【完結】ヒロインに転生したっぽいんですけど、強制力が凄かった

七地潮

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「ロザレット・ラスティール、そなたは公爵家と言う身分の高さを使って、我々と仲の良いリリアーナに嫉妬をし、危害を加えたことはわかっている!
そんな卑劣な者は将来の国母として認められぬ。
よってここで王太子である私との婚約を破棄させていただく!」


いやいやいやいやちょっと待て!!

生徒総会で何やらかしてんの?
いや、それより、私嫌がらせなんて何も受けてないから!

なんなら、クラスメイトなのに挨拶もした事無いから!
ほら、私から話しかけるのは爵位的に許されないし。

それに、四六時中あんたらが取り囲んでたから、他のクラスメイトともまともに話した事無いし!

あんたらのせいで孤立してたんだから、どっちかっていうと私って、あんたらからの被害を被ってたんじゃない?!

それに、婚約者さん達だって、白けた目でアンタら見てるだけで、誰も何も言ってないじゃん!
嫉妬どころかめっちゃスルーされてたじゃん!


壇上の上に居る金銀青赤、生徒会役員の4人。
紫は役員じゃないから、私の前に腰掛けている。
一番前の席には名指しにされた公爵令嬢が。

私は一番後ろの席に座ってたんだけど、正解だったね。
少しでも現場から遠ざかりたいもんね。

音も立てずに椅子から立ち上がった公爵令嬢こと、ロザレット様は、ステージを見上げて声を出す。

「まあ、わたくしが何をしたとおっしゃるのですか?」

  (本当だよ)

「お前は私の寵愛が離れた事に嫉妬し、リリアーナに嫌がらせをした事はわかっている」

  (いや、何もされてねえ)

「具体的に仰って下さい」

  (私も知りたい)


そこで前に出てきたのは青髪。
態々手に持った紙を広げて読み上げる。

「貴女はリリアーナの事を、男爵令嬢だからと下に見て

  (いや、紛れもなく下だから)

礼儀がなってないや、マナーが悪いなどとあざ笑い

  (実際そうなんですが?)

彼女の教科書を破ったり

  (まって!全教科無事にあるよ)

荷物をゴミ箱に捨てたり

  (え?なんのこと?)

噴水に突き落としたり

  (いつそんな事があった?)

あまつさえ、階段から突き落としましたよね?」

  (落とされた事なんてありませんが?)


今度は銀髪が出てきたよ。

「まだ他にもいっぱいあるけど

  (まだあるんかーい!)

これだけでも、名誉毀損、器物破損、傷害、処罰対象となるのは当然ですね」

  (冤罪にも程がある!)


赤髪まで前に出てきた。

「そうだそうだ!」

  (賑やかしかーい!!)

いや待って、これ冤罪とかどころじゃなく、あの人達おかしくない?
一体どこの世界の話してんの?
あの人達の頭の中だけでゲームが進んでんの?

怖い怖い怖い

ガクブルしている私の耳に届いたのは、

「おーーほほほほほほほ」

と言う悪役令嬢満載な高笑い。
どうした、淑女の鏡!
どうした、完全無欠の御令嬢!


「つくづく呆れましたわ。
このわたくしがそんな児戯を行う様な浅はかな者だとお思いなのですか?
わたくしは筆頭公爵家の唯一の娘ですわよ。
そんなぬるい手を使うと思われていたなんて、屈辱を感じます。

名誉毀損ですって?
こんなちっぽけな学園内で嫌味を言ったからと言ってなにになるのですか。
やるなら高位貴族の集まるお茶会もしくは、国外からの来客のいらっしゃるパーティでしょう。

器物破損?
教科書や学園内に持ち込めるささやかな荷物に手を出す意味などありますの?
男爵家の所在地はタウンハウスや別邸まで調べればすぐにわかるのに、小物に手を出すくらいで気分が晴れるなんて、とてもお優しい心を持たれてる方くらいなのでは?

それに、こんな誰の目があるかわからない学園の、数箇所しかない階段で突き落とすなんて、ご覧になってと言ってるようなものではないですか。
そんな浅はかな事をする方って、実際にいらっしゃるの?

人目のつかない場所や、特定できない方法なんていくらでもあるのに、わざわざ全てを学園内でなんて……おほほほ、自己顕示欲のお強い方しかならさらないのではないのかしら」

そうですわね、と頷く周りの高位貴族令嬢。


えっ……と………つまるところ?
悪評流すなら、子供ばかりじゃなくて、大人の高位貴族のいる場所か、国外への逃げ道を塞ぐために、他国の貴族がいる前で広げると?

物を壊すなら、教科書とか持ち物じゃなくて、屋敷をどうにかするって?

階段落ちなんてゲームや漫画や小説では当たり前のイベントは、人目のつかない場所で、足のつかないように、ひっそりと確実に殺ると?


………………怖い怖い怖い怖い怖い怖い!!!

脳内妄想イベント祭り絶賛開催中の金銀達も怖いけど、ほんまモンの高位貴族令嬢怖い!!

これ、彼女達が金銀達の与太話を信じて、意識がこっちに向かってきたら……確実に殺られる!


全員の意識が前方に向かっている今なら…………行ける!



私はそっとその場を離れ、自室に戻り、金目の物と最低限のものを鞄に詰め込み、

【探さないでください】

の短い置き手紙を放り投げて逃げ出しましたとさ。

三十六計逃げるが勝ち、だよね。


大丈夫、元々一人暮らしだったし、数年前まで孤児院暮らしだから、この世界の一般ピーボーの生活だってよく知ってる。
 
短期で忙しそうな飲食店や宿屋で働きながら移動して、なんとか隣国目指して逃亡中。


え?家族?
いやー、だって、実質一年しか一緒に暮らしてないし、孤児院育ちと御貴族様って、なんかやっぱり壁があったし、成人過ぎまでの日本人の記憶がある私には、「うふふ」「おほほ」の世界はムリ!

隣国に逃げて、自由なおひとり様生活を満喫するぜー!













なんて思っていた時もありました。



今、私は二人の子持ちですわ。

子供の髪の色は夫と同じで……………




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みんなの感想(2件)

ぴ~助
2024.02.14 ぴ~助

しまった、産まれた子供が父親は…⁉️って聞きたかったんでした″╯-╰″

2024.02.14 七地潮

相手はご想像にお任せします。
金銀で、陰謀渦巻く王族に巻き込まれてしまったのか、青でヤンデレルートで、結婚して子供はできたけど軟禁されているか、苦手なマッチョに捕まってしまったのか……。
作者としては紫と、と考えていましたけど、読まれる方の一番楽しい流れでご想像いただけたらな、と思い、明記していないのです。

………中途半端な終わり方とも言いますね。
モヤっと感が残ってしまったのなら申し訳ありませんでした。

解除
ぴ~助
2024.02.13 ぴ~助
ネタバレ含む
2024.02.14 七地潮

両親は男爵夫妻です。

男爵家から子供の頃攫われて、孤児院に捨てられていた、と言う流れなのですけど、わかり辛かったらすみません。

解除

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