します。あなた方が『森の魔女』と呼ぶ、薬師ですわ」
「「!」」
『森の魔女』。
その名前が、騎士たちの間に、電流のように走った。
ゲルハルト公爵を、聖女リリアが治せなかった、あの『紫死病』から一瞬で救ったという、あの、王都の貴族たちの間で、唯一の「希望」として、あるいは「禁忌」として囁かれていた、その名前。
「……追放されたはずの、クライネルト侯爵令嬢……」
「まさか、本物の……」
「……道を開けなさい」
ソフィアは、もはや侯爵令嬢の威厳ですらなかった。それは、死の淵にある患者の元へと急ぐ、医師(ドクター)の、有無を言わさぬ威圧感だった。
「国王陛下の命が、尽きる前に」
騎士たちは、その赤い瞳に宿る、圧倒的な「自信」と「知性」の光に気圧され、まるで魔法にでもかかったかのように、左右に分かれ、道を開けた。
ソフィアとギルバートは、死の匂いが充満する王城の、その最深部——国王の寝室へと、迷いなく進んでいった。
ソフィアが追放されたあの日、虚飾と熱気に満ち溢れていた華やかな都は、今や、灰色と紫色の絶望に塗り込められた、巨大な墓所と化していた。
あれほど鳴り響いていた市場(マルシェ)の喧騒も、楽団の陽気な調べも、貴族たちの高慢な笑い声も、すべてが嘘のように消え失せている。
その静寂は、平和とは程遠い、死に満ちた静寂だった。
代わりに響くのは、固く閉ざされた家々の扉の奥から漏れ聞こえる、絶え間ない、苦悶に満ちた咳の音。家族を失った者の、押し殺したような嗚咽。そして、日に日に数を増していく死者を運ぶ荷車の、石畳を削る、重く、陰鬱な車輪の音だけ。
空気は、もはや腐臭と呼ぶべき匂いに満ちていた。
病に倒れた人々の死の匂い、それを恐れる人々が魔除けと称してやみくもに焚きしめる、効果のない薬草や硫黄の焦げた匂い。それらが混じり合い、粘りつくような「瘴気」となって、街全体に分厚く沈殿している。
そして何より、人々の心から発せられる「絶望」そのものの匂いが、ソフィアの鼻を(マスク越しに)突き刺した。
空は、そのおぞましい煙霧(スモッグ)によって、常に薄暗い灰色に淀み、太陽の光ですら、この都を浄化することを諦めたかのようだった。
「……ひどい」
ソフィアは、その光景を、彼女がかつて知る王都とは似ても似つかぬ「地獄」を、冷静な、しかし、自らの「薬学」が冒涜されたことへの静かな怒りに燃える、赤い瞳で見つめていた。
彼女とギルバートは、王都の城門を、ほとんど抵抗なく通過していた。
城門を守る衛兵たちもまた、多くが『紫死病』に倒れ、残った者たちも、その顔は土気色で、いつ自分も感染するかという恐怖に怯え、虚ろな目をしている。もはや、まともな検問すら機能していなかったのだ。
二人は、村でソフィアが用意した、タイムとラベンダーの精油を染み込ませた厚手の布(マスク)で口と鼻を覆っている。その異様な姿に、すれ違う(数少ない)王都の民は、一瞬だけ驚きの目を向けたが、すぐに興味を失ったように、壁を伝う汚水でも見るかのように、目を伏せて足早に去っていく。
誰もが、他者を信じず、他者を恐れ、ただ自分の命だけを守ることに必死だった。
(……これが、あのオーギュストの、歪んだ権威欲の結果。これが、アルベルト殿下の、短絡的な『正義』が招いた、現実)
ソフィアの胸の内には、彼らへの侮蔑よりも、ここまで事態を悪化させた「非合理性」そのものへの、強い憤りが渦巻いていた。
「……ギルバート。王城へ、最短距離で行きますわよ」
「ああ、承知している」
ギルバートの声も、故郷の惨状を目の当たりにし、硬く強張っていた。彼の魔術師としてのプライドは、この災厄を放置し、あまつさえその片棒を(無自覚に)担いでいたことへの、深い自責の念に苛まれていた。
(俺が……俺たちが、王宮魔術師団(アカデミー)が、オーギュストの歪んだ錬金術の危険性に、もっと早く気づいてさえいれば……!)
だが、今は感傷に浸っている時ではない。
彼らは、瘴気が淀む貴族街の、立派だが固く閉ざされた屋敷の列には目もくれず、ただ一点、この国の政治と、そして災厄の中枢である「王城」へと、足を速めた。
王城もまた、例外ではなかった。
かつては、磨き上げられた銀色の鎧が整然と並び、王家の権威を示していた城門前。
だが、今、そこに立つ騎士たちの数は、半分以下に減り、その磨き上げられていたはずの鎧も、手入れがされておらず、灰色の煙霧に燻されて鈍い光を放っている。騎士たちの顔にも、絶望と、何日も眠れていないであろう深い疲労の色が濃く浮かんでいた。
彼らは、ギルバートの顔(王宮魔術師団・研究室の、見慣れたローブ)を見ると、一瞬だけ、安堵の表情を浮かべた。
「ギルバート様! ご無事でしたか!」
「研究室に篭もりきりだと伺っておりましたが……! まさか、このような時に……」
「ああ。状況は最悪のようだな。……それより、国王陛下のご容態は」
ギルバートが、核心を突くと、騎士たちの顔が、再び絶望に曇った。
「……それが。聖女リリア様が、三日三晩、祈りの間(ま)に篭もり、治癒の光を当て続けておられるのだが……」
騎士は、そこで言葉を切り、力なく首を振った。
「ご容態は、悪化の一途を辿っております。もはや、時間の、問題かと……」
「アルベルト殿下は」
「自室に篭もり、『聖女様を信じろ』『我らの祈りが足りないのだ』と仰るばかりで……。オーギュスト薬師長も、高価な薬草を煎じてお持ちしてはいるが、まったく効果はなく……」
(……オーギュストめ。国王陛下にすら、自分の『失敗作(フェーズ・ツー)』を、治せもしないガラクタ(薬草)で誤魔化し続けているのか。……自分の罪が露見する、その最後の瞬間まで)
ギルバートの拳が、ローブの中で、怒りに白く震えた。
「……案内しろ。私(わたくし)が、陛下を診る」
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「し、しかし、ギルバート様は魔術師で……医者では……。それに、今は、オーギュスト薬師長閣下と、アルベルト殿下以外は、寝室への立ち入りは……」
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「「!」」
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騎士たちは、その赤い瞳に宿る、圧倒的な「自信」と「知性」の光に気圧され、まるで魔法にでもかかったかのように、左右に分かれ、道を開けた。
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