イケメン教師陵辱調教

リリーブルー

文字の大きさ
408 / 475
第二十六章 麓戸と校長の邂逅

イケメン教師、麓戸の車で【挿絵あり】

しおりを挟む

 麓戸の車が停めてある駐車場に着いた。
「送ろう」
と、うながされて小坂は、麓戸の車の助手席に乗った。
 麓戸が車のエンジンをかけ、周囲を確認して愛車を発車させる様子に、小坂は胸が痛いような気がした。昔を思い出した。麓戸と暮らしていた頃。懐かしいというには痛すぎる。でも、麓戸の横顔、美しい横顔をいつまでも見ていたかった。
 麓戸が車のハンドルを握りながら、
「今日、悪照、合宿でいないけど家来るか?」
と、さりげなく聞いてきた。
 ああ……。嬉しい……。でも切ない。息子のオテル君がいない時だけか。そう思うと悲しかった。
「シャワーしない麓戸さんとしたい」
小坂は、嬉しさを隠して駄々をこねるように無理を言った。嬉しさをあらわにしたら、幸せが逃げてしまいそうな気がしたからだ。だから、幸せに逃げられないように、気づかれないように、悲しげな面持ちを作ったままでいた。
「えぇ……」
麓戸は前を向いたまま、渋面を作った。
「僕はちゃんとシャワーしましたよ」
小坂は、身の潔白を証明するように、麓戸の横顔に言った。
「うぅん……」
麓戸は、渋い顔をする。
「神崎先生が舐めまわした身体だと思うと興奮します……」
もし麓戸が、神崎先生に無理矢理されたことを嫌がっているなら、自分がそれを全部舐め取って消してあげる。上書きして快感に変えてあげる。
「変わってんな」
麓戸が苦笑した。苦笑であっても笑みを見せてくれたのは嬉しい。
「ハルトくん可愛かったです」
小坂は言った。
「それやめろって」
麓戸は、本当に嫌そうに言うのだけれど、小坂は、
「僕の前には出てきてくれないんですね」
と執着する。
「出てこねえよ」
麓戸はあきれはてたように言う。
「どんな風にされたんですか? ベッドに入る前に」
興味本位もあるが、嫉妬も少し、何より麓戸が本気で嫌がっているのかが心配だった。
「痴漢みたいに身体を触りまくられたよ。舐めまわしたりディープキスされたり」
やはり、麓戸は、かなり嫌がっているようだが、どうしても、うらやましいという気持ちしか出てこない。
「いいなあ、僕もされたい」
と言ってしまった。
 麓戸は、しょうがないなあ、と思ったのか、こいつに言っても無駄だと思ったのか、ため息をついた。そして、
「オデトは奥さんとしてただろう? すごい気持ちよさそうだったぜ?」
と小坂の方へ、話を転じた。
「えへへ……」
と小坂は照れ笑いした。
 ちょうど麓戸のマンションの駐車場に着いたところだったので、車のエンジンを切って、
「なんだよ、こいつう」
と麓戸は、小坂の脇をくすぐって、ちょっかいを出してきた。
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

皇帝陛下の精子検査

雲丹はち
BL
弱冠25歳にして帝国全土の統一を果たした若き皇帝マクシミリアン。 しかし彼は政務に追われ、いまだ妃すら迎えられていなかった。 このままでは世継ぎが産まれるかどうかも分からない。 焦れた官僚たちに迫られ、マクシミリアンは世にも屈辱的な『検査』を受けさせられることに――!?

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

チョコのように蕩ける露出狂と5歳児

ミクリ21
BL
露出狂と5歳児の話。

機械に吊るされ男は容赦無く弄ばれる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...