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第二十七章 小坂の過去
神崎に知られた、イケメン教師の高校生時代(家で)
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小坂の懇願もむなしく、校長は語り始めた。
「君は、お屋敷の庭の木に半裸の浴衣姿で縛りつけられていた」
神崎の朗々とした声の語りに、小坂は小声で抵抗した。
「言わないでください」
無駄だとわかっても、言わずにはおれなかった。小坂にとって、もっとも語られたくない過去だった。
「私は助けようと駆け寄った。だが君は『縄を解かないで』と言った。君の露わにされた局所は勃起し、先から蜜が垂れていた。充血した唇、乳首。乳首は赤くツンと尖っていた。卑猥だった。君は興奮していたのだ」
「違うんです。それは紅なんです。唇と乳首に紅を塗られていたんです」
誤解されたくない。その思いで、小坂は神崎に追いすがるように反論した。
「君はそれが言い訳になると思っているのか。ますます卑猥じゃないか。君は卑猥な化粧をほどこされていた。君は乳首に紅筆で紅を塗られるとき、すでに勃起していたのだろう」
「それは……だって紅はひんやりして湿っていて、貂の毛は柔らかくすべすべだったから……それでも僕は、ぐっと我慢していたんです。だって、お◯ん◯んを筆で撫でられる時よりマシですから」
小坂の唇が震えた。
「お◯ん◯んも化粧されたのか」
驚いたように、神崎が尋ねた。小坂は真面目に答える。
「はい。もちろんです。お◯ん◯んは、一番大事なところだから、一番念入りに化粧しなければいけないって」
小坂は筆で身体中を撫でられて化粧をされていた。
「君はその後、後孔をさしだしていた。木の幹に手をついて、突き出した尻に男のモノが突き立てられるのを今か今かと待ち望むように欲望していた。あのいやらしい光景と言ったらなかった……」
「やめてください」
小坂は木の幹のざらついた手触りを思い出した。
「君はよだれを垂らして喘いでいた。赤い舌を出して、長い前髪が乱れ汗で額にはりついていた。背中には鞭の跡があった。臀部も赤く腫れていた。私はその君の姿を見て、罪悪感にかられて逃げ帰った」
「もうやめてください」
「私はあきらめなかった。君を救うために君の家に何度も通った。だが毎回うちのめされた」
小坂は耳をふさいだ。
「君の私生活は驚くべきものだったからね。君は何人かの級友を屋敷に連れこんでは、恥ずかしい性行為におよんでいた」
「連れこんだわけじゃありませんっ」
皆が押しかけてきたのだ。
「そうかな。君は木に縛りつけられたり鞭打たれたりするお仕置きを喜んで受けているように見えたがな」
「確かにそれは、級友とセックスをしていたのが見つかって……」
でも、喜んで受けていたわけではない。当たり前じゃないか。あんなにつらいお仕置きを。なんだって、そんな風に誤解するんだ。信じられない。
「そうやって、君はわざと悪いことをしてはお仕置きを受けていたんだろう?」
どういう誤解だ。そんなわけないじゃないか。
「違います! 先生に、僕の何がわかるんですか!」
もう、何度いっても、何を言っても、わかってもらえないという無力感で、絶望しそうになる。
「いや、わかっているよ。君はあのお屋敷で、君が『小父さん』と呼んでいた男に日常的に抱かれていた。あの男はいったい何者なんだ?」
わかっているだなんて。何もわかっていないくせに。そんな、中途半端な情けをかけるのは、やめてくれ。
「やめてください。思い出したくないんです」
思い出すだけでつらいから、脳が思い出さないようになっているのに。記憶が無理やり引きずりだされて、パニックになりかけていた。
「君と性行為をした生徒に聞いてみたが、皆口を閉ざしていた。どうも、君の母親とセックスしていた者もいたようだね。とすると、あの男は君の父親なのか?」
「話したくないって言ってるじゃないですか。あの男もあの女も僕の本当の両親じゃありません」
嫌だと言っているのに、無理やり聞き出そうとする神崎に腹が立った。
「それで、彼らとセックス三昧というわけか」
神崎の、わかったような口調に腹が立って仕方がない。
「僕がしたくてしてたわけじゃないです」
「君の家に遊びに行った生徒たちは、皆、口を揃えて、君の淫乱っぷりに驚いていたがね」
「……」
「私も見たからね。君が妖艶な年増の女性に跨がられているのを。騎乗位でやらせるなんて……」
「僕のせいじゃないんです」
「君が上になって腰を振っているのも見たからなんとも言えないな。女性の胸を鷲づかみにしている君を見て、君にも一応男の一面があったのかと感服したよ」
「僕はれっきとした男です」
何を言っているんだ。馬鹿にして。
「自分の母親がわりの女性と日常的に性交していた君のことだ。生徒の保護者とついセックスしてしまうのにも合点がいくね」
「……」
「母親と性行為をすることに慣れてしまっている君にしたら、既婚の教師の私と学校で性行為することなど禁忌でもなんでもないのだろうね。むしろ刺激が少なくて物足りないくらいなのだろう」
「あの人は、男を家に連れこんで爛れたセックスに耽っていた……。それに僕を巻きこんだんです……。もうこんなくだらない話やめましょう」
小坂は、一秒でも早く話をやめたかった。なのに神崎は話を引っ張ろうとする。
「大事なことじゃないか」
「……僕の本当の母は僕が産まれてすぐに亡くなったんです」
「あの女性は?」
「あの女性は父の妻です」
「結局、あの女性は義理であれ君の母親にあたるんじゃないか。あの小父さんが、君の父親か?」
「小父さんは、あの女の愛人です。父は失踪しました」
「君は、お屋敷の庭の木に半裸の浴衣姿で縛りつけられていた」
神崎の朗々とした声の語りに、小坂は小声で抵抗した。
「言わないでください」
無駄だとわかっても、言わずにはおれなかった。小坂にとって、もっとも語られたくない過去だった。
「私は助けようと駆け寄った。だが君は『縄を解かないで』と言った。君の露わにされた局所は勃起し、先から蜜が垂れていた。充血した唇、乳首。乳首は赤くツンと尖っていた。卑猥だった。君は興奮していたのだ」
「違うんです。それは紅なんです。唇と乳首に紅を塗られていたんです」
誤解されたくない。その思いで、小坂は神崎に追いすがるように反論した。
「君はそれが言い訳になると思っているのか。ますます卑猥じゃないか。君は卑猥な化粧をほどこされていた。君は乳首に紅筆で紅を塗られるとき、すでに勃起していたのだろう」
「それは……だって紅はひんやりして湿っていて、貂の毛は柔らかくすべすべだったから……それでも僕は、ぐっと我慢していたんです。だって、お◯ん◯んを筆で撫でられる時よりマシですから」
小坂の唇が震えた。
「お◯ん◯んも化粧されたのか」
驚いたように、神崎が尋ねた。小坂は真面目に答える。
「はい。もちろんです。お◯ん◯んは、一番大事なところだから、一番念入りに化粧しなければいけないって」
小坂は筆で身体中を撫でられて化粧をされていた。
「君はその後、後孔をさしだしていた。木の幹に手をついて、突き出した尻に男のモノが突き立てられるのを今か今かと待ち望むように欲望していた。あのいやらしい光景と言ったらなかった……」
「やめてください」
小坂は木の幹のざらついた手触りを思い出した。
「君はよだれを垂らして喘いでいた。赤い舌を出して、長い前髪が乱れ汗で額にはりついていた。背中には鞭の跡があった。臀部も赤く腫れていた。私はその君の姿を見て、罪悪感にかられて逃げ帰った」
「もうやめてください」
「私はあきらめなかった。君を救うために君の家に何度も通った。だが毎回うちのめされた」
小坂は耳をふさいだ。
「君の私生活は驚くべきものだったからね。君は何人かの級友を屋敷に連れこんでは、恥ずかしい性行為におよんでいた」
「連れこんだわけじゃありませんっ」
皆が押しかけてきたのだ。
「そうかな。君は木に縛りつけられたり鞭打たれたりするお仕置きを喜んで受けているように見えたがな」
「確かにそれは、級友とセックスをしていたのが見つかって……」
でも、喜んで受けていたわけではない。当たり前じゃないか。あんなにつらいお仕置きを。なんだって、そんな風に誤解するんだ。信じられない。
「そうやって、君はわざと悪いことをしてはお仕置きを受けていたんだろう?」
どういう誤解だ。そんなわけないじゃないか。
「違います! 先生に、僕の何がわかるんですか!」
もう、何度いっても、何を言っても、わかってもらえないという無力感で、絶望しそうになる。
「いや、わかっているよ。君はあのお屋敷で、君が『小父さん』と呼んでいた男に日常的に抱かれていた。あの男はいったい何者なんだ?」
わかっているだなんて。何もわかっていないくせに。そんな、中途半端な情けをかけるのは、やめてくれ。
「やめてください。思い出したくないんです」
思い出すだけでつらいから、脳が思い出さないようになっているのに。記憶が無理やり引きずりだされて、パニックになりかけていた。
「君と性行為をした生徒に聞いてみたが、皆口を閉ざしていた。どうも、君の母親とセックスしていた者もいたようだね。とすると、あの男は君の父親なのか?」
「話したくないって言ってるじゃないですか。あの男もあの女も僕の本当の両親じゃありません」
嫌だと言っているのに、無理やり聞き出そうとする神崎に腹が立った。
「それで、彼らとセックス三昧というわけか」
神崎の、わかったような口調に腹が立って仕方がない。
「僕がしたくてしてたわけじゃないです」
「君の家に遊びに行った生徒たちは、皆、口を揃えて、君の淫乱っぷりに驚いていたがね」
「……」
「私も見たからね。君が妖艶な年増の女性に跨がられているのを。騎乗位でやらせるなんて……」
「僕のせいじゃないんです」
「君が上になって腰を振っているのも見たからなんとも言えないな。女性の胸を鷲づかみにしている君を見て、君にも一応男の一面があったのかと感服したよ」
「僕はれっきとした男です」
何を言っているんだ。馬鹿にして。
「自分の母親がわりの女性と日常的に性交していた君のことだ。生徒の保護者とついセックスしてしまうのにも合点がいくね」
「……」
「母親と性行為をすることに慣れてしまっている君にしたら、既婚の教師の私と学校で性行為することなど禁忌でもなんでもないのだろうね。むしろ刺激が少なくて物足りないくらいなのだろう」
「あの人は、男を家に連れこんで爛れたセックスに耽っていた……。それに僕を巻きこんだんです……。もうこんなくだらない話やめましょう」
小坂は、一秒でも早く話をやめたかった。なのに神崎は話を引っ張ろうとする。
「大事なことじゃないか」
「……僕の本当の母は僕が産まれてすぐに亡くなったんです」
「あの女性は?」
「あの女性は父の妻です」
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