職も住処もなくした私が訳ありアパートの管理人にスカウトされました。何やら事情があるようです。

ピヨピヨ

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そんなことだと……

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「ちょっとそれおかしいよね。私アパート追い出されて行くところなかったんだよ。それなのに慎吾見捨てたじゃない。新しい彼女が出来たからって。
 だいたいお金がなくなったのも慎吾にお金をかしたせいだよ。それに私にお金返してないじゃん」

「金を返す? どうして、あれは将来への投資の為にくれたんだろ。お前だって納得済みだったじゃないか」

「何言ってんの」

 つい怒鳴ってしまい。周りから注目を浴びた。

「ともかく、佐々木さんとよりを戻す気はないので他を当たってください」

 馬鹿らしくなって、葵はコーヒーをイッキ飲み干し、席を立とうする。

「待ってくれよ。話は最後まで聞いてくれ。会ってくれるだけでいいんだ」
「え?」
「俺の彼女だと言って、愛美に会ってくれるだけでいいんだ」
「は? それって、その愛美って人にやきもち焼かせるためでしょ?」

「違うんだ。その愛美と付き合っている男が問題で、そいつやばい奴なんだ。多分、半ぐれ。すごい怒ってて、俺殺されるかも知れない」

「ってか、そんな奴らに私を彼女として会わせようとしているの? 冗談じゃないよ!」

 すると慎吾が急に立ち上がり、入口の方に手を振った。

「愛美、こっちだから。あ、幸田さんも」

 みると今風でおしゃれだが目つきの鋭い若い男と愛美が来る。愛美は顔は知っていた。一度会ったことがある。

「あなたまさか!」
「うん、さっきここにいるって連絡しておいた」
「ひどい! 私、帰る!」

 愛美と幸田呼ばれた男は突然始まった二人のやり取りに目を瞬いた。葵は構わずコーヒーショップから飛び出した。それなのに慎吾がしつこく追ってくる。

「ちょっと待てよ。俺、本当に困ってるんだ。お前みたいな派遣と付き合ってやったんだから、少しくらい助けてくれたっていいだろう!」

 ふざけたことを言って、無理や腕を掴んで葵を店に連れ戻そうとする」

「おいどうしたんだよ。佐々木」

 イライラとし様子で、幸田が近づいてくる。

「いや、ほんとこいつ彼女なんです。でもやきもち焼きで困ってて」

 嘘ばかり言う。
 それに慎吾が半ぐれと言っただけあって、幸田という男の人をみる目が異様に冷めていて怖い。まるで蛇のように冷たく、温度がない。

「絶対に違うから! やだよ。ほんとに離してよ!」

 一所懸命手を振りほどこうとするが、慎吾の手ますます食い込んでくる。駅からたくさんの人が吐き出されるが、みな見て見ぬふりをして、遠ざかる。

「ちょっと、あんた、葵ちゃんに何してんのよ!」

 その時、どすの聞いた怒鳴り声がひびく。すると慎吾の手が緩んだ。その隙に葵は逃げ出した

「松子さん!」

 アパートの住人に抱きつく。彼女はちょうど仕事帰りだったようだ。

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