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第五章 問題は尽きないようです
部隊編成
しおりを挟む部隊編成を大まかに言うと、首謀者…城に突入は、相手国の王と対峙するだろう事を考慮して、ちょっと揉めたけれど、ジンさんと近衛隊。
救出は仲間の確認を兼ねた魔物の人と国軍の混合軍で、副将軍のユンさんが指揮をとる。
フェンディスへの牽制は、クマ将軍率いる部隊。
兵站や医療などの後方支援部隊は、情報をまとめたりもする事などもあるので、ラトさんが後方で全体を把握しながら総指揮をとる。
レンとカイは残り国を護る事となった。
各部隊には、オダ家の人々とトモ家の人々が振り分けられる。
トモ家の人々は血統的に遠話の子が祝福を与えている事が多いので連絡係として、オダ家の人々は基本的に戦闘能力が高いそうだ。
これも血筋的なものなのかな。
そして僕なのだけれど……。
基本的には王城突入部隊と行動を共にする事となる。
どんな祝福の力を使う事となるかもしれないし、そうなるとやっぱり全ての術を使える僕が行くのがいいかなと、自分で志願した。
最初は幼児を戦闘になるかもしれない場所に連れていくのは反対だとの意見が大多数だったけれど、
「使えるものは全て使って、少しでも早く、被害を最小限にする為にも付いていきます。
ナリはこんなでも、生まれて五十年近い中年ですからね」
とかなんとか説き伏せた。
そしたらラトさんに、
「それではまず先にフェンディスへ行ってもらい、あの戦闘狂の国を抑えるのに力を貸してもらえませんか」
と言われた。
成る程、横槍を入れれないように、まずはフェンディスを手中に収めるのか。
でも【力こそ正義】な脳筋集団の国とは言え、マウント取ったからって本当に大人しくなるのかなぁ?
まあ単純な力でなく、術を使ってなら、多分今の僕に勝てる人は居ないだろうから、万が一クマ将軍の手に余るようなら、ニヤ達に頑張ってもらって、すぐさま王城へ飛べは問題ないかな。
後の細かな部分は上層部で話し合うとして、準備を始めるために会議は終了となる。
大至急準備を整えて、出発は五日後となった。
*****
会議室を出て家へ戻ろうとしていたら、ニトが声をかけてきた。
「ウチ……本当に前線に行くのか?」
ニトの顔には大きく【心配】と書いてある。
「んー、大丈夫だよ、ニヤ達が居るし」
頭の横を飛んでいる二人がうんうんと頷きながら胸を張る。
「いや、でもさあ……万が一とかあったらどうすんだよ」
心配してもらえるのは凄く有り難いと言うか、嬉しいけれど、
「うーん…………大丈夫だなぁ」
なんだよそれと、ニトは言うけれど、大丈夫なんだよなぁ。
曖昧に返していると、ジト目でこちらを見ながら、
「……やっぱり神になったから大丈夫とか言うんじゃあないだろうねえ」
「いやいやいや、だから神様なんかじゃないって!」
きっぱり否定しているのに、その目つきはヤメテ。
「…………まあ、これ以上突っ込むのはやめてやるけど、本当に気をつけろよ」
「……ありがとう」
僕が素直にお礼を言うと、ニヤリと嫌な笑みを浮かべた。
「スイにも文句言われるだろうけど、頑張れよ」
肩をポンと叩き、廊下の角で逆方向へと去っていく。
あーあ……スイのお説教…避けては通れないだろうなぁ。
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