聖女召喚で呼ばれた私は女神(仮)でした

ミツ

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女神になった少女

レベルアップは計画的に

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二階に上がるとそこには巨大な扉が1つだけ。
「ここが、教皇様の部屋よ」
 ステラさんが、そう言うと扉を触った。 触れた場所から光が漏れる。

『汝の名と目的を』

 男性とも女性とも判断できない機械的な声が響く。 私が唖然としているとステラさんは続けた。
「ステラ・ミケラーノ。 教皇との謁見をするため入室を希望する」

『ステラ・ミケラーノの生体認証、謁見の確約の確認が完了した。 入室を許可する』

 扉が、自動ドアのように横開きに開いた。 
「凄い、生体認証に自動ドア」
 正直、この時代に置いては過ぎ足る技術じゃないか?
 そんな事を考えているとステラさんが、教えてくれた。

 この王宮自体、かつて繁栄を極めたが滅び去った旧時代の遺跡を利用して作られたモノらしい。 
「へぇ。 旧時代ですか」
 どうしてだろう。 今、一瞬だけどエフィルの笑顔が浮かんだ……私の考え過ぎだろ。

 教皇様と謁見するのは、私とステラさんとゲイリーさんのみ。 セイクリッド、ミルム、ラムルに関しては三階にある住居区画へとファントさんに連れられて戻って行った。

 正直、ミルムとラムルとの別れは辛かった。 セイクリッド……? ね、察しろ。

 ステラさん、ゲイリーさんに続いて奥に行く。
「あの、ここまで護衛が居なかったんですけど」
 そう、王と同列である筈の教皇様の部屋に1人の護衛も居なかった。
「この王宮の二階以上は、王族と許可された者しか入れないの。 護衛も然りね」

 つまり、教皇は絶対的な信頼を持った者しかここに入れないわけだ。
「私が入ってもいいんですか?」
「ええ、私達の娘だもの」
 何、この絶対的な信頼感。
「ありがとうございます。 と、言うかゲイリーさん、静かすぎませんか」

 ゲイリーさんは、少し弱気な表情を浮かべ小さな声で返事した。
「……あぁ」
「ゲイリーは、教皇様が苦手なのよ」
「義理の親ですよね?」
「そう、なんだが、な……」
 ゲイリーさんは、頭を掻きながら微妙な表情を浮かべる。

 そして、先に進むと玉座に1人の女性が座っていた。 
「お帰りなさい。 ステラ、無事で何よりだわ。 ゲイリーもね」
「ただいま戻りました。 教皇様」
 ステラさんが、頭を下げた。 私も、それを見習って頭を下げる。

「して、その子が例の?」
「はい、ミサキです」
「…………では、早速その力の一端を見せてもらいましょう。 此方へ来なさい」
 教皇様が、向かう先に着いていくとバルコニーへと出た。

「教皇様、ミサキの力だと恐ろしい事が起きる気がします」
 ステラさんが冷や汗をかきながらそう報告する。 失礼な、私だって日々成長してるのよ。
「大丈夫よ、彼女に魔法を使ってもらうのはあの森だから」
 教皇が指差した先には、森があった。 しかし、それは明らかに普通の森とは違っている。

 黒い霧のような靄が立ち上ぼり、木々がまるで生きているかのようにウネウネと動いている。
「なに、気持ち悪い」
 それが、私の教皇様の目の前での第一声だ。
「やっぱり、貴女にも見えるのね」
 教皇様が言うには、聖女にはこの光景が見えるらしい。 他の人達には、雰囲気が気持ち悪い森と言うことだ。

 この森の名称は『魔獣の森』と呼ばれている。 そして、この世界に聖女を呼び出す理由の1つだと言う。

 この森は、魔物の進化した魔獣と呼ばれる強大な闇が封印されており、それを五年に一回張り直すのが聖女の役目だと言う。

 聖女召喚が30年周期と言うのも、この役目に起因していた。 聖女の力は、七回目の結界から力が大きく低下し魔獣を押さえきれなくなると言う。

 実際に結界が破られた時、五年間ではあるが世界は今だかつてないほどの窮地に陥った。 その時、活躍した者が勇者とされ今でも逸話として残っていると言う話だ。

 私が見えると言うことは、聖女だけではなく異世界の人なら見えると言う可能性がある。 

 ━━━多分。

 正直、自信はないよ。 
 だって、この身体はエフィルの力を持ってるし。 そのお陰で見えてるのかもしれないしね。

 それにしても、教皇様が期待の眼差しで私を見ている。
 この前、思い付いた魔法を使ってみよう。

 先ずは、森の中の魔獣を探す。 うん、沢山いる。 其々に、マーキングする。
 そして、魔法を思い浮かべる。

 地球に伝わるゼウスと言う神が持つ『イカヅチ』をイメージする。 それが、分散して魔獣だけに落ちるのを想像する。

 すると、森の上に巨大な魔法陣が現れた。 
「イカヅチよ! 降れ!」
 私の言葉に無数の『イカヅチ』が森に降り注ぐ。

 その振動と爆音は、鳴り止むことを知らず、時間にして10分程続いた。

 その間が、中々に大変な事態になっていた。 何も知らないエフィル神国の人達は、再び、闇の時代が始まると恐怖し大混乱を引き起こしたのだ。

 これに関しては、反省した。 いや、私の想像力には脱帽だよ。
 教皇様が、連絡魔法で各地に問題ない事を説明してこの騒動は終息したが……。

 魔法が収まると、森の黒い霧が消え、普通の森になっていた。 それどころか、何処か神々しい雰囲気もある。

「ミサキ?」
「…………何したの?」
 ステラさんと教皇様が私に問い掛ける。
 いや、知らないよ……魔獣を倒しただけ。
「私……は……」

 その瞬間、私の意識は刈り取られた。



 ━━━目が覚めると知らない部屋のベッドの上に横たわっていた。

「……なによ。 うるさい……」
 頭の中に響く声。

 〈レベルアップしました〉
 〈レベルアップしました〉
 〈レベルアップしました〉

 ……

 …………

 ………………

 頭に鳴り響くこの声に驚いて私は気絶した。
 いったい何だろう……この鳴り止まない声は。

「お目覚めですか? ミサキお嬢様」
 声を掛けてきたのは、ファントさんに良く似た女性メイドさんだった。
 ファントさんの関係者かな?
「いえ、私はファントの同僚のティアムでございます」

 ……うん。 コイツモ、ココロヲ、ヨムノカ。

「読みませんよ」
 読んでるじゃん!
「お嬢様が、口に出してただけでございます」
「嘘だよね?」
「ウフフフ」
 笑顔が黒い!

「ねぇ、あれからどのくらいたったの?」
「お嬢様が、『魔獣の森』を聖域に変えてから一時間程です」

 ……?

 聖域に変えてから?

「私は何を?」
「ミサキお嬢様は、神の『イカヅチ』を降らし魔獣の森の源である邪悪の権化を完全に浄化したのです。 
 それは、先代の聖女様により確認が出来ております。
 更に、教皇様、ステラ様、ゲイリー様、ヒョッケイ様はミサキお嬢様を次期教皇に据える事を決定したようです。 当然と言えば当然です。
 500年以上続けて来た聖女召喚の意義を終わらせたのですから」
「ふぁっ!?」

 言ってる意味がわからない。
「では、お着替えして皆様の元に参りましょう。 ミサキお嬢様」
 私は、ティアムさんの誘導により真っ白なローブに着替えた。
 そして、再び、教皇様の部屋に足を踏み入れる。

 私を見た教皇様、ステラさん、ゲイリーさん、ヒョッケイさんが深く頭を下げる。
 足を止めた私の前に教皇様がやって来た。
 そして、王冠を外し私の頭の上に。

「なっ、何を!?」
「お似合いですよ。 新教皇のミサキ様」
「へっ、いや、次はゲイリーさんでしょ!?」
「でも、そのローブを着けてるって事は教皇となることを了承したんだろ?」
 ゲイリーさんが、そう言う。
 いや、違うよ。 ティアムが、この服しか無いって…………。

「嵌められたぁ!!!! 違うの! ティアムがこの服しか無いって……」
「でも、継承は終了したしね?」
 教皇様が頭を傾げる。

 可愛いな、おい。

 じゃない。
「いやいや、あれでしょ。 ポッ出どころから今日現れた私を教皇にとか反対とか凄いとおもうなぁ」
「大丈夫よ、あの森を浄化したことをエフィル神国の人に伝えたらミサキを女神の化身って称え始めたから」
 宜しくないです。 てか、あれから一時間ですよね? 手回しが良すぎやしませんか?

 と、言うか私を信じすぎでしょ。

 〈レベルアップしました〉
 〈レベルアップしました〉
 〈レベルアップしました〉

 後、コレがうるさい。
「あの、まあ、教皇の話はこれから議論しようと思うんですが。 あの森に魔法を使ってから頭のなかで〈レベルアップしました〉って鳴ってるんだけど」
「そうだ。 レベルアップの事を教えてなかったわね」
 ステラさんが、そう言うと一枚の石板を持ってきた。

「これに手を置くとステータスを確認できるのよ。 それと、レベルって言うのは……そうね、その人の力を表す指標みたいなものかしら、今のところゲイリーのレベル124が世界最強ね」
「ミサキのレベルは楽しみだな」
 私が石板に手を置くと透明なディスプレイが表示された。


 ━━━

 レベル:999999………………

 HP:世界崩壊が終わっても無傷です

 MP:在りすぎてどうしようもありません

 力:神もその威力に怯えます

 守:伝説の聖剣でもくすぐったいです

 魔:神外じんがいです

 ━━━


 室内に沈黙が広がる。
神外じんがいって、なに!? 人外とかじゃないの!」
「「「「そこもだけど、そこじゃない!」」」」
 教皇様、ステラさん、ゲイリーさん、ヒョッケイさんの声が重なる。

 皆の推測によると魔獣の森の魔獣を殲滅したことによりあり得ないほどの経験値がミサキに入り尋常じゃないほどのレベルが上がったと考えられた。

 私としては、エフィルの身体だからと言う一点でしか考えられなかった。




   
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