146 / 161
第五章 問題は尽きないようです
vsネイ
しおりを挟む二戦目はネイと細身の男だ。
結果から言うとこちらも圧勝だった………。
短剣…ダガーを両手に持った細身の男がこちらを見る。
「閣下があの若い男が気に入ったのなら、俺はあの子供が欲しいな」
え~…変態?
見た目は子供だけど、中身はアラフィフだし。
若い男っても、スイもネイも髭の倍近くは年上だよ~。
まず勝てると思ってるのがナイし、僕に何かしたら妖精達が黙ってないよー。
なんて心の中で突っ込みを入れてたんだけど、僕の保護者と、自称【運命の人】に火を付けちゃったわ。
「…………ネイ…手加減無用ですよ」
「勿論です」
あ~あ、二人ともスッッッゴイ笑顔だよ、こりゃああの細身の男ヲワタだね。
始めの合図と共に、細身が両手にダガーを持ち、ネイに向かって走り出す。
ネイは腰を落とし、目を閉じて刀に手をかけている。
「舐めとんのか!
それとも勝負を投げてやがるのかよ!」
細身はネイの1メートル半くらいに走り寄り、右手のダガーを躊躇もなく、ネイの顔に向かって投げた。
ネイは目を閉じたまま、ダガーを避けもしない。
「おらー!いっちょあがりー!」
言いながら一気に左手のダガーをネイに突き立てようとする細身だが、その刃がネイに届く事は無かった。
『ドゴッ!』
と低い打撃音が聞こえたと思ったら、細身がネイの横で立ち止まり、暫くの後その場に崩れ落ちた。
その場が静まり返る。
ネイの居合が速すぎて、何が起こったかわからないようだ。
ネイにダガーが突き刺さり、倒れると思っていた人がほとんどだろう。
「おいおい、殺したのか?」
最強なだけあって、髭は何があったかわかっているようだ。
「峰打ちですから、殺してなどいませんよ。
ただし背骨は折れているでしょうけど。
これは問題になりますか?」
背骨って…いやいや、しれっと言ってるけど、問題だろう。
だって脊髄とかやられちゃうと、下手すると再起不能だろ。
第一正面から打ち込んで、背骨が逝っちゃうとかありえないでしょ、どんだけのパワーを一撃に込めてんの。
「いや、問題ないな。
こっちもハラワタ引きずり出すつもりだったみたいだからな」
ちょっ!
「大体見た目に騙されて単純な手で勝てると思ったコイツのミスだ。
相手の実力を見極められないって、そこで負けてる。
国内じゃあ強いからって驕ってたからな、いい薬だ」
おいおい、そんな事でいいの?
「それにそのキレーな顔に傷を付けたのもいただけない」
ニヤッと笑いながら、ネイの頬に手を伸ばす。
その手を避けたネイは、ニッコリ微笑んで、
「これくらいの傷など大した事ありません」
言いながらくるりと振り向き、そのままこちらへ歩いて来た。
「ウチ様、お願いできますか?」
微笑んだまま、僕の前でひざまづく。
えー、これくらいの傷なら自分の中の子の治療で充分なんじゃあないの?
まあ、パフォーマンス的になるか。
「ニヤ」
ネイの頬に触れ、僕はニヤにお願いする。
5センチほど真っ直ぐに走っていた傷は、見る見る間に塞がっていき、元どおりになった。
時間を操れるニヤが、傷のない状態に時間を巻き戻したのだ。
以前は出来なかった術だけど、バージョンアップしてから使えるようになったのだ。
フェンディスの人々からどよめきが起きる。
「ほおー、お前もルスプスのお偉いさんが使う【神の加護】ってやつを使えるのか?」
多分ゲームとかでよくある神聖魔法とか、回復魔法ってやつをルスプスの人達が使えるって事なんだよな。
ん?人間なのに魔法が使えるの?
「これは妖精の祝福による妖術です」
僕が訂正すると、隣でニヤが『そうそう』と胸を張る。
「あー、南の田舎の方でそんなのがあるって噂で聞いたなぁ」
挑発ですか?乗りませんよ。
だってざっと見ただけで、ラグノルの方が文化水準高いのわかるから。
伊達にお仕事大好き、生活環境整えるの当たり前な日本人が召喚されているわけじゃないからね。
2
あなたにおすすめの小説
忘れ去られた婚約者
かべうち右近
恋愛
『僕はレベッカしか選ばない』
甘い声音でそう話したはずの王太子サイラスは、レベッカを忘れてしまった。
レベッカは、王太子サイラスと付き合っていることを、ある事情により隠していた。舞踏会で関係を公表し、婚約者に指名される予定だったのに、舞踊会の夜にサイラスは薬を盛られて倒れ、記憶喪失になってしまう。
恋人が誰なのかわからないのをいいことに、偽の恋人が次々と名乗りをあげ王太子の婚約者の座を狙ってくる。おかげで不信に陥ったサイラスに、レベッカは自分が恋人だと名乗り出せなくなってしまった。
サイラスの記憶喪失を解消するため、薬師兼魔女であるレベッカは恋人であることを隠しながら、事件調査を協力することになった。そうして記憶が戻らないまま二人の距離は再び近づいていく。だが、そんなおりにサイラスの偽の恋人を名乗りでた令嬢たちが、次々と襲われる事件も起き始めて……!?
※他のサイトにも掲載しています。
毎日更新です。
最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました
斉藤めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。
白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。
その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。
それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。
やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり――
白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。
身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
[完]本好き元地味令嬢〜婚約破棄に浮かれていたら王太子妃になりました〜
桐生桜月姫
恋愛
シャーロット侯爵令嬢は地味で大人しいが、勉強・魔法がパーフェクトでいつも1番、それが婚約破棄されるまでの彼女の周りからの評価だった。
だが、婚約破棄されて現れた本来の彼女は輝かんばかりの銀髪にアメジストの瞳を持つ超絶美人な行動過激派だった⁉︎
本が大好きな彼女は婚約破棄後に国立図書館の司書になるがそこで待っていたのは幼馴染である王太子からの溺愛⁉︎
〜これはシャーロットの婚約破棄から始まる波瀾万丈の人生を綴った物語である〜
夕方6時に毎日予約更新です。
1話あたり超短いです。
毎日ちょこちょこ読みたい人向けです。
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる