イケメン教師陵辱調教

リリーブルー

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第二十一章 麓戸の追憶(麓戸視点) 

麓戸、息子のことを小坂に切り出せない

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「ほんとに? 僕のことを?」
オデトが上目遣いで麓戸のことを見つめてくる。きれいな目で無防備に。人に愛されるために神が作りたもうたような美貌をさらして。見つめられるだけで幸せを感じる。なんてきれいな顔立ちなんだろうと熱心に見つめ返してしまう。オデトの顔をこんな風に間近で見られるなんて幸せだ。

「ああ。俺はいつもオデトのことを守りたいと思っている」
麓戸は言う。

「そう……」
オデトはやはりどこか不満げに応えた。

「俺にもかばえることと、かばえないことがあるけどな」
麓戸は苦々しく思う。

 息子との映像には参った。まさか、オデトと息子が、あんなことになっているとは。
 しかもドSなプレイ。血は争えない。オデトに惹かれるのも、オデトにドSプレイをするのも。
 オデトは、ああいうプレイが好きなのか。それにしても未成年とするのはまずいだろう。しかも自分の担任の生徒とは。それが禁断でドキドキしているのかもしれないが。危ない橋を渡るのはやめてほしい。バレて首になったらどうするつもりだ。
 プレイなのだろう。オデトが平気で動画を送ってくるのだから。だが、あまりにも真にせまっているので、もしや本当に無理やりされているのではと思った。
 もし無理やりだったら、たとえ息子でも許しがたい。厳しくいさめたい。息子への援助もやめようかと思うほどだ。
 だが息子が自分に会いたいと父の居所を探っている様子なのは嬉しかった。未成年の息子にアダルトショップの経営が知られるのはよくない。未成年に店に来られるのは困る。ほかの店や事業のことだったらいいが。
 いきなり息子を疑うのもよくない。何しろ今まで放置していたのだ。まずはじっくり話し合ってからだ。それになぜそのようなことをしたのか、ゆっくり教育し直してやらねばならない。

 麓戸は、小坂に、息子のことを切り出そうとしてなかなか言い出せないでいた。
 息子の非行であるならば自分に責任がある。自分の息子を信じたいが息子が無理矢理、小坂を犯したのではと思うと息子が許せそうにもなかった。
 せっかく息子と再会でき息子の尊敬も勝ち取りこれからはうまくやっていけそうな気がしていたのに。そんな矢先に。
 息子に嫉妬の気持ちもわいた。息子も小坂のことが好きなのかもしれない。親子で一人の青年を取り合うだなんて。良くない。爛れた関係だ。
 息子と小坂の間で板挟みになるのはつらすぎる。仕事もようやく軌道に乗り、せっかくこれからは息子の力になってやろうと決意したところだったのに。
 身を引こうと思った。小坂との関係を終わらせようと思った。だができなかった。
 小坂が神崎の言うことをきき、店に来なくなったのは、神崎に負けたようで癪ではあったが、どこかほっとしていた。
 
 もうオデトのことで苦しむことはなくなるのだ。

 しばし訪れた平和。
 息子の非行も息子に真摯に向き合っていくことで解決していくだろう。
 息子に、三者面談に来てほしいと言われた。息子の教育に関われるまたとない良い機会だ。このチャンスを逃したくない。今まで息子の教育に関わってこれなかったのだ。この機会を逃したら、もうチャンスはないかもしれない。息子が成人してしまったら、もう頼ってもらえることもないだろう。何より息子に父として認められた気もした。嬉しかった。せっかくの息子からの頼まれごとを断るなんてしたくなかった。
 「いいよ」
と即答したものの、迷いがあった。息子の担任はオデトなのだ。会ってしまったら我慢できない。会わないでいても思い出してつらいのに。会ってしまったら。無理だ。我慢できるはずがない。
 苦しい気持ちが顔に出ていたのか息子が心配そうに言った。
「先生っていっても、そんなやな奴じゃないんだよ。でも無理なら、母ちゃんに来てもらうけど……。それはあんまり気が進まないんだよな……」
息子も困ったような表情をしている。確かに今は独身の元妻をオデトに会わせたくはない。何しろオデトは、あの美貌だ。女にもモテるに違いない。
「無理じゃない。大丈夫だ」
麓戸が答えると息子はほっとしたような表情になった。

 そして、やはり、会ってしまえば案の定、ただではすまなかった。
 会う前から気もそぞろだった。息子のための面談であるはずが、すっかりオデトと会うことに気がいってしまった。
 もう少しでまたオデトに会える。その日を指折り数えた。
 オデトはどんな顔をするだろう。俺が来たのを見て驚くだろうか。抱きしめてやりたい。キスもしてやりたい。その先だって。それはさすがに無理だろうか?
 少し早めに行こうか。その日は仕事はなしだ。面談の後もオデトは会ってくれるだろうか。食事も予約しておこう。オデトは誘ったら来てくれるだろうか?
 そして食事の後は、たっぷりと可愛がってやりたい。
 そんなことばかり考えて過ごした。

 そしてその結果、思った。

 たとえ息子であろうがオデトを譲るわけにはいかない。
 オデトは俺のものだ。
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