イケメン教師陵辱調教

リリーブルー

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第十九章 麓戸との再会

虚しさを埋める何かを求めて

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 村田の三者面談か……。気が重い。村田の父親が来るだなんて。

 そうでなくとも、以前から、村田の三者面談のことを思うと、気が重かった。
 村田の母と、学校で会わなければならないのだ。村田は一人親家庭だったから、保護者といえば母親が来ると決まっていた。
 村田の母には弱味を握られている。村田と関係している現場を押さえられ、責任をとれ、でないとバラすと脅されている。
 村田の保護者、村田の母親に、そう脅されて無理矢理されたのだ。性交を強要された相手と会うなんて。恐ろしかった。気が滅入った。平静さを保てるかわからなかった。
 怒りで、我を忘れてしまったらどうしよう。教師としての冷静さを保てる自信がなかった。
 しかし逃げるわけにはいかなかった。生徒の親なのだ。
 しかも、呼び出されては、これまで何度も会ってしまっている。脅しに屈してしまっていた。断ることができなかったのだ。
 生徒の村田悪照との関係も、同様に、断ることができないままだ。クラス担任の生徒なので、毎日顔を合わせる。逃れようがなかった。

 今さら外部に助けを求めても、誤解され、傷つくだけだ。
 自分から、好き好んで会っていたのではないか?と誤解されるだろう。
 呼び出されて、脅されるままに、保護者とも、その息子である生徒とも行為を重ねているのだ。
 そんな不道徳な行動を、明るみにしたくなかった。自分が悪いのではないと誰が信じてくれるだろう。自分が悪いのではないのに、自分に落ち度があったのだと責められるに決まっている。今までだってずっとそうだったのだから。

 だから、村田が、「三者面談に父親が来る」と言った時にはおどろいた。
 何か、ばれたのだろうかとおそれた。
 彼の息子とセックスしていた事実か。あるいは元妻との関係か。その愛人を交えた爛れた3Pのことか。
 それとも学校で、校長としている禁断の行為がバレたのか。
 生徒会室で、生徒たちとしている行為が知られたのか。
 研修所でスカトロ行為までしてしまったのは、まさかバレていないだろう。あんな恥ずかしい行為に興奮していいわけがない。なのに、信じられないくらい淫らな乱交をしてしまった。

 村田の父親など、どんなやくざな人間かわからない。恐喝されるかもしれない。

 村田の母親の情人を思い出した。ノンケだという情人は、女装させた小坂との3Pに夢中になった。

 まさか、あの情人が来るのではないだろうな。

 その疑いも払拭しきれなかった。

 いや、あの男ではないはずだ。村田の口ぶりからいって違う。

 ただ、村田の父親が、あの、母親の情人と小坂が寝たことを知ったらなんと思うだろう。
 そんなことを知るはずはない。
 だが、ノンケのあの情人すら、小坂に夢中になったのだ。
 村田は、村田の父親を案外まともだと評していた。だが、そんな村田の父親だとて、油断はできない。村田の父親が、まともであるはずがない。

 小坂の心は鬱々として晴れなかった。

 ガランとした教室で待つ小坂は、机の上に置いた生徒に関する資料を機械的にめくっていた。
 目だけは文字をたどっていたが、少しも集中できていなかった。文字の意味が、まったく頭に入ってこなかった。
 ぐるぐると堂々巡りの思いが頭の中を巡っているばかりだった。

 遠くでサッカーボールを蹴る音や、金属バットにボールが当たる音がする。
 男子生徒たちのかけ声や、校庭でピッと鋭く鳴る笛の音、裏手の校舎の音楽室から聞こえる吹奏楽部の低いバスの音や耳触りなトランペットの音、クラリネットの乱れた音がする。
 雑多な音が、小坂の頭の思考のように入り乱れていた。

 階段を笑いながら駆け下りる生徒たちの声がする。渡り廊下で誰かを呼ぶ声がする。

 外の世界は光があふれていた。

 小坂の頭の中の世界とは無関係のように、外界は動いていた。まるで電車の窓から過ぎ行く景色を眺めるように、それは小坂とは何の関わりもなく通り過ぎていった。
 ガラス一枚隔てた外の世界を小坂は座って眺めているだけだった。
 自分とは無関係に、通り過ぎ、遠ざかっていく景色。
 自分の顔がガラス窓に映る。疲れた顔。美しい顔。哀しげな顔。小坂の顔は透き通っていて、外の田園や街並みを映していく。透明人間のように、小坂は空虚だった。
 この虚しさを埋める何か。それをずっと求めてきたのかもしれない。
 海辺の白い砂のようにつかんでもつかんでもさらさらと指の間から落ちていく。
 このまま一生自分は何もつかめずに浜辺で一人うずくまっているのか。
 いつか波にさらわれてしまうのか。
 自分の亡骸を波はさらってくれるだろうか。
 押し寄せる波のように、思いが胸にせまる。苦しい思いが寄せては返す。
 その海の果てに何があるのか、小坂にはわからなかった。
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