イケメン教師陵辱調教

リリーブルー

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第二十一章 麓戸の追憶(麓戸視点) 

麓戸、再び追憶から覚め小坂と会話する

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「麓戸さん」
小坂の声で麓戸はハッとする。
「何を思い出してるんですか」
小坂に尋ねられて、麓戸は答える。

「お前と出会った頃のことだよ。二人で俺の部屋で引きこもっていた幸せな頃のことさ」
麓戸は答えて、優しく小坂の前髪に触れた。

「幸せな頃……?」
案に相違して小坂が眉を曇らせた。

「幸せ……ではなかったかい?」
麓戸は手を止めて、小坂の目を見つめた。不安がよぎる。

「ううん……どうだろう……」
小坂は視線をはずして足元を見つめた。

ああ、そうだ。俺にとっての幸せな時も、オデトにとっては……。
「オデトは苦しかった時だもんな」
何気なく口にした言葉だったが、配慮が足りなかったかもしれない。小坂の気持ちを慮って言い直した。

「ええ。そうですね……」
小坂は、ため息をつく。

 そうか。そんな些細なところにも、二人の感じ方の違いがあった。その小さなずれが少しずつ重なって、大きなずれになって。いったいどこから、やり直したらいいのだろう。どこで間違えたのだろう。今からでも、やり直せるだろうか。

 麓戸がそう悩んでいると、小坂が口を開いた。
「そういえば、さっきの質問ですけど。麓戸さんが僕を助けられているだろうか、僕の望むようにできているだろうか、って聞いたじゃないですか」
「ああ、うん」
「できているんじゃないんですか」
小坂の答えは麓戸を慰めているように聞こえた。

 オデトは優しいから、そう言ってくれるんだろう。

 確かに麓戸の店は、麓戸が仕切っていたから、小坂は安全だったかもしれない。だが、それは、小坂が街やネットで片っ端から誘ったり誘われたりするのに比べたら、にすぎない。本当の意味で安全とは言えない。
 スリリングなプレイに、オデトも麓戸もはまっていた。
「オデトの要求を叶えることが本当にオデトのためになっていたんだろうか」
麓戸は自問を小坂にぶつけた。

「さあ。でも麓戸さんは僕がほかの人とすることも許してくれるから束縛ってほどでもないし、僕の自由にさせてくれていて、いいんじゃないですか」
 小坂はプレイの関係性のことを言っているのかもしれなかった。

 そうだよな、オデトにとっては、俺は、ただのプレイの相手にすぎない。

 麓戸は、ため息をついた。
「必ずしも許しているわけではない。特に生徒については」
小坂は、それを聞いて不満そうな顔をした。麓戸は言葉を付け足した。
「いつもオデトのことは心配しているよ」
生徒とのことが取りざたされて、オデトが悪いとされて、つかまったら困る。
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