【完結】ヒロインに転生したっぽいんですけど、強制力が凄かった

七地潮

文字の大きさ
2 / 3

2

しおりを挟む
なーのーに、気づけば金銀青赤、ついでにいつのまにか、魔法師団長の息子、紫髪まで私に言い寄ってくるよ。

この紫、4人が生徒会役員で、公爵、侯爵家なのに、爵位は子爵家で、4人が居ないタイミングで出会う。

忘れ物をして取りに戻った教室とか、図書室で本を探してる時とか、トイレの帰りとか、一人で居る時にしか近寄って来ないのは、四人が怖いからではなく、隠しキャラとみた!


これはやっぱりあれだね、ここは乙女ゲームの世界で、私はヒロインで、ゲームの強制力が働いてるってやつだよね。

だって、とことん全員を避けて距離をとってんのに、顔を見かけると微笑んで近寄ってくるし、困った時は誰かしらが手を貸してくれるし。
無視しても無視してもちっともへこたれないどころか、照れ隠しだとか言われて距離がさらに近くなる。

誕生日にはプレゼントが送られてくるうえ、お土産や差し入れとか、どんどん貢いでくるし。

最初は怖くて送り返してたら、こちらの負担にならない物…小さな花束や、文具用品、派手ではなお髪飾りとかになり、拒否し過ぎても不敬なので受け取る事にしたよ。


でもさ、散々【ざまぁ】小説読んできた私としては、本っっっっっ当に近づいて欲しくないっつーの!

だって、当たり前の如く、皆婚約者がいるんだよ。
なんでパッと出の、礼儀もマナーもイマイチの、下級貴族に寄って来るの!

しかも、私何もイベント起こしてないよ?
目の前で躓いて転けたり、「あなたは頑張っているよ」とか励ましたり、【男が喜ぶさしすせそ】なんて言ってないよ?

ただのクラスメイトでしかないし、こっちから話しかけた事ないのに、なんで好感度MAX状態なの?
めちゃめちゃ怖いんですけどー!?



なんて警戒してたけど、人間って流されるものよね~。

2年半も学園でチヤホヤされてると、
『このままくっつくのもアリじゃね?』
って思っちゃったワケよ。

ここまで好かれてんなら、この中の誰かとくっついても良くない?
こんだけ惚れられてるんだから、私だって少しは絆されちゃうよ。

それに、ゲームや小説なら、婚約者や取り巻きから嫌がらせを受けたりするんだろうけど、王子達の婚約者は嫌がらせとかしてこない。

これはアレだね、【婚約者も転生者で、悪役令嬢でざまぁされない為に何もイベント起こさない】って黄金パターンだね。

だからハーレムとかは問題外だけど、誰か一人選んで向き合うのもアリかな。

勿論略奪とかNTRとかじゃなく、ちゃんと婚約者の人も交えて話し合えば、ざまぁ展開回避になると思うんだ。

婚約者だって、自分を放置して別の女(私)に入れ上げてる男なんて嫌だろうし、誠意を示せば揉めないんじゃないかな。


さて、誰を選ぶかだけど、王子は、王妃とか王子妃とか、絶対面倒くさいからパス。
それに、生活基準が違いすぎて無理っぽい。
価値観の差って、一緒に暮らすには大きいと思うんだよね。


宰相子息って、パターン的に腹黒か、ヤンデレの確率が高いからパス。
いや、深く話し合った事無いけど、目つきがね、計算高そうなのが透けて見えるんだよねー。


赤髪は脳筋って相場が決まってるからパス。
実は私、筋肉質な男ってムリなんだよね。
細マッチョならなんとか……いや、ムリか。
シックスパックとか怖いんですよ、見るだけで。
いや、赤髪の腹筋見た事無いけど絶対割れてる。

マッチョよりガリの方がいい、マッチョならぽっちゃりでもいい、マッチョだけはダメって言ったら、前世の女友達に変な子を見る目で見られたなぁ。


残るは紫。
魔法使いだから、色んなこと魔法でチャチャっとやってくれそうだし、
実は見た目が一番タイプ。

細くて背が高くなく、少し猫背で隠属性、『お日様の光浴びすぎると滅されます』みたいな感じ。
少しオドオドしてて、前に出ないタイプ。

つまるところ、
「私が全部面倒見てやるから、あんたは好きな事してればいいよ!なんなら風呂上がりに髪はドライヤーかけてやるし、爪も切ってやるし、なんもかんもやってやる、いや、やらせろ」
って感じなんだよね。

いや、この私の性癖って、【男をダメにする】って言われてたけど、生まれ変わっても変わらぬ業の深い性癖だった様ですね~。


よし、ターゲットも決まった…と言うか、腹も据えた。
元々癖に刺さる相手に好意を寄せられてたんだから、これは婚約者も交えて話し合いだ。
そして円満に、穏便に、ゲームの世界から抜け出すぞー!!




なんて思っていたのに、強制力が凄かった………。





しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

転生したら没落寸前だったので、お弁当屋さんになろうと思います。

皐月めい
恋愛
「婚約を破棄してほしい」 そう言われた瞬間、前世の記憶を思い出した私。 前世社畜だった私は伯爵令嬢に生まれ変わったラッキーガール……と思いきや。 父が亡くなり、母は倒れて、我が伯爵家にはとんでもない借金が残され、一年後には爵位も取り消し、七年婚約していた婚約者から婚約まで破棄された。最悪だよ。 使用人は解雇し、平民になる準備を始めようとしたのだけれど。 え、塊肉を切るところから料理が始まるとか正気ですか……? その上デリバリーとテイクアウトがない世界で生きていける自信がないんだけど……この国のズボラはどうしてるの……? あ、お弁当屋さんを作ればいいんだ! 能天気な転生令嬢が、自分の騎士とお弁当屋さんを立ち上げて幸せになるまでの話です。

……モブ令嬢なのでお気になさらず

monaca
恋愛
……。 ……えっ、わたくし? ただのモブ令嬢です。

ヒロイン不在だから悪役令嬢からお飾りの王妃になるのを決めたのに、誓いの場で登場とか聞いてないのですが!?

あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
ヒロインがいない。 もう一度言おう。ヒロインがいない!! 乙女ゲーム《夢見と夜明け前の乙女》のヒロインのキャロル・ガードナーがいないのだ。その結果、王太子ブルーノ・フロレンス・フォード・ゴルウィンとの婚約は継続され、今日私は彼の婚約者から妻になるはずが……。まさかの式の最中に突撃。 ※ざまぁ展開あり

腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。

灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。 彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。 タイトル通りのおっさんコメディーです。

夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。

古森真朝
ファンタジー
 「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。  俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」  新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは―― ※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。

醜いと蔑まれている令嬢の侍女になりましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます

ちゃんゆ
恋愛
男爵家の三女に産まれた私。衝撃的な出来事などもなく、頭を打ったわけでもなく、池で溺れて死にかけたわけでもない。ごくごく自然に前世の記憶があった。 そして前世の私は… ゴットハンドと呼ばれるほどのエステティシャンだった。 とある侯爵家で出会った令嬢は、まるで前世のとあるホラー映画に出てくる貞◯のような風貌だった。 髪で顔を全て隠し、ゆらりと立つ姿は… 悲鳴を上げないと、逆に失礼では?というほどのホラーっぷり。 そしてこの髪の奥のお顔は…。。。 さぁ、お嬢様。 私のゴットハンドで世界を変えますよ? ********************** 『おデブな悪役令嬢の侍女に転生しましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます』の続編です。 続編ですが、これだけでも楽しんでいただけます。 前作も読んでいただけるともっと嬉しいです! 転生侍女シリーズ第二弾です。 短編全4話で、投稿予約済みです。 よろしくお願いします。

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます

かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・ だから、この世界での普通の令嬢になります! ↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

私はざまぁされた悪役令嬢。……ってなんだか違う!

杵島 灯
恋愛
王子様から「お前と婚約破棄する!」と言われちゃいました。 彼の隣には幼馴染がちゃっかりおさまっています。 さあ、私どうしよう?  とにかく処刑を避けるためにとっさの行動に出たら、なんか変なことになっちゃった……。 小説家になろう、カクヨムにも投稿中。

処理中です...