聖女召喚で呼ばれた私は女神(仮)でした

ミツ

文字の大きさ
13 / 25
女神になった少女

Legend Teacher 相沢さん

しおりを挟む


今日は、とても良い一日である。 何故なら、両手に花……いや、天使状態。

 右手にはミルム、左手にはラムル。 いつもの布陣で向っているのはエフィル神国学校。
 私は今日、1日体験教師を行う。
 テンションと気分は、〈レジェンドティーチャー相沢さん〉状態だ。

 何せ、可愛い妹達から「「頑張って下さいね、相沢先生!」」と、至高の応援を貰った。
 セドリックも何か言ってたような気がするが……気のせいだ。

「ミサキ姉さん、聞いてますか?」
「ん? なに?」
 どうやら、現在進行形で話していたようだ。
 ごめんな、セドリック。
 妹の相手でお腹いっぱいなんだ。
「ミルムとラムルのクラスだけで残念ですと申したのですよ。 相沢様」
 教えてくれたのは、ティアム。

「あー、そう。 だね。
 後、セドリック、ミサキ呼びはダメよ。
 相沢さんで」
「あっ、そうでしたね。 相沢先生」
 んー、やっぱりセドリックに先生呼ばわりされても嬉しくないな……。
 第一印象が悪すぎたのだよ、義弟おとうとよ。

「さ、一緒に行くのはここまでよ。 私と、ミーちゃんは職員室に行かなきゃ行けないからね」
 そう私の至福の時間に終焉をもたらしたのは、ステラさんであった。
 ちなみに、ミーちゃん呼びは朝食の際、エリカさんにそう呼ばれてると言ったら、
「ズルい、ズルい! 私も呼びたい!」
 と、レティシス様とステラさんが駄々を捏ねたが為に許可をしたと言う経緯がある。

 スゲーよ。 美魔女二人の駄々の捏ねかた。 ゲイリーさん、痣だらけだもん。
 明らかにグーで殴ってたよね、ゲイリーさんが涙声で「呼ばしてくれ……」って、懇願してきてね。
 ぶっちゃけ、ミーちゃんって呼んでも別に良いのに。 と、言い掛けたのは内緒だ。

 ちなみに、セドリック、ミルム、ラムルの三人は慣れているのか淡々と食事をしていたよ。
 あれは、日常の風景なのか……?

 そんなわけで、職員室にいる。
「えー、此方が本日、体験教師を行う相沢君です。 ステラ先生のクラスに入って貰う事になっているので今日、1日宜しく」
 紹介してくれたのは、小柄な男性だった。

 彼は、精霊族と同じように国を持たない種族の一つである小人族ホビットと、ドワーフ族のハーフ。
 多少の黒光りはあるが苦手意識はない。
 ふんっ! ふんっ! マッソォオオオオ! とか、叫ばないからね。

 まあ、ドワーフ族の教師もいるようだけど近付かなきゃいい話だし。
 因みに、小人ドワーフさんは教頭のバルクさん。

「さ、ミーちゃん。 行くわよ」
「ステラさん、ここでミーちゃん呼びは」
 ステラさんがクツクツと笑い「大丈夫よ」と言いながら廊下を歩く。
「ここよ」
 4年1組と掛かれた看板がある。
 学校は、6歳~15歳迄の9年間の義務教育となっている。
 小中一貫の学校だ。

 ステラさんに続いて中に入ると既視感デジャヴを思わせる光景が広がっていた。 日本の小学がそのまま存在していた。
 部屋の造り、机、黒板など。
 エリカさん、すごい……。 そんな感想しかわかなかった。

 見知らぬ私にざわつく生徒達。
「転校生?」
「転校生だよ」
「だよね」
 待て、少年少女達よ。
 私は、お姉さんだ……小さいけどお姉さんだ!
 しかし、あれだな。

 ━━━ミルム、ラムルの制服姿は可愛いなぁ。

 しかも、二人とも小さく手を振ってるし……くそぉ、抱き締めてやりたいぜ。
「はい、みんな静かに」
 生徒達は、ステラさんの声かけに背筋をビシッと伸ばし「イエッサー」と返事した。
 軍隊かなにかですか? ここは。

 そんな思いでステラさんを見ているとニコッと笑顔を返した。 これは、何も聞くなって事ですか?
「そうですね」
 ティアムが私の背後でそう呟く。

 何故いる、ティアム。
「相沢様のメイドですので」
 学校は、不味くない? 私の正体バレるよ。
「問題ないです。 ステラもミルムもラムルもミケラーノ家ですので」
 そっか……なら安心か?

「彼女は、ミ……相沢先生。
 今日1日ではあるがこのクラスで体験教師を行う事になっている。
 挨拶!」
「「「「宜しくお願いします! 上官殿…あっ…相沢先生」」」」
 いやいや、ミルムとラムル以外の全員が私の事を〈上官殿〉って確実に呼んだよね?

 ━━━聞き間違えじゃないよね?

「さぁ、ミ……相沢先生、自己紹介を」
 ステラさんさっきから私の事をミーちゃんって呼ぼうとしてるよ。
「ご紹介頂きました。 相沢です。
 これでも、16歳、今日1日宜しくね」

 生徒達が、ざわつく。
「16歳ってよ。 小人族の血が入ってるのかな?」
「いや、そんな感じしないけど」
「うん、同族の気配しない」
「純粋な人族? だと思うよ」
「「「「ちっちゃくない?」」」」
 最後は、声を揃えて私をディスった。

 その瞬間、黒板をバンッと叩くステラさん。
「言うことは?」
 子供達にニコッと笑い掛ける。
「「「「申し訳ありませんでした!」」」」
 声を揃えて私に謝罪する。

 最早、軍隊の養成機関にしか見えない。
 だって、出席の取り方が「番号!」の掛け声から始まるんだよ。
 で、最後の子が「総勢24名、負傷者、脱落者無しであります!」って敬礼してた。

「では早速、ミ……相沢先生に教鞭を取っ手もらいましょう」
 はっ? 聞いてないけど。
「えっ、いや」
「さぁ、どうぞ」
 ステラさんの豪快なフリに負けた私は壇上に立つ。

 四年生は、主に算数、国語、社会、理科の座学と共に魔法適正とを調べ、魔力操作を鍛える為の一年となっているらしい。
 魔力操作……いや、ムリ!
 私が教えて欲しいくらいだよ!

 《教育者スキル発動》

 ん? また声が聞こえた。 教育者スキル発動とか。
 鍛冶の時も聞こえたよね……失敗したけど。
 ふと、生徒達を見るとその生徒の魔法属性値と魔力の数値が生徒の頭の上に見えてきた。

「えっと、1番ネルセン君。
 立って貰えるかな」
 名簿を見ながら呼ぶと「イエス、マム!」と言いながら立ち上がる。
「君の適正が高い魔法は、火と土ね。 魔力の高さで言えばこのクラスで12番目ね」
 生徒達のみならずステラさん、ティアムもざわつく。

「ミーちゃん、何言ってるの?」
「ミ……相沢様何を?」
 お二人とも……名前な。
「えっ、みんな見えないの?
 説明するわね。 ネルセン君、席について」
「イエス、マム!」

 私は、黒板に六角形の図を描く。 そこに、火、水、土、風、癒、特、の六属性を書き込む。
 火72、水21、風11、土62、癒5、特5更に属性の横に数字を書いた。

「えっと、属性値の最高値が100としてこれがネルセン君の適性値になります」
 ネルソン君が、ビシッと右手を高く上げる。
「質問をしてもよろしいでしょうか! 上官殿!」
 上官?
 いや、何を……。
「許可する」
 ステラさんが、許可するとネルソン君が立ち上がる。
「土魔法は使えますが、火魔法は苦手です」

「苦手な理由は?」
「火魔法を使うと暴発してしまうのです!」
 なるほど。
 何故だか、理由がわかってしまった。
「ステラさん、もしかして魔法の暴発を苦手な属性って判断してます?」
「ええ、そうだけど」

「なら、それは違います。
 適性が高過ぎるため、高度な魔力操作、コントロールを必要とするのです」
「相沢様……魔力コントロールの才能が皆無なのに何故そのように詳しいのですか?」
 ティアム、魔力コントロールが下手くそとか今の質問にブッ込んでくる必要性あったかな?
 私はないと思うんだけど。

 何で知ってるか?
 知らん! 頭に次々と浮かんでくるんだよね。

「ミーちゃん、質問なんだけど、属性の特って血系魔法の事かしら?」
 血系魔法……?
「血系魔法は、知りませんが遺伝性の魔法でこの五つの属性に合わないものがそうなりますね」
「遺伝性?」
 あー、そうか。 エリカさんの知識は30年前のもの、遺伝子とかまだ不確かなモノだった時代か。

「えー、例えばですね。
 親が特殊な魔法を使える場合、子供にも継承されてる可能性があるんです。
 それと、希に隔世遺伝と言われるものも存在します。
 所謂ら先祖返りです……えーと、この中だと14番キティナーさん私のもとへ」
「はい! 」
 私は、一人の生徒の名を呼ぶ。
 彼女の適性は、非常に穿っている。

 〈火2、水1、風1、土2、癒5、特98〉

 完全特性魔法特化の少女。
「はっきりと言いますが、貴女は魔法が使えませんね?」
 私の言葉にキティナーの表情が曇る。
「はい……両親も、祖父母も全属性を扱える家系なんです……私だけ」
「そうですか。 私から見れば貴女がこのクラスで1番なんですけどね」

 私には、この子……いや、ここにいる全ての生徒達の才能が手に取るように見える。
 まさに〈レジェンドティーチャー相沢さん〉無双状態。 

 ━━━妹達の祝福半端ない。

 私は、キティナーにこっそりと耳打ちをする。
 その内容にキティナーの目が見開く。
「本当に?」
「ええ、貴女の属性はそう言うことが出来るのよ。
 さぁ、キティナーさん魔法を使ってみなさい」
 私の言葉に生徒達がざわつく。

 キティナーが目を閉じると、その瞬間その場から姿を消した。
 そしてすぐに生徒達の後ろから声が聞こえる。
「出来た……」
 それは、全員の目の前に居た筈のキティナーの声。

「これが、キティナーさんの特殊魔法〈空間属性〉ですよ」
「「「「空間属性!?」」」」
「相沢様、今のお言葉の意味をお分かりで?」
 ……さあ?
 キティナー凄げぇー?
 ティアムはジト目を私に向ける。
「空間属性は、およそ600年前に確認されてから喪失したと判断された失われた魔法ロストマジックの一つなのですよ?」
「ほう、やっぱりキティナーさん凄いじゃん」

(((((いや、アンタの方が凄いよ)))))
 その場に居た全員が口には出さないが同じ心境だった。

「ミーちゃん、ちょっと私、席を外すから他の生徒達にもアドバイスをお願いね」
 そう言ってステラさんは、外に出ていった。
 うーん、ステラさんの顔色が悪かったけど大丈夫かな?
「…………」
 ティアムが何かを訴えるように此方を見ている。

 キニシナイ。 キニシナイ。

 私は、全員に適性の高い属性を教えていく。 過半数の生徒が得意な属性を不得意と捉えていたようだ。
 そうこうしている内に、一時間目の授業が終了した。

「よし、教えたようにゆっくり練習するように!」
「「「「「イエス、マム! 閣下、ご指導ご鞭撻ありがとうございました!」」」」」
「うっ、うん」
 いや、何これこの子達10歳だよね?

 《全校生徒に通達、至急練武場に集まるように》
 《教師は、至急職員室へ》
 《全校生徒に通達、至急錬武場に集まるように》
 《教師は、至急職員室へ》

 校内放送が鳴り響く。
 私は、生徒達を送り出し職員室へと向かう。
「ティアム、迷った。
 今の私なら行ける気がしたんだけどね」
「はぁ、此方です。 着いてきて下さい」
 呆れた表情のティアムに手を引かれ職員室へと連れていかれる私。

 どうやら、〈レジェンドティーチャー相沢さん〉は店じまいしてしまったようです。

 何か……恥ずかしい。


しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

追放された悪役令嬢はシングルマザー

ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。 断罪回避に奮闘するも失敗。 国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。 この子は私の子よ!守ってみせるわ。 1人、子を育てる決心をする。 そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。 さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥ ーーーー 完結確約 9話完結です。 短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

【完結】番としか子供が産まれない世界で

さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。 何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。 そんなニーナが番に出会うまで 4話完結 出会えたところで話は終わってます。

よくある父親の再婚で意地悪な義母と義妹が来たけどヒロインが○○○だったら………

naturalsoft
恋愛
なろうの方で日間異世界恋愛ランキング1位!ありがとうございます! ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 最近よくある、父親が再婚して出来た義母と義妹が、前妻の娘であるヒロインをイジメて追い出してしまう話……… でも、【権力】って婿養子の父親より前妻の娘である私が持ってのは知ってます?家を継ぐのも、死んだお母様の直系の血筋である【私】なのですよ? まったく、どうして多くの小説ではバカ正直にイジメられるのかしら? 少女はパタンッと本を閉じる。 そして悪巧みしていそうな笑みを浮かべて── アタイはそんな無様な事にはならねぇけどな! くははははっ!!! 静かな部屋の中で、少女の笑い声がこだまするのだった。

没落貴族とバカにしますが、実は私、王族の者でして。

亜綺羅もも
恋愛
ティファ・レーベルリンは没落貴族と学園の友人たちから毎日イジメられていた。 しかし皆は知らないのだ ティファが、ロードサファルの王女だとは。 そんなティファはキラ・ファンタムに惹かれていき、そして自分の正体をキラに明かすのであったが……

治癒魔法で恋人の傷を治したら、「化け物」と呼ばれ故郷から追放されてしまいました

山科ひさき
恋愛
ある日治癒魔法が使えるようになったジョアンは、化け物呼ばわりされて石を投げられ、町から追い出されてしまう。彼女はただ、いまにも息絶えそうな恋人を助けたかっただけなのに。 生きる希望を失った彼女は、恋人との思い出の場所で人生の終わりを迎えようと決める。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

襲ってきた王太子と、私を売った婚約者を殴ったら、不敬罪で国外追放されました。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

処理中です...