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第四章 校長とイケメン教師
イケメン教師、村田に校長の犬と言われる
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校内放送が流れ、校長が戻ってほどなく、村田が血相を変えて校長室に来た。まだ下校していなかったようだ。
「君、小坂先生をおどしているそうじゃないか」
校長が、村田をソファの反対側に座らせて聞いた。
「違います。小坂先生が、俺を誘って、エッチなことをしようって言ってきて。生徒とするのが、病みつきらしくて。俺の友達も、被害にあってます」
村田は、でたらめを言った。
「誰だ」
「宮本ってやつです。証拠の動画もあります。見ます?」
村田はスマホを取り出して、画面を操作し、校長に見せた。
「ほほう。これは学校か?」
「旧部室棟です。小坂先生は、ここで隠れて宮本君に、いやらしいことをしていたんです」
どうやら、さっきの場面を撮影していたらしい。下半身裸の小坂が、全裸の宮本を抱きしめているように見える。最後には、小坂が宮本を机に押しつけて覆い被さっているように編集されていた。
「君がこれを撮影したんだね?」
校長は村田に尋ねた。
「そうです。宮本君が旧部室棟に行くのを見かけたので、おかしいと思ったんです。そしたら、やっぱりこんなことになっていて」
「君も小坂先生に、こういうことをされたのか?」
「はい。なのに、小坂先生は、校長先生に、僕が脅しているなんて言ったんですか? 脅されているのは、僕の方です。このことを言ったら、承知しないぞって」
「そうか」
校長は、スマホを村田に返した。
「この動画は、他の人に見せたり、外に流したりしたらだめだよ。小坂先生には私からよく注意をしておく。小坂先生の処分は私に任せなさい」
校長は言ったが、村田は不満そうな顔をしていた。
「ところで、君はお父さんがいないそうだな?」
校長は、いきなり話題を変えた。
「は? だから? 差別ですか? 最近、メールのやりとりしてて、今度、いっしょに食事することになってます」
そうなのか。そのことは小坂も聞いていなかった。
「そうか、それはよかったな」
校長は立ち上がって、村田の肩をたたいた。
「お父さんと会うのは久しぶりか?」
校長は、村田の隣に座った。
「会ったことないんですよ。覚えてないっていうか」
村田は、校長の親しげな態度に戸惑ったように、横に座った校長の方へ身体を向けながら答えた。
「私も大学生の息子が一人いるんだよ。引きこもりでね」
校長が打ち明けた。
「えー、そうなんですか。息子さん大丈夫ですか?」
「君みたいに友達がたくさんいればいいんだがね」
校長は、悩んでみせた。
「そうでもないですよ……。それより、俺、勉強が……。親父が大学の学費を出してくれるって言い出したんだけど、俺の入れる大学なんて、あんのかな……」
「部活をがんばりなさい。推薦がとれるよ」
「部活……。先輩に喧嘩売ってたから、今さら戻れないよ」
「先輩に謝ればいい」
「なんで俺が謝んなきゃいけないんだよ……」
村田は不満そうに口をとがらせた。
「じゃあ、小坂先生には、よく注意をしておくから」
村田は立ち上がり、校長に一礼して校長室のドアを開けた。村田は、ドアまで送っていった小坂に、
「告げ口してんじゃねぇよ。校長の犬!」
と小声で毒を吐くのを忘れなかった。
「君、小坂先生をおどしているそうじゃないか」
校長が、村田をソファの反対側に座らせて聞いた。
「違います。小坂先生が、俺を誘って、エッチなことをしようって言ってきて。生徒とするのが、病みつきらしくて。俺の友達も、被害にあってます」
村田は、でたらめを言った。
「誰だ」
「宮本ってやつです。証拠の動画もあります。見ます?」
村田はスマホを取り出して、画面を操作し、校長に見せた。
「ほほう。これは学校か?」
「旧部室棟です。小坂先生は、ここで隠れて宮本君に、いやらしいことをしていたんです」
どうやら、さっきの場面を撮影していたらしい。下半身裸の小坂が、全裸の宮本を抱きしめているように見える。最後には、小坂が宮本を机に押しつけて覆い被さっているように編集されていた。
「君がこれを撮影したんだね?」
校長は村田に尋ねた。
「そうです。宮本君が旧部室棟に行くのを見かけたので、おかしいと思ったんです。そしたら、やっぱりこんなことになっていて」
「君も小坂先生に、こういうことをされたのか?」
「はい。なのに、小坂先生は、校長先生に、僕が脅しているなんて言ったんですか? 脅されているのは、僕の方です。このことを言ったら、承知しないぞって」
「そうか」
校長は、スマホを村田に返した。
「この動画は、他の人に見せたり、外に流したりしたらだめだよ。小坂先生には私からよく注意をしておく。小坂先生の処分は私に任せなさい」
校長は言ったが、村田は不満そうな顔をしていた。
「ところで、君はお父さんがいないそうだな?」
校長は、いきなり話題を変えた。
「は? だから? 差別ですか? 最近、メールのやりとりしてて、今度、いっしょに食事することになってます」
そうなのか。そのことは小坂も聞いていなかった。
「そうか、それはよかったな」
校長は立ち上がって、村田の肩をたたいた。
「お父さんと会うのは久しぶりか?」
校長は、村田の隣に座った。
「会ったことないんですよ。覚えてないっていうか」
村田は、校長の親しげな態度に戸惑ったように、横に座った校長の方へ身体を向けながら答えた。
「私も大学生の息子が一人いるんだよ。引きこもりでね」
校長が打ち明けた。
「えー、そうなんですか。息子さん大丈夫ですか?」
「君みたいに友達がたくさんいればいいんだがね」
校長は、悩んでみせた。
「そうでもないですよ……。それより、俺、勉強が……。親父が大学の学費を出してくれるって言い出したんだけど、俺の入れる大学なんて、あんのかな……」
「部活をがんばりなさい。推薦がとれるよ」
「部活……。先輩に喧嘩売ってたから、今さら戻れないよ」
「先輩に謝ればいい」
「なんで俺が謝んなきゃいけないんだよ……」
村田は不満そうに口をとがらせた。
「じゃあ、小坂先生には、よく注意をしておくから」
村田は立ち上がり、校長に一礼して校長室のドアを開けた。村田は、ドアまで送っていった小坂に、
「告げ口してんじゃねぇよ。校長の犬!」
と小声で毒を吐くのを忘れなかった。
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