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女神になった少女
執事とメイドのヒ・メ・ゴ・ト
しおりを挟むそんなこんなで、取り敢えず明日、教皇様と話し合うことになった。 私は、自分に与えられたベッドに眠る。
漸く〈レベルアップしました〉のメッセージが止まった。
改めて、ステータスを確認したいと言ったら「ミサキ、貴女が世界最強よ……」とステラさんに言われ拒絶された。
まぁ、世界最強は否定しない。
今日は、寝よう。 エフィルと会いたい……と言うか、会わなきゃ。
━━━来ました。 不思議ワールド。
今日は、以前の土下座と違い目を開けるとエフィルが私の顔を覗きこんでいた。
驚いた私は、勢い良く起き上がりエフィルの顔面に頭突きを勢い良く喰らわせた。
「ふぎゃっ!」
エフィルのおかしな声と共に数メートル空へと吹き飛んだ。
「いや、大袈裟でしょ」
私の言葉にはエフィルは、鼻を抑えながら。
「大袈裟じゃない! 何、知らないうちに神殺しの力を手に入れてるのよ!」
何、その物騒な称号は。
私は、魔獣の森の事を説明した。
「あー、なるほど。 確かに、うんうん」
一人で納得するエフィル。
私は、聞きたいことを聞いた。
「あのさ、私に対する絶大な信頼感もこの異常なレベルアップもエフィルの身体の影響なんだよね?」
「レベルアップはその身体の影響よ。 経験値、10,000倍だから。 レベル上げってめんどくさいじゃない?」
いや、知らねぇ……。 一回、魔法撃ったら世界最強なってたし。
ん?
「待って、この信頼ってエフィルのせいじゃないの?」
「確かに、魅力度とか上がってるけどそれは元々ミサキが持ってるモノよ。 身に覚えない?」
「そう言われれば、無くもない」
エフィルがニヤッと黒い笑顔を浮かべた。
「そこまで気になるなら洗脳の魔法を使うってのもありじゃないかしら?」
「却下。 人の意思をねじ曲げてまで気に入られたくない」
「つまんなぁーい」
破壊神が頬を膨らませてブーブー言ってる。 何だろう、この世界の人達が可哀想。
「で、世界の中心のトップをもぎ取ったミサキは、これからどう世界征服をしていくのかな?」
エフィルの笑顔が眩しい。 どういう思考をしてるんだ。
「もぎ取ってないから! 世界征服しないって」
「うーん、でもね、聖女の意義を無くなった世界はこれから荒れるよ。 魔獣と言う共通の敵が居なくなったからね」
エフィルの言った事は正しい。 私も、正直、懸念してる。
聖女の存在は、世界のパワーバランスも保っていた。世界の重要人物である聖女が一国集中しないように召喚国を持ち回りにしていた。
私は、それを終了させた。 特に、今回聖女召喚を行ったフェビカ王国からしてみれば私と言う存在は迷惑この上無いだろう。
聖女召喚したあげく、何の説明もなく外に捨てた女が全てを無にしたのだから。
「うーん、各国回って謝る?」
「逆らうものは、蹴散らそうよ」
「却下。 何、エフィルは私を魔王か何かにしたいの?」
「……だってさぁ、あの世界見ててもつまらないもん」
可愛く言っても、無駄だからな破壊神め。
「私じゃ、思いつかないや」
「じゃあ、他の人を頼ることね……。 アースから色々聞いたけど、ミサキはもっと誰かを頼った方がいいわ」
エフィルが、尤もな意見を私にくれた。 その事に驚いているとなにかを察したのか赤面していく。
「わっ、私の身体だからねっ!」
……? 意味わからない。 あっ、身体で思い出した。
「ねぇ、エフィル。 この身体さ、お腹が空くように出きるかな? 食事をしても、美味しくないし……食べなきゃ成長出来ない……。
姿を変える魔法を作ったのに身長は変わらなかった……」
私、泣いても良いですか?
初めて作った魔法は、自分の姿を変える魔法。 身長にも繁栄するように作ったのに一ミリも変わらなかった。
ビックリだよ。 試しにステラさんになったら、ちっちゃいステラさんになったからね。
「私には無理ね。 その身体はミサキのモノになってるから。 でも、ミサキ自身の意思でどうにでも変えられるわ。
━━身長以外」
ほほう、最後の方は何を言っているのか聞こえなかったけど自分で変えられるのか……どうやって?
「ふふ、魔法と同じよ。 ミサキが思えばそうなる。 世界もね」
その瞬間、世界が暗転した。
§§§§§§§
「眩しい……」
うっすら目を開けると、ティアムがカーテンを開けて私をニコニコと微笑みながら見ていた。
でたな、腹黒メイド。
昨日、嵌められてから警戒度MAXです。
「腹黒なんて……悲しいですわ」
━━━ココロヲヨムナ。
「うふふ、ミサキ様。 お着替えして、お食事と致しましょう」
食事かぁ……ん? おぉ! 腹が減ってる!
お腹が空かないのに食べるご飯は苦痛だったよ。
「さぁ、これを」
「…………その服何」
ティアムが持っている服は、昨日、教皇様ことレティシス様が着けていた服だった。
「今日が、ミサキ様の教皇様としての初仕事です。 先ず、予定は国民に向けてのスピーチと教皇近衛騎士の選択です」
教皇近衛騎士って言うのはボディーガードらしい。 元々、ゲイリーさんもその地位に就いていた。
「……私、騎士に護られる必要性あるのかな?」
「ございませんね。 ミサキ様からすれば邪魔でしか無いですね」
そうなんだよねぇ。 昨日、レベル確認のあとゲイリーさんに誘われて手合わせしたんだけど。
私が、圧倒的に強かったんだよね。
攻撃全部見えてたし、軽く突き飛ばしたら試合終了したし、ゲイリーさんちょっと泣いてたし。
「ミサキ様、では、食堂へと参りましょう」
ティアムに連れられて、王宮の三階を移動する。
この階にはレティシス様、ミケラーノ一家、ファントさん、ティアムだけが住んでいる。
私は、教皇の住居である四階に一人で住むことになった。
食堂に入ると全員がテーブルに着いていた。
「御待たせしました……?」
席が一席空いているのだけど……一番、豪華な椅子が空席なんですが。
「レティシス様……席を間違えてますよ」
「間違えてないわよ。 後、私のことはお祖母ちゃんって呼んで」
デシャビュ?
レティシス様とかつてのステラさんがダブって見えたんだけど。
「……お祖母ちゃんとは、呼びませんけど。 失礼して、座らせて頂きますね」
レティシス様の表情が曇る。 どうやら、断られるとは思って無かったようだ。
そして、そのまま食事が始まる。
うん。 不味い。
お腹空いてても不味いぞ。 おい!
何だろう、基本的に塩味オンリー。
歴代聖女様は、何をしてたんだ。
「ミサキ、口に合わないかしら?」
レティシス様が尋ねてきた。 「はい、そうです」とも言えるわけもなく返答に困っているとレティシス様が再び、口を開いた。
「気にしなくていいのよ。 貴女の世界には美味しいものが溢れてたんでしょ?」
「はい」
「ごめんなさいね。 歴代聖女は、何故か料理が壊滅的に下手な方しか現れなくて」
壊滅的ね。 うん、これは私がやるしかない。
これでも、居酒屋レシピならお手の物ですから。 要は、塩味以外を生み出してしまえばいいのよ!
「うん。 今日は、街に出て料理の材料を探してきます!」
私は立ち上がり意気揚々と宣言した。
肩を押さえ付けられ強制的に椅子に座らされた。 後ろを見ると笑顔のティアムが立っており、
「今日は、お披露目ですよ。 逃がしませんよ、ミサキ様」
と、黒いオーラを出していた。
「はい……」
忘れてた……。 うーむ、どうしようか。
「じゃあさ、ティアムが代わりに調味料とか買ってきてよ」
「調味料ですか?」
ティアムの表情が困惑の色に染まる。 どうやら、この世界では、調味料が塩、胡椒しか無いらしい。
むむむ……。 ならば。
「ミルクとかある?」
「ええ、それならございます」
シチューとかにしよう。
「「ミサキねぇね何か作るの?」」
双子が声をハモらせて訪ねる。
「シチューって料理を知ってる?」
「「しらなーい」」
同時に首を横に振り答える。
━━━なに、この生物超可愛い。
「僕も興味あります!」
セイクリッドも食い付いてきた。
「あっ、そう。 夜に作ってみるよ」
うむ、セイクリッドは第一印象がチャラすぎていまいち絡めない。
食事が終わり、レティシス様と二人きりでお話しすることに。
「教皇の仕事ってなんですか?」
「特にないわよ。 一応、国の代表だけど政治は国の議員達が行っているし、あくまでも、象徴ね。
その証拠に、ゲイリーは神国警備隊に所属しているし、ステラは神国学校で教師をしているし、私はポーションを作ってるのよ」
まさかの一般市民枠でした。
因みに神国警備隊は警察のようなモノで神国学校は、小学校、中学校の義務教育。 先代の聖女様が働きかけエフィル神国では義務化したらしい。
「じゃあ、私も外に出てもいいんですか?」
「ええ、今日のお披露目式、国家間の対応さえしておけば誰も文句を言わないわよ」
つまり、今日が終われば私は自由!
なにしようかなぁ。 先ずは探検だよねぇ。
異世界来たのにずっと乗り物だったからね。
それに、ティアムから聞いた話ではこの国は獣人、エルフ、ドワーフ、妖精族など他種族も差別なく暮らしてると言うことだ。
「うふふふ」
「楽しそうね。 ミサキ」
「人間以外の種族に会えるのが楽しみで」
私の頬が緩んでいたようだ。
「あら? 既に会ってるじゃないの」
……? もしかして。
「ゲイリーさんが獣人!? ゴリラ族とか」
物凄くゴッツイもんね。
「違うわよ。 その事、ゲイリーに言っちゃ駄目よ?」
違うのか……アブない。 レティシス様と二人きりで良かったわ。
「ファントとティアムの二人よ。 あの二人は、妖精族よ」
「なぁっ!?」
確かに、不思議な雰囲気を持ってるし……。
「だから、心が読めたのか」
「……あら? そんな能力無い筈だけど」
━━━な、ん、で、す、と。
「もしかしたら、ミサキは妖精の契約をしたのかも知れないわね」
妖精の契約ですか? 私、そんなのしたこと無い。
「いや……なに。 レティシス様!? 私、そんな契約知りませんけど」
「そうね、妖精族は勝手に主を決めて契約するって言うけど」
えっ、なに押し売りの契約ですか? クーリングオフってありますよね?
私、契約してませんけど。
「確認するには、コレが一番よ。 ミサキ、ファントとティアムを呼んでみて」
「……ファント、ティアム」
私は小声で呼んでみた。
何故、小声って?
嫌な予感が全開なんですよ!
「御呼びですか? ミサキ様 」
「ご用件はなんでしょうか? ミサキ様」
「キタァァァア!! てか、どこからぁぁあ!」
私は、あまりの驚きに椅子から落ちた。 が、ティアムが支えてくれた。
「大丈夫ですか?」
「……あ、ありがと。 じゃなくて、契約ってどういうこと!?」
ファントが、ティアムに任せてその場から消え去った。
「我々、妖精族は真なる主に仕える事を目的としております」
真剣な表情で訴えてくる。
いや……思い出して欲しい。
「勝手にだよね?」
「それに問題でも? 通常、妖精族に契約されたものは踊り出すほど大喜びするのですが」
「そうよね。 妖精族に選ばれると言うことは一国の王になるよりも難しいものね」
レティシス様がそう追撃してくる。
私、あっさりと一国の王になれましたし、妖精族に契約されてるんですけど……なんて、言えるわけもない。
妖精族は、万能の執事であり騎士であるらしい。 事実、ファント、ティアムはゲイリーさんよりも戦闘力が高いらしい。
ゲイリーさんの名誉の為に言うけど、ゴ……人族の中では最強ですよ。
この王宮に居て、ミケラーノ家に仕えていた理由は何となくだったらしい。
ファントに関しては、ミケラーノ家の執事を続けるが、ティアムに関しては私専属になると宣言された。
ファントの優先順位は、私が優先になってるらしいけど。
「ティアムは、妖精族で私と契約したから心が読めるの?」
「読めませんよ」
……いや、確実に読んでたじゃん。
「いえ、読んでいるのではなく……そうですね。 ミサキ様の世界の言葉で言うと"リンク"と呼ぶべきでしょうか。
ミサキ様の感情や意識は、契約した私たちと共有できるのです」
つまりは、私の思考、感情をダイレクトに受けとることが出きると言うことらしい。
まさに、一心同体!?
「まさに、一心同体ですね。 ミサキ様」
「おぉぉぉ……。 何だろう、この羞恥心」
私が、双子を見てはしゃいでいたのも知ってる訳だね?
「はい……それはそれは、ファント共々微笑ましく感じておりました」
「何の話かしら!」
レティシス様がキャピキャピしながら尋ねてくる。 嬉しそうだな……おい。
「ミサキ様が、如何にミケラーノ家の皆様を愛しているかの話ですよ」
「ちょっ、ティアム。 言い方に語弊がある!」
その言葉に、レティシス様が何かを考え込んだ。 うん、確かに、今の否定は失礼だった。
「レティシス様、今のは……」
「ええ、そうね……」
ガバッと立ち上がり、
「ティアム! 全員を呼んでミサキの私達に対する愛の深さについて聞きましょう!」
「畏まりました!」
ティアムのテンションが、一気に跳ね上がる。
なんで、そんな羞恥プレイをしなくてはいけないんだぁー!
ティアム! やめてぇー!
「早速、全員を呼びましょう」
━━━こんな時だけ…………。 私の心を読めやぁぁあ!!
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