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第11章 甘い朝と招かれざる客たち
11-1 幸せな倦怠と二人の朝食
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氷狼城に、遅い朝が訪れる。
分厚い遮光カーテンの隙間から、遠慮がちに差し込む一筋の日差し。それは昨夜まで世界を閉ざしていた猛吹雪が嘘のように穏やかで、窓の外に広がる中庭の新雪を、目が眩むほどの白銀色に染め上げていた。
私がこの城に来て最初に「対寒冷地仕様」へとフルリノベーションを施した自室は、床下に巡らせた温水循環システムと、窓枠に施した断熱結界の恩恵により、暖炉の火が落ちた後も春の陽だまりのような暖かさを保っている。
「んぅ……。よく寝た……」
ふかふかの羽毛布団の中で、私はまどろみながら大きく伸びをした。
全身を包み込むのは、泥のように重く、けれど最高に心地よい倦怠感だ。それは、昨夜の舞踏会での極度の緊張と興奮、そしてその後にバルコニーで起きた出来事がもたらした、幸せな余韻だった。
私は無意識に、指先で自分の唇に触れた。
そこにはまだ、彼の体温と、誓いの口づけの感触が残っているような気がして、胸の奥が甘く締め付けられる。
ジークハルト。
かつては手のひらサイズの白い仔虎として拾われ、私の布団で丸まっていた彼。
今は、このガルディア帝国の第二皇子であり、私の最高のパートナー。
そして――私の、婚約者。
「夢じゃ……ないのよね。本当に」
自分に言い聞かせるように呟く。
あの光るドレスで大階段を降りた時の高揚感も、夜空を彩った文字花火への喝采も、そして月明かりの下で囁かれた甘いプロポーズも。全てが幻ではなく、現実に起きたことなのだ。
私はもう、ただの「便利な技術顧問」ではない。彼の隣に立ち、共に未来を歩むことを許された、唯一の存在。
その事実を改めて噛み締めると、顔がカッと熱くなり、私は枕に顔を埋めて足をバタつかせた。
きゃー! とか、うわー! とか、言葉にならない叫びを枕の中で上げながら転がり回る。今の姿、誰にも見せられない。
その時、控えめな、しかし確かなノックの音が静寂を破った。
「リディア様、失礼いたします。朝食をお持ちしました」
入ってきたのは、専属侍女のアンナだ。
彼女は銀色のワゴンを押しながら入室してきたが、その表情はいつものすました侍女のそれではない。目尻が下がりきり、口元には隠しきれないニヤニヤとした笑みが浮かんでいる。どうやら昨夜のバルコニーでの一件は、すでに城中の使用人たちの知るところとなっているらしい。
ワゴンの上からは、焼きたてのパンの香ばしい匂いと、挽きたてのコーヒーの芳醇な香りが漂ってくる。
皿は二組。カップも二つ。
……二つ?
「おはよう、アンナ。あの、なんで二人分なの?」
「あら、まだお気づきではありませんか? バルコニーの方をご覧くださいませ」
アンナが意味ありげな視線を窓際に向け、カーテンをさっと開け放った。
溢れ出す朝の光と共に、ガラス戸の向こうに佇む人影が逆光の中に浮かび上がる。
バルコニーの石の手すりに優雅に寄りかかり、コーヒーカップを片手に雪景色を眺めているのは、純白のシャツに黒いベストを纏った、銀髪の美青年。
ジークハルトだ。
彼は私の視線に気づくと、彫刻のように整った顔をほころばせ、ガラス戸を開けて中に入ってきた。
「おはよう、リディア。よく眠れたかい?」
爽やかすぎる。
背景の白銀の世界と相まって、一枚の完成された絵画のような美しさだ。朝一番に見るには刺激が強すぎて、網膜が焼けそうになる。
私は慌てて寝癖がついているであろう髪を手櫛で整えながら、上ずった声で返した。
「お、おはようございます、ジーク。……どうしてここに?」
「どうしてって、婚約者と朝食を共にするのに、特別な理由が必要か?」
彼は悪戯っぽく笑い、テーブルの席を引いて私をエスコートした。
そのあまりに自然な振る舞いに、私の心臓が早鐘を打つ。
かつて仔虎だった頃は、毎朝のように「寒いから入れろ」と私の布団に潜り込み、鼻先を押し付けてきた彼だ。あの頃は単なる「手のかかるペット」としての可愛さしかなかったのに、人間の姿でこうして朝の光の中に立っていると、その圧倒的な存在感と男性としての色気に気圧されてしまう。
彼が私の向かいに座り、コーヒーの香りを楽しみながら微笑むだけで、この部屋の空気が一変してしまったかのようだ。
「さあ、冷めないうちに食べよう。今日のパンは、君が開発した新型オーブンの試作一号機で焼いたものだそうだ。料理長が『リディア様に最高傑作を食べていただくんだ』と、早朝から張り切っていたよ」
アンナが恭しくコーヒーを注ぎ、退室していく。部屋には二人きりの、甘く穏やかな時間が流れる。
私はバスケットに盛られたパンを一つ手に取った。
まだ熱い。指先から伝わるその温度だけで、焼き上がりの完璧さが分かる。
ちぎると、パリッという軽快な音と共に、中からふわりと湯気が立ち上り、濃厚なバターと小麦の香りが鼻腔をくすぐった。
口に運べば、外皮のサクサクとした食感と、内側のしっとりとした柔らかさが絶妙なハーモニーを奏でる。噛みしめるほどに、穀物本来の甘みが口いっぱいに広がっていく。
以前のこの城で出されていた、石のように硬く冷たい黒パンとは、もはや別の食べ物だ。
「美味しい……。熱循環のムラも完全に解消されてるみたいね。これなら合格点だわ」
「ああ。兵士たちも大喜びだ。今や城内で君を知らぬ者はいない。食堂では毎食ごとに『温かき女神』への感謝の祈りが捧げられているくらいだぞ」
「やめてよ、恥ずかしい。私はただ、自分が美味しいものを食べたかっただけなのに」
私が頬を赤らめて俯くと、ジークハルトは愛おしそうに目を細めた。
彼の手がテーブル越しに伸びてきて、私の口元についたパン屑を親指の腹で優しく拭う。
その指先の熱さと、触れられた瞬間の甘い戦慄に、私は思考が真っ白になりかけた。
「その『ただの欲求』が、この国を救っているんだ。……リディア、君は本当にすごいな」
「ジ、ジークだって。昨日の演説、すごく立派だったわよ。皆、感動してたもの」
「そうか? ……まあ、首輪の翻訳よりはマシだったろう?」
彼が自嘲気味に肩をすくめるので、昨夜のバルコニーで響き渡った『大好き大好き!! 一生離さない!!』という大音量の合成音声を思い出し、二人して吹き出してしまった。
笑い合う声が重なり、部屋の空気がさらに柔らかく解けていく。
窓の外では小鳥がさえずり、遠くの練兵場からは兵士たちの元気な掛け声が聞こえてくる。
平和で、温かくて、甘い朝。
王国の神殿で、冷たい石床に膝をつき、理不尽な叱責を受けていた日々が、まるで遠い前世の出来事のようだ。
こんな幸せな時間が、ずっと続けばいい。
そう願わずにはいられないほど、満ち足りたひとときだった。
だが、私は知っている。
平和とは、ただ享受するものではなく、維持し、守り抜くものだということを。
私の「発明」がもたらす影響は、城壁の中だけで完結するものではない。光が強くなればなるほど、影もまた濃くなる。この温かな城の外には、まだ冬の寒さに震える人々や、私たちの幸福を快く思わない勢力が潜んでいるのだ。
「さて、と。……いつまでものんびりしてはいられないわね」
私は最後のコーヒーを飲み干し、カップをソーサーに戻した。カチャン、という澄んだ音が、私の中のスイッチを切り替える。
技術顧問としての仕事は山積みだ。
昨夜のデモンストレーションで貴族たちの度肝を抜いた分、彼らからの「うちの領地にも暖房を導入してくれ」「農地に温室を作りたい」という要望の手紙が、今頃執務室に山のように届いているはずだ。
それに、私の頭の中には、まだ形になっていないアイデアが無限に渦巻いている。この国の冬を変えるための、次なる一手。
「行くわよ、ジーク。今日も世界を少しだけ、快適にしてやりましょう」
「ああ。どこまでも付き合うよ、俺の最高のパートナー」
私たちは視線を交わし、力強く頷き合った。
新しい一日が始まる。
それは、帝国の革新の続きであり、同時に新たな波乱の幕開けでもあった。
窓の外、白銀の世界が、私たちの挑戦を待っているかのように輝いていた。
分厚い遮光カーテンの隙間から、遠慮がちに差し込む一筋の日差し。それは昨夜まで世界を閉ざしていた猛吹雪が嘘のように穏やかで、窓の外に広がる中庭の新雪を、目が眩むほどの白銀色に染め上げていた。
私がこの城に来て最初に「対寒冷地仕様」へとフルリノベーションを施した自室は、床下に巡らせた温水循環システムと、窓枠に施した断熱結界の恩恵により、暖炉の火が落ちた後も春の陽だまりのような暖かさを保っている。
「んぅ……。よく寝た……」
ふかふかの羽毛布団の中で、私はまどろみながら大きく伸びをした。
全身を包み込むのは、泥のように重く、けれど最高に心地よい倦怠感だ。それは、昨夜の舞踏会での極度の緊張と興奮、そしてその後にバルコニーで起きた出来事がもたらした、幸せな余韻だった。
私は無意識に、指先で自分の唇に触れた。
そこにはまだ、彼の体温と、誓いの口づけの感触が残っているような気がして、胸の奥が甘く締め付けられる。
ジークハルト。
かつては手のひらサイズの白い仔虎として拾われ、私の布団で丸まっていた彼。
今は、このガルディア帝国の第二皇子であり、私の最高のパートナー。
そして――私の、婚約者。
「夢じゃ……ないのよね。本当に」
自分に言い聞かせるように呟く。
あの光るドレスで大階段を降りた時の高揚感も、夜空を彩った文字花火への喝采も、そして月明かりの下で囁かれた甘いプロポーズも。全てが幻ではなく、現実に起きたことなのだ。
私はもう、ただの「便利な技術顧問」ではない。彼の隣に立ち、共に未来を歩むことを許された、唯一の存在。
その事実を改めて噛み締めると、顔がカッと熱くなり、私は枕に顔を埋めて足をバタつかせた。
きゃー! とか、うわー! とか、言葉にならない叫びを枕の中で上げながら転がり回る。今の姿、誰にも見せられない。
その時、控えめな、しかし確かなノックの音が静寂を破った。
「リディア様、失礼いたします。朝食をお持ちしました」
入ってきたのは、専属侍女のアンナだ。
彼女は銀色のワゴンを押しながら入室してきたが、その表情はいつものすました侍女のそれではない。目尻が下がりきり、口元には隠しきれないニヤニヤとした笑みが浮かんでいる。どうやら昨夜のバルコニーでの一件は、すでに城中の使用人たちの知るところとなっているらしい。
ワゴンの上からは、焼きたてのパンの香ばしい匂いと、挽きたてのコーヒーの芳醇な香りが漂ってくる。
皿は二組。カップも二つ。
……二つ?
「おはよう、アンナ。あの、なんで二人分なの?」
「あら、まだお気づきではありませんか? バルコニーの方をご覧くださいませ」
アンナが意味ありげな視線を窓際に向け、カーテンをさっと開け放った。
溢れ出す朝の光と共に、ガラス戸の向こうに佇む人影が逆光の中に浮かび上がる。
バルコニーの石の手すりに優雅に寄りかかり、コーヒーカップを片手に雪景色を眺めているのは、純白のシャツに黒いベストを纏った、銀髪の美青年。
ジークハルトだ。
彼は私の視線に気づくと、彫刻のように整った顔をほころばせ、ガラス戸を開けて中に入ってきた。
「おはよう、リディア。よく眠れたかい?」
爽やかすぎる。
背景の白銀の世界と相まって、一枚の完成された絵画のような美しさだ。朝一番に見るには刺激が強すぎて、網膜が焼けそうになる。
私は慌てて寝癖がついているであろう髪を手櫛で整えながら、上ずった声で返した。
「お、おはようございます、ジーク。……どうしてここに?」
「どうしてって、婚約者と朝食を共にするのに、特別な理由が必要か?」
彼は悪戯っぽく笑い、テーブルの席を引いて私をエスコートした。
そのあまりに自然な振る舞いに、私の心臓が早鐘を打つ。
かつて仔虎だった頃は、毎朝のように「寒いから入れろ」と私の布団に潜り込み、鼻先を押し付けてきた彼だ。あの頃は単なる「手のかかるペット」としての可愛さしかなかったのに、人間の姿でこうして朝の光の中に立っていると、その圧倒的な存在感と男性としての色気に気圧されてしまう。
彼が私の向かいに座り、コーヒーの香りを楽しみながら微笑むだけで、この部屋の空気が一変してしまったかのようだ。
「さあ、冷めないうちに食べよう。今日のパンは、君が開発した新型オーブンの試作一号機で焼いたものだそうだ。料理長が『リディア様に最高傑作を食べていただくんだ』と、早朝から張り切っていたよ」
アンナが恭しくコーヒーを注ぎ、退室していく。部屋には二人きりの、甘く穏やかな時間が流れる。
私はバスケットに盛られたパンを一つ手に取った。
まだ熱い。指先から伝わるその温度だけで、焼き上がりの完璧さが分かる。
ちぎると、パリッという軽快な音と共に、中からふわりと湯気が立ち上り、濃厚なバターと小麦の香りが鼻腔をくすぐった。
口に運べば、外皮のサクサクとした食感と、内側のしっとりとした柔らかさが絶妙なハーモニーを奏でる。噛みしめるほどに、穀物本来の甘みが口いっぱいに広がっていく。
以前のこの城で出されていた、石のように硬く冷たい黒パンとは、もはや別の食べ物だ。
「美味しい……。熱循環のムラも完全に解消されてるみたいね。これなら合格点だわ」
「ああ。兵士たちも大喜びだ。今や城内で君を知らぬ者はいない。食堂では毎食ごとに『温かき女神』への感謝の祈りが捧げられているくらいだぞ」
「やめてよ、恥ずかしい。私はただ、自分が美味しいものを食べたかっただけなのに」
私が頬を赤らめて俯くと、ジークハルトは愛おしそうに目を細めた。
彼の手がテーブル越しに伸びてきて、私の口元についたパン屑を親指の腹で優しく拭う。
その指先の熱さと、触れられた瞬間の甘い戦慄に、私は思考が真っ白になりかけた。
「その『ただの欲求』が、この国を救っているんだ。……リディア、君は本当にすごいな」
「ジ、ジークだって。昨日の演説、すごく立派だったわよ。皆、感動してたもの」
「そうか? ……まあ、首輪の翻訳よりはマシだったろう?」
彼が自嘲気味に肩をすくめるので、昨夜のバルコニーで響き渡った『大好き大好き!! 一生離さない!!』という大音量の合成音声を思い出し、二人して吹き出してしまった。
笑い合う声が重なり、部屋の空気がさらに柔らかく解けていく。
窓の外では小鳥がさえずり、遠くの練兵場からは兵士たちの元気な掛け声が聞こえてくる。
平和で、温かくて、甘い朝。
王国の神殿で、冷たい石床に膝をつき、理不尽な叱責を受けていた日々が、まるで遠い前世の出来事のようだ。
こんな幸せな時間が、ずっと続けばいい。
そう願わずにはいられないほど、満ち足りたひとときだった。
だが、私は知っている。
平和とは、ただ享受するものではなく、維持し、守り抜くものだということを。
私の「発明」がもたらす影響は、城壁の中だけで完結するものではない。光が強くなればなるほど、影もまた濃くなる。この温かな城の外には、まだ冬の寒さに震える人々や、私たちの幸福を快く思わない勢力が潜んでいるのだ。
「さて、と。……いつまでものんびりしてはいられないわね」
私は最後のコーヒーを飲み干し、カップをソーサーに戻した。カチャン、という澄んだ音が、私の中のスイッチを切り替える。
技術顧問としての仕事は山積みだ。
昨夜のデモンストレーションで貴族たちの度肝を抜いた分、彼らからの「うちの領地にも暖房を導入してくれ」「農地に温室を作りたい」という要望の手紙が、今頃執務室に山のように届いているはずだ。
それに、私の頭の中には、まだ形になっていないアイデアが無限に渦巻いている。この国の冬を変えるための、次なる一手。
「行くわよ、ジーク。今日も世界を少しだけ、快適にしてやりましょう」
「ああ。どこまでも付き合うよ、俺の最高のパートナー」
私たちは視線を交わし、力強く頷き合った。
新しい一日が始まる。
それは、帝国の革新の続きであり、同時に新たな波乱の幕開けでもあった。
窓の外、白銀の世界が、私たちの挑戦を待っているかのように輝いていた。
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