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24 モテない童貞が暴走しました!
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僕はモテない童貞たちの気迫に押されて喪子さんのママの居場所を教えてしまった。
「あぁ、僕としたことが……喪子さんのママ、大丈夫かなぁ?」
僕は前回再会した童手井くんのことを考えていた。
昔はコミュ障で大人しかった童手井くんが、あんな風になっていたなんて今でも信じられない。
悩みに悩んだ末、僕はエレンくんにも相談してみることにした。
「う~ん……あんまりモテない男とは関わり合いにならない方がいいと思うぞ。男の非モテ問題は闇が深いからな。そいつらには同情するが、現実的に俺たちにはどうすることもできない問題だ」
大方予想通りの答えが返ってきた。僕も正直そう思う。
「でもさ。昔のよしみで童手井くんだけでもどうにかしてあげたいんだよ。ほら、喪女の人とだって仲良くなれたじゃない」
「貴腐寺院さんたちはただのブスであって、非モテというわけではないだろ。そいつらと同列に扱うのは貴腐寺院さんたちに失礼なんじゃないかwww」
言われてみると、喪子さんたちは非モテというほどコミュ障なわけではない。むしろコミュ力は高い部類だろう。明らかに童手井くんのような非モテとはタイプが違うと言える。
「どんな人間とも分かり合えるとは限らないんだ。リア充と非モテには埋まらない溝がある。奏は俺にだけ愛されていれば、人生安泰なんだから余計なことを考えるな」
確かにエレンくんの言う通り、リア充と非モテでは住んでいる世界が違い過ぎる。これが格差社会というやつなんだろうか。
今となってはリア充側の人間になった僕ではあるが、エレンくんと再会する前までは非リアだった。
全ての人が僕たちのようなリア充になれる社会が実現できるといいのだが、現実はそうもいかないらしい。
やはり最終的には2次元に旅立つしかないようだ。
「モテない男専用のセックスボランティアみたいのがあれば、金のない男が童貞を拗らせるようなこともなくなると思うんだけど、現実的には無理だろうしね……」
「そうだなぁ。ある意味、モテない男ほどこの世で人生詰んでるヤツはいないだろうなwww」
その日、僕とエレンくんはモテない童貞が一生できないであろう幸せなセックスを存分に楽しむのであった。
ーーー
次の日、学校に登校したら正門前がとんでもないことになっていた。
「我々はインセル革命連合だぁ~! リア充だけが女を独占し、不当に恋愛する権利やセックスする権利を奪われたモテない男たちは今日も社会によって虐げられている! モテない男にだって性欲はあるんだぁ~! 溜まりに溜まった性欲を今こそ解放すべき時! モテない男たちよ、革命の時は来た! のちに今年はレイプ元年として未来永劫歴史に残るであろうwww」
非自発的禁欲者のモテない男たちによる性欲が大爆発を起こし、ωの生徒に襲いかかろうとしていた。
レイプを強行しようとするインセル革命連合の群れに、騒ぎを取材しようとするマスコミや登校してきた生徒が加わり、パニックになっていた。
「すごいね、何人いるんだろう⁉︎」
「100人か……いや、それ以上はいるな。モテない男多過ぎだろwww」
僕とエレンくんは遠目からインセル革命連合の暴走を呆然としながら見学していた。
「どんどん事態が悪化していくね……」
「これで教師軍が参入したら、泥沼の内戦状態だなぁwww」
エレンくんのその言葉が合図だったように、校舎の方から教師が十数人、群れに突撃していった。
「どうやら始まったようだぜ! こりゃあ、面白くなってきたぞwww」
完全に他人事感が半端ないエレンくんはこの状況を見事なまでに楽しんでいた。
乱入した教師が、自校の生徒たちを正門の中に引きずり込んで、鉄の門を閉めようとする。しかし、インセル革命連合が叫びながら正門に殺到する。
「ヤラせろ!」
「レイプ合法化バンザイ!」
「セックスパートナーに恵まれない男にもご慈悲を!」
「あうあうあ~ッ!」
目を血走らせたモテない男たちに押され、鉄の門がギシギシときしんだ次の瞬間、学校の正門が倒れてしまった。
「さあ、同士たちよ! 童貞卒業の儀式を始めようwww」
のちに今回の出来事は『非モテ一揆』と呼称されることになる――。
ーーー
モテない童貞たちが学校で騒ぎを起こしている頃、女性人権団体のトップである喪子さんのママを童手井くんは犯そうとしていた。
「あんたが女の社会進出を進めてくれたおかげで少子化が加速し、男のセックス格差は広がっていったんだ。モテない男たちは死ぬまで底辺の世界で惨めにVRオナニーに興じる羽目になった。この世にモテない男を大量発生させた全ての元凶である貴様を公開凌辱してくれるわ~ッ!」
言葉を失った喪子さんのママの腕を童手井くんが掴み上げて、強く引っ張った。
喪子さんのママは顎を掴まれ、顔を無理やり上向かされて、童手井くんと目が合う。
童手井くんの顔に、底知れぬほど暗い笑みが浮かんだ。
喪子さんのママは、いま目の前にいる童手井くんが、これまで出会ったどの男よりも危険であることをようやく悟るのであった。
「あぁ、僕としたことが……喪子さんのママ、大丈夫かなぁ?」
僕は前回再会した童手井くんのことを考えていた。
昔はコミュ障で大人しかった童手井くんが、あんな風になっていたなんて今でも信じられない。
悩みに悩んだ末、僕はエレンくんにも相談してみることにした。
「う~ん……あんまりモテない男とは関わり合いにならない方がいいと思うぞ。男の非モテ問題は闇が深いからな。そいつらには同情するが、現実的に俺たちにはどうすることもできない問題だ」
大方予想通りの答えが返ってきた。僕も正直そう思う。
「でもさ。昔のよしみで童手井くんだけでもどうにかしてあげたいんだよ。ほら、喪女の人とだって仲良くなれたじゃない」
「貴腐寺院さんたちはただのブスであって、非モテというわけではないだろ。そいつらと同列に扱うのは貴腐寺院さんたちに失礼なんじゃないかwww」
言われてみると、喪子さんたちは非モテというほどコミュ障なわけではない。むしろコミュ力は高い部類だろう。明らかに童手井くんのような非モテとはタイプが違うと言える。
「どんな人間とも分かり合えるとは限らないんだ。リア充と非モテには埋まらない溝がある。奏は俺にだけ愛されていれば、人生安泰なんだから余計なことを考えるな」
確かにエレンくんの言う通り、リア充と非モテでは住んでいる世界が違い過ぎる。これが格差社会というやつなんだろうか。
今となってはリア充側の人間になった僕ではあるが、エレンくんと再会する前までは非リアだった。
全ての人が僕たちのようなリア充になれる社会が実現できるといいのだが、現実はそうもいかないらしい。
やはり最終的には2次元に旅立つしかないようだ。
「モテない男専用のセックスボランティアみたいのがあれば、金のない男が童貞を拗らせるようなこともなくなると思うんだけど、現実的には無理だろうしね……」
「そうだなぁ。ある意味、モテない男ほどこの世で人生詰んでるヤツはいないだろうなwww」
その日、僕とエレンくんはモテない童貞が一生できないであろう幸せなセックスを存分に楽しむのであった。
ーーー
次の日、学校に登校したら正門前がとんでもないことになっていた。
「我々はインセル革命連合だぁ~! リア充だけが女を独占し、不当に恋愛する権利やセックスする権利を奪われたモテない男たちは今日も社会によって虐げられている! モテない男にだって性欲はあるんだぁ~! 溜まりに溜まった性欲を今こそ解放すべき時! モテない男たちよ、革命の時は来た! のちに今年はレイプ元年として未来永劫歴史に残るであろうwww」
非自発的禁欲者のモテない男たちによる性欲が大爆発を起こし、ωの生徒に襲いかかろうとしていた。
レイプを強行しようとするインセル革命連合の群れに、騒ぎを取材しようとするマスコミや登校してきた生徒が加わり、パニックになっていた。
「すごいね、何人いるんだろう⁉︎」
「100人か……いや、それ以上はいるな。モテない男多過ぎだろwww」
僕とエレンくんは遠目からインセル革命連合の暴走を呆然としながら見学していた。
「どんどん事態が悪化していくね……」
「これで教師軍が参入したら、泥沼の内戦状態だなぁwww」
エレンくんのその言葉が合図だったように、校舎の方から教師が十数人、群れに突撃していった。
「どうやら始まったようだぜ! こりゃあ、面白くなってきたぞwww」
完全に他人事感が半端ないエレンくんはこの状況を見事なまでに楽しんでいた。
乱入した教師が、自校の生徒たちを正門の中に引きずり込んで、鉄の門を閉めようとする。しかし、インセル革命連合が叫びながら正門に殺到する。
「ヤラせろ!」
「レイプ合法化バンザイ!」
「セックスパートナーに恵まれない男にもご慈悲を!」
「あうあうあ~ッ!」
目を血走らせたモテない男たちに押され、鉄の門がギシギシときしんだ次の瞬間、学校の正門が倒れてしまった。
「さあ、同士たちよ! 童貞卒業の儀式を始めようwww」
のちに今回の出来事は『非モテ一揆』と呼称されることになる――。
ーーー
モテない童貞たちが学校で騒ぎを起こしている頃、女性人権団体のトップである喪子さんのママを童手井くんは犯そうとしていた。
「あんたが女の社会進出を進めてくれたおかげで少子化が加速し、男のセックス格差は広がっていったんだ。モテない男たちは死ぬまで底辺の世界で惨めにVRオナニーに興じる羽目になった。この世にモテない男を大量発生させた全ての元凶である貴様を公開凌辱してくれるわ~ッ!」
言葉を失った喪子さんのママの腕を童手井くんが掴み上げて、強く引っ張った。
喪子さんのママは顎を掴まれ、顔を無理やり上向かされて、童手井くんと目が合う。
童手井くんの顔に、底知れぬほど暗い笑みが浮かんだ。
喪子さんのママは、いま目の前にいる童手井くんが、これまで出会ったどの男よりも危険であることをようやく悟るのであった。
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