4 / 31
【第3話:かばでぃとよくわかんないけど】
しおりを挟む
次の日、いつも通りに登校して教室に入ると、何故か教室にいたクラスメイトの視線が僕に集まっていた。
「ねぇねぇ、神成君だっけ? たまたま貴宝院さんと同じ掃除の班で、その班長だからって、何様のつもりかしらね」
「一緒じゃなかったとしても、貴宝院さんを追いかけるって理由つけてサボったんだろ? 許せねぇ。貴宝院さんに失礼だろ? 一回ガツンと言っておくか?」
なぜか、二人揃って掃除をさぼったと噂になってしまっているようだ。
いったい誰かこんな噂を広めたんだ……?
貴宝院さんのアノ能力も完璧ではないのだろうか?
理由はわからないけど、何か危険な雰囲気なのには変わりはない。
僕は吹けない口笛を吹きながら、教室の一番後ろの自分の席に着くと、視線に気付かない振りをして、寝たふりを決め込む。
周りでひそひそと僕の事を話しているのが聞こえてくるのが、心臓に悪い……。
せめて、早くチャイムが鳴ってくれないかと無理やり寝たふりを続ける。
だが、悪友がそれを許してくれなかった。
「よう! とまっちゃん! 寝不足か? ……おーい。とまっちゃん?」
「……かばでぃ?」
「はっ? な、なんだ?」
どっか行ってくれないかと思って言ってみたが、全く効果はないようだ。当たり前だけど……。
「……いや、忘れて……。それで、嬉しそうな顔してどうしたの? なんかあった?」
「おぅ! あっただろ? お前、昨日、貴宝院とどこに消えたんだよ!」
「おまっ!? 馬鹿!?」
この馬鹿……昨日、あれから謝りのメールと、騒ぎ立てないで黙っててくれって言ったのに、この状況で油を注ぐのか!?
「え? アレだろ? 『押すなよ? 押すなよ? ……押せよっ!』って奴だろ?」
「ちがうわ!?」
正はお笑いセンスが限りなくゼロなのに、無理やり芸人のネタを真似、たびたび場を凍り付かすという事を繰り返しているのだが、ここでそれを発動するか……。
実際恐る恐る周りを見ると、僕を視線で殺しに来てる奴が出始めている。
「僕、今日を切り抜けたら街を出るんだ……」
「おまっ!? 転校するのかよ!?」
「人が遊びで立てたフラグを、天然で上書きするなよ……」
この状況を悪化させたのは正の馬鹿だが、その正と話している事で、みな怖くてオレに詰め寄る事ができないという状況に、何だか物凄く複雑な気分だ。
そんな馬鹿な会話を続けていると、何だか少しだけ周りの視線が弛んだ気がした。
「……ディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバ……」
ちょっと待て……教室の中央付近から、何か聞こえてきたぞ……。
そう思い、その呟きの主に視線を向けると……貴宝院さん来てるじゃないか!!
と言うか、噂に気付いて能力を使ったな!? 貴宝院さん、ずるくないですか!?
しかし、そこで異変が起こった。
貴宝院さんと僕の事を噂していた奴らが、一瞬だけだが一斉に口を閉ざしたのだ。
「あれ? 俺、何話してたっけ? あっ、俺のお笑いセンスの良さについてだったか?」
「おまえもか……と言うか、そんな話してないわ!?」
あれ? でもこれは助かったのか?
いや、助けられたのか?
あのまま変な噂を立て続けられたら、僕の平凡で平穏で平和な高校生活が消え去っていたはずだ。
そう思って安堵しかけたのだけど……。
「ねぇねぇ、神成君だっけ? ……何かよくわからないけど、何様のつもりかしらね。何かよくわからないけど」
「何かよくわかんねぇけど、何か理由つけてサボったんだろ? 許せねぇ。何かよくわかんねぇけど、失礼だろ? 一回ガツンと言っておくか? 何かよくわかんねぇけど」
よくわかんないのに理不尽すぎる!? 僕に向けた悪感情が消えてないぃ!?
このままでは不味いと、何とかしなければと頭を抱えていると、割れたチャイムの音が教室に鳴り響いた。
そして、すぐに入ってきた一限目の数学の先生のお陰で、ひとまずは僕の沙汰はお預けになったのだった。
~
あっという間に、数学の授業が終わってしまった。
いつもなら中々終わらない退屈な授業なのに、数分で終わってしまった気分だ。
「じゃぁ、次は小テストするから、今日教えた公式ちゃんと覚えて来いよ~」
おかしいな。公式とか習った記憶がない。
と言うか、考え込んでいるうちに寝てしまったようだ……。
「お・は・よ・う」
考え事している時に突然後ろから話しかけられて、驚いて振り向くと、そこには少しジト目の小岩井の姿があった。
「!? って……なんだよ。小岩井か……脅かさないでよ」
一瞬、貴宝院ファンから依頼を受けたヒットマンが現れたのかと思ったよ。
「なんだよは無いでしょ? 昨日、私には掃除サボるなとか言っておいて、自分がサボったくせに」
「あ、あぁ、それは……ごめん。メッセージでも言ったけど、ちょっと、急に用事が出来て……ほんとごめん」
「いいわよ。でも、事なかれ主義の兎丸がサボるなんて珍しいわね? 何かあったの?」
何かあったのかと聞かれれば、物凄く世にも奇妙な出来事があったわけだが、ここでそれを話す訳にもいかない。
なので、僕は昨日寝る前に考えておいた理由を話す事にした。
「実は……」
「実は?」
「教室を出た時に……」
「出た時に?」
「足元に魔法陣が現れて異世界に召喚さ……ぶごべっ!?」
ちょっとふざけただけなのに、後頭部を思い切り叩かれた……。
「い、痛いなぁ……そこまで思い切りぶたなくても良いじゃないか」
「真面目に聞いた私が馬鹿だったよ……」
「うおぉぉ!? 異世界に召喚ってマジかよ!?」
いつもの事だが、正が信じそうになったので訂正しておく。
「あっ、冗談だから。真面目にとらないで……頼むから」
「ちっ、な、なんだよ。おお、お、俺にも少しは乗りツッコミぐらいさせろよ」
本気じゃなかったアピールは置いておくとして、正はこの手の話が大好きだから、食いつきが激しくて困る。
でも、正が来てくれると、怖がって僕に絡んでくる奴がいなくなるので、今は感謝しておこう。
これも平穏な高校生活のためだ。
と言うか、頼むから今日は全ての休み時間、すぐに僕の席に来てくれ……。
「どした? なんか疲れてねぇか?」
「ん~? ちょっと、昨日の晩いろいろ考え事してたら寝れなくなってね」
「とか言いながら、また遅くまでラノベ読んでたんじゃないの?」
「う……なぜ、わかった……」
色々考えていたのは本当だけど、帰りに買ったラノベを読んでいたのも本当だった。
「好きな本が発売した時に毎回やらかしてるじゃない……」
でも、二人が席に来てくれて、こんな会話をしていたお陰で「よくわかんないけど」という理不尽な理由で皆に責めらる事もなく、平穏な休憩時間を過ごす事が出来た。
正は怖がられるだけでなく、男からは一目置かれていたりするし、小岩井もその気さくな性格から男女問わず人気が高く、特に女子からは、毎年バレンタインにチョコを貰うぐらいの人気者だ。
いたって平凡な僕とはそのスペックが違うのだ!
って、言ってて凹んできた……。
まぁとにかく、こうしてその日の午前中は、何事も無く、平凡で平穏で平和な時間を過ごす事が出来たのだった。
「ねぇねぇ、神成君だっけ? たまたま貴宝院さんと同じ掃除の班で、その班長だからって、何様のつもりかしらね」
「一緒じゃなかったとしても、貴宝院さんを追いかけるって理由つけてサボったんだろ? 許せねぇ。貴宝院さんに失礼だろ? 一回ガツンと言っておくか?」
なぜか、二人揃って掃除をさぼったと噂になってしまっているようだ。
いったい誰かこんな噂を広めたんだ……?
貴宝院さんのアノ能力も完璧ではないのだろうか?
理由はわからないけど、何か危険な雰囲気なのには変わりはない。
僕は吹けない口笛を吹きながら、教室の一番後ろの自分の席に着くと、視線に気付かない振りをして、寝たふりを決め込む。
周りでひそひそと僕の事を話しているのが聞こえてくるのが、心臓に悪い……。
せめて、早くチャイムが鳴ってくれないかと無理やり寝たふりを続ける。
だが、悪友がそれを許してくれなかった。
「よう! とまっちゃん! 寝不足か? ……おーい。とまっちゃん?」
「……かばでぃ?」
「はっ? な、なんだ?」
どっか行ってくれないかと思って言ってみたが、全く効果はないようだ。当たり前だけど……。
「……いや、忘れて……。それで、嬉しそうな顔してどうしたの? なんかあった?」
「おぅ! あっただろ? お前、昨日、貴宝院とどこに消えたんだよ!」
「おまっ!? 馬鹿!?」
この馬鹿……昨日、あれから謝りのメールと、騒ぎ立てないで黙っててくれって言ったのに、この状況で油を注ぐのか!?
「え? アレだろ? 『押すなよ? 押すなよ? ……押せよっ!』って奴だろ?」
「ちがうわ!?」
正はお笑いセンスが限りなくゼロなのに、無理やり芸人のネタを真似、たびたび場を凍り付かすという事を繰り返しているのだが、ここでそれを発動するか……。
実際恐る恐る周りを見ると、僕を視線で殺しに来てる奴が出始めている。
「僕、今日を切り抜けたら街を出るんだ……」
「おまっ!? 転校するのかよ!?」
「人が遊びで立てたフラグを、天然で上書きするなよ……」
この状況を悪化させたのは正の馬鹿だが、その正と話している事で、みな怖くてオレに詰め寄る事ができないという状況に、何だか物凄く複雑な気分だ。
そんな馬鹿な会話を続けていると、何だか少しだけ周りの視線が弛んだ気がした。
「……ディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバ……」
ちょっと待て……教室の中央付近から、何か聞こえてきたぞ……。
そう思い、その呟きの主に視線を向けると……貴宝院さん来てるじゃないか!!
と言うか、噂に気付いて能力を使ったな!? 貴宝院さん、ずるくないですか!?
しかし、そこで異変が起こった。
貴宝院さんと僕の事を噂していた奴らが、一瞬だけだが一斉に口を閉ざしたのだ。
「あれ? 俺、何話してたっけ? あっ、俺のお笑いセンスの良さについてだったか?」
「おまえもか……と言うか、そんな話してないわ!?」
あれ? でもこれは助かったのか?
いや、助けられたのか?
あのまま変な噂を立て続けられたら、僕の平凡で平穏で平和な高校生活が消え去っていたはずだ。
そう思って安堵しかけたのだけど……。
「ねぇねぇ、神成君だっけ? ……何かよくわからないけど、何様のつもりかしらね。何かよくわからないけど」
「何かよくわかんねぇけど、何か理由つけてサボったんだろ? 許せねぇ。何かよくわかんねぇけど、失礼だろ? 一回ガツンと言っておくか? 何かよくわかんねぇけど」
よくわかんないのに理不尽すぎる!? 僕に向けた悪感情が消えてないぃ!?
このままでは不味いと、何とかしなければと頭を抱えていると、割れたチャイムの音が教室に鳴り響いた。
そして、すぐに入ってきた一限目の数学の先生のお陰で、ひとまずは僕の沙汰はお預けになったのだった。
~
あっという間に、数学の授業が終わってしまった。
いつもなら中々終わらない退屈な授業なのに、数分で終わってしまった気分だ。
「じゃぁ、次は小テストするから、今日教えた公式ちゃんと覚えて来いよ~」
おかしいな。公式とか習った記憶がない。
と言うか、考え込んでいるうちに寝てしまったようだ……。
「お・は・よ・う」
考え事している時に突然後ろから話しかけられて、驚いて振り向くと、そこには少しジト目の小岩井の姿があった。
「!? って……なんだよ。小岩井か……脅かさないでよ」
一瞬、貴宝院ファンから依頼を受けたヒットマンが現れたのかと思ったよ。
「なんだよは無いでしょ? 昨日、私には掃除サボるなとか言っておいて、自分がサボったくせに」
「あ、あぁ、それは……ごめん。メッセージでも言ったけど、ちょっと、急に用事が出来て……ほんとごめん」
「いいわよ。でも、事なかれ主義の兎丸がサボるなんて珍しいわね? 何かあったの?」
何かあったのかと聞かれれば、物凄く世にも奇妙な出来事があったわけだが、ここでそれを話す訳にもいかない。
なので、僕は昨日寝る前に考えておいた理由を話す事にした。
「実は……」
「実は?」
「教室を出た時に……」
「出た時に?」
「足元に魔法陣が現れて異世界に召喚さ……ぶごべっ!?」
ちょっとふざけただけなのに、後頭部を思い切り叩かれた……。
「い、痛いなぁ……そこまで思い切りぶたなくても良いじゃないか」
「真面目に聞いた私が馬鹿だったよ……」
「うおぉぉ!? 異世界に召喚ってマジかよ!?」
いつもの事だが、正が信じそうになったので訂正しておく。
「あっ、冗談だから。真面目にとらないで……頼むから」
「ちっ、な、なんだよ。おお、お、俺にも少しは乗りツッコミぐらいさせろよ」
本気じゃなかったアピールは置いておくとして、正はこの手の話が大好きだから、食いつきが激しくて困る。
でも、正が来てくれると、怖がって僕に絡んでくる奴がいなくなるので、今は感謝しておこう。
これも平穏な高校生活のためだ。
と言うか、頼むから今日は全ての休み時間、すぐに僕の席に来てくれ……。
「どした? なんか疲れてねぇか?」
「ん~? ちょっと、昨日の晩いろいろ考え事してたら寝れなくなってね」
「とか言いながら、また遅くまでラノベ読んでたんじゃないの?」
「う……なぜ、わかった……」
色々考えていたのは本当だけど、帰りに買ったラノベを読んでいたのも本当だった。
「好きな本が発売した時に毎回やらかしてるじゃない……」
でも、二人が席に来てくれて、こんな会話をしていたお陰で「よくわかんないけど」という理不尽な理由で皆に責めらる事もなく、平穏な休憩時間を過ごす事が出来た。
正は怖がられるだけでなく、男からは一目置かれていたりするし、小岩井もその気さくな性格から男女問わず人気が高く、特に女子からは、毎年バレンタインにチョコを貰うぐらいの人気者だ。
いたって平凡な僕とはそのスペックが違うのだ!
って、言ってて凹んできた……。
まぁとにかく、こうしてその日の午前中は、何事も無く、平凡で平穏で平和な時間を過ごす事が出来たのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
S級ハッカーの俺がSNSで炎上する完璧ヒロインを助けたら、俺にだけめちゃくちゃ甘えてくる秘密の関係になったんだが…
senko
恋愛
「一緒に、しよ?」完璧ヒロインが俺にだけベタ甘えしてくる。
地味高校生の俺は裏ではS級ハッカー。炎上するクラスの完璧ヒロインを救ったら、秘密のイチャラブ共闘関係が始まってしまった!リアルではただのモブなのに…。
クラスの隅でPCを触るだけが生きがいの陰キャプログラマー、黒瀬和人。
彼にとってクラスの中心で太陽のように笑う完璧ヒロイン・天野光は決して交わることのない別世界の住人だった。
しかしある日、和人は光を襲う匿名の「裏アカウント」を発見してしまう。
悪意に満ちた誹謗中傷で完璧な彼女がひとり涙を流していることを知り彼は決意する。
――正体を隠したまま彼女を救い出す、と。
謎の天才ハッカー『null』として光に接触した和人。
ネットでは唯一頼れる相棒として彼女に甘えられる一方、現実では目も合わせられないただのクラスメイト。
この秘密の二重生活はもどかしくて、だけど最高に甘い。
陰キャ男子と完璧ヒロインの秘密の二重生活ラブコメ、ここに開幕!
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる