瞳の奥に潜む野獣

果汁さん

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第二章

黒の太陽 麒麟の視覚

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 黒太陽を飲み込む。その行為は必然とし起こり得る物ではなかった。人は誰もが言葉を発して会話をする。だから油断が生まれる。
 『適任者』通称『憑依』は2種類の選択がある。黒太陽は憎悪と負のエネルギー。
 それに対する『白の太陽』は幸運、正のエネルギー。
 『白の太陽』は女神の器の成れ果ての姿と言われている。
 『黒の太陽』はその逆。野獣の力だ。
 
 本気を見せよう。
 鼻から耳、髪から顔。上半身から下半身へと毛深くなり腕力、筋力が一気に倍増し体長3mまで達した。
 憎む様な赤い閃光の眼差し。厳つい牙。人を串刺しにするぐらいの長爪。眼を光らせたごっつい顔。獲物を狙い腹を空かせた体長3mから垂れる太いよだれ。
 
 ゴブリンがカグラの攻撃により減少しつつある。同時に後方が騒がしくなっていた。
 スペル騎士団が到着した。俺は直ぐスペル騎士団の一員である姿に戻った。
「ようやく来たか」
 スペル騎士団が戦地へ着いた後、俺は受付嬢を憎んだ。彼女は企んでいる。野獣の直感はよく当たる。野生の勘という奴だ。
「スペル騎士団長、あれが『百合根 本滝』心臓部のボス部屋であります。まだ雑魚共が残っていますが・・・」
「構わぬ、野獣は敵。魔物も含めて相手をしてやれ。世話が焼ける連中だ」
 スペル マキノ騎士団長。幼くして才能は開花し少年の時から活躍抜擢している。
「はっ!」

 俺の正体は《白蘭の庭》で明かしている。
 奴等バモスが居る所まで上空を舞、彼女の視覚まで追いついた。それまで見物といこう。
 地上のゴブリンはスペル騎士団と黒髪の少年、女神の器であるカグラが協力している。
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