イケメン教師陵辱調教

リリーブルー

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第五章 動きだす生徒たち

イケメン教師、校長につれなさをなじられる

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「小坂先生がアダルトショップを利用している証拠の動画は見せてもらえるのかな?」
校長は身を乗り出して、生徒の宮本に尋ねた。
「いいえ」
宮本は答えた。
「宮本君の友達が持っているのか?」
校長が重ねて聞いた。
「そうです」
宮本の返事に、
「それは残念だね。証拠を見せてもらえなければ、なんとも言えない」
と校長は、つまらなそうに言い、ソファの背に身をもたせかけた。

「校長先生、申し訳ないのですが、ちょっと、ぼく、時間が……」
宮本は、腕時計を見て腰をあげた。
「そうか、もう、こんな時間か」
校長も、腕時計を見た。
「ご苦労さま。ではまた明日、聞かせてくれるかな」
校長は、立ち上がり、宮本に告げた。
「わかりました」
宮本は、礼をして出て行った。



「小坂君、鍵を閉めてきなさい」
校長は、ソファに座ったまま、小坂に命じた。
「ここに来なさい」
校長は小坂をソファに呼び寄せた。
「君を、まだ帰すわけには、いかなくなったな」
校長が、ソファの脇に立っている小坂を見て言った。
「座りたまえ」
小坂は、大人しく校長の言葉に従い、校長の隣に腰をおろした。

「驚いたな」
校長は小坂に言った。
「はい」
小坂は頷いた。
「小坂君、君は、何に驚いたんだ?」
校長が尋ねた。
「宮本に驚きました。まさか、彼が、あんなに堂々と、僕を弾劾するなんて」
実際、小坂は宮本の弁舌に舌を巻いていた。宮本は自分にフラれて泣いているかと思ったのに。こんなに早く立ち直って、反撃に出るとは。神崎先生にフラれたことを、いつまでも気に病んで、うじうじしている自分とは大違いだ。小坂は宮本の以外な精神の強靭さに驚嘆した。

「飼い犬に手を噛まれたか」
校長は、小坂の表情を見て、皮肉そうに笑った。
「そうじゃありません」
小坂はムッとした。宮本は、もとから自律的だった。無条件で自分を信奉していたわけではない。なぜ、間違ったことをしているのかと、泣いて怒ってくれたのも宮本だった。自分の生徒を飼い犬だなどと言われたくなかった。自分は生徒を、自分の言うことを聞く道具のように仕立てたいわけではない。生徒に対しても自分に対しても侮辱だと思った。
「そうかな。あの生徒は、君が好きなんだろう?」
校長が、おちょくるように言った。
「全裸で君に告白するなんて」
校長は笑った。
「そんな大胆で情熱的な気持ちの裏返しで、君を憎むようにもなったんだろう」
校長は、小坂を見た。
「君と同じようにね」

 確かに、小坂は、校長を憎んでいた。高校時代「神崎先生」にふられたことが、痛手となって、今なお、小坂の心に大きな影を落としていた。

「私も、君を憎んでいるよ。私に内緒で、あんな美少年と、憎み合うほどの仲になっていたことにね」
校長は、ふっと笑った。

「笑いごとではありません」
小坂は、自分の苦悩が軽んじられたように思った。

「ほう。そんなにショックだったか。あの、きれいで大人しい生徒に裏切られたのが」
校長は、意外だというような顔をした。

 そうかもしれない。
 宮本は、どうして、いつから、自分に反抗するようになったのだろう。呼び出した時には、あんなに弱々しく、泣いていたのに。
「少年は成長する」
校長が言った。
「君が、そうだったようにね」
校長の目は、小坂を見た。
「先生……」
小坂は見つめ返した。神崎先生に憧れていた高校時代のことが思い出された。
「私の前で泣いていた君は、卒業式に、涙一つこぼさず、私の前から去っていった」
校長の声は、小坂を責めていた。
「それは……」
高校の卒業式の日も、人気者の神崎先生は、ラグビー部の部員をはじめ、たくさんの生徒たちに囲まれていた。気おくれした小坂は、近づくこともできなかった。泣かなかったわけではない。むしろ別れがつらすぎて、何も言えなかった。
「君は、同窓会にも姿を見せなかった。手紙の一つもよこさない」
小坂は、失恋の痛手から、長い間、立ち直れなかった。逃げたかった。苦しみから遠く離れたかった。
「君は、つれない男だ」
校長は、小坂を、じっと見た。

「君が、大人しい級長から弾劾されるのは、きっと……」
校長は、小坂に手をのばした。
「私に隠しごとをした罰だよ」
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