イケメン教師陵辱調教

リリーブルー

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第二十七章 小坂の過去

イケメン教師にようやく訪れた穏やかな日々

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 小坂は最近、麓戸と会っていない。
 神崎の奥さんからは、休みの日などに時々呼び出される。ベッドで可愛がられる時もあるが、単なる話し相手のことの方が多い。手料理を振る舞われたり、手作り菓子をいただいたり、なんだかんだで前より健康になった気がする。最初の頃こそ、神崎先生も自宅にいたが……というか隣室から覗いていたが、普通に会話しているだけなのを覗いても面白くないからか、最近では不在にしている。
「あの、僕だけで、大丈夫なんでしょうか?」
と神崎先生に確認してみるが、
「最近は、ワイフの相手を小坂君がしてくれるのでワイフも機嫌がいい。小坂君なら安心だ。感謝しているよ」
ということらしい。
 そんな風に生活が整ってくると、世間的に見れば、おかしな関係を続けているわけだが、精神的にも落ち着いてきた。普通の生活。教師として、たんたんと毎日の仕事をこなして家に帰る。
 最近ではハラスメント研修などもあった。文書を渡され、また各自、パソコンで、空き時間に動画研修を受けるように言われた。
 小坂は、研修を受けて初めて、自分の受けていたことがハラスメントだと気づきぼうぜんとした。パワハラ 、セクハラ……。今まで我慢してきたのは、なんだったのか。耐えることはなかった。もっと早く助けを求めればよかった。自分を責める言葉しか浮かばない。ハラスメントを受けるなんて、お前は間違っていると言われた気がした。お前が我慢しているから、ハラスメントがなくならないんだ!と。ハラスメントだと言えなかった自分を責めた。苦しかった。
 今まで、こういう文書が回ってこなかったのは、誰かが止めていたのだろうか。また今回まわってきたのは、誰かが動いたからなのだろうか。
 そう言えば、宮本桜児の父は県庁勤めだ。宮本が動いて、県の教育庁に働きかけたのかもしれない。
 宮本は生徒会長になっていた。自分が高校生の時に、したかったけれどできずに挫折した改革。それを、生徒の宮本が成し遂げてくれた。知らないうちに。
 こんなにダメな教師だったのに。反面教師くらいには、なれていたのだろうか。
 大人の自分たちは相変わらずだ。なかなか変われない。でも次代を生きる生徒たちが、健全な方向に進んでくれたのが嬉しかった。
 穏やかな日々が続く。業務は多いけれど、余計な心配がない。今までがおかしかったのだ。今では、生徒たちはみな、普通の健全な活動に励んでいる。自分は普通の教師の仕事をしていればいい。大変ではあるが、地獄のような日々に比べたら、天国のように安らかだ。
 小坂の日々は、このまま淡々と進むかに思えた。
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