弱くてすみません~偽認定された夫婦の冒険記~

にしのみつてる

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第1章

新人歓迎会~はじめてのお酒とはじめての狩り~

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 奴隷商館でヒカルとミチルを助けて……本当はマリオがお金で買ったが、ヒカルとミチルの冒険者登録が無事に終わった。

「ヒカルさん、ミチルさん、冒険者カードに登録が終わりました」
「ミナさん、ありがとうございます」

 ◇ ◇ ◇ ◇

【名前】ヒカル・ネモト
【種族】人族
【年齢】17
【称号】剣士見習い
【スキル】
 具現化、収納  
【LV】5
【MP】5000

【名前】ミチル・ヨシカワ
【種族】人族
【年齢】17
【称号】修道女見習い
【スキル】
 製薬、鑑定 
【LV】5
【MP】5000

 ◇ ◇ ◇ ◇

「マリオ、リカコ、見てごらん、この子達は伸びしろがあるよ」
「カレンさん、何で分かるのですか?」

「初期レベルに対してのMPの数字を見ているのさ」
「この子たちは初心者の10倍の魔力量なのよ」

「凄いですね」

「それにミチルは製薬と鑑定スキルを持っているわ、聖女になれなくても薬師は確実よ」
「ヒカルは具現化と収納なので、剣士として成功しなくても錬金術師に化ける可能性が有るのよ」

「へぇ~、鑑定でそんな事までわかるのですか?」
「そうよ」

「ヒカル、ミチル、あなた達、冒険者講習を始めるから別館に急ぎなさい」
「ミナ、初心者テキストは棚に置いてあるから講師をやってあげて」

「は~い」

「では、ヒカルさん、ミチルさん、冒険者初心者講習を今から始めます」
「「ミナ先生お願いします」」

 初心者講習は、冒険者たちが帰ってくる夕方の鐘までの間、鐘が鳴るまでの時間を利用して別館でミナが講師役を努めた。

 夕方の鐘が鳴って、冒険者たちが帰ってきた。

「それと、ヒカルとミチルも素質があるから明日からは簡単な薬草採取のクエストね」
「そうだな」

「ミナも講師役をご苦労さま」

「マリオ、リカコ、今夜はここで食べていけ」
「バルドさん、ありがとうございます」

「マリオ、リカコ、今夜は宴だな」

「おお!!、宴って歓迎会ですよね」
「リカコ、美味しそうだね」

「マリオさん、リカコさん、宴って俺たちも飲めるのですか?」
「ここでは15歳で成人だから問題が無いはずだよ」

「野郎ども宴だ~、新人のヒカルとミチルよ~」


「ヒカルとミチルは果実水、俺とリカコはスパークリングワインで」
「ヒカル、無理しないでいいよ」
 果実水とは果実を漬けた甘い水のことで、お酒を飲まない人のために何処の酒場でも用意されていた。

「マリオさん、お酒は飲まないのですか?」
「今夜は程々にしておきます」

「カレンさん、今夜の酒代です。皆さんで使ってください」
「マリオ、気を遣わせちゃって悪いわね」
  マリオはカレンに金貨3枚を手渡した。


「今夜もガンガン飲むわよ~」
「ウオ~!!!!、ミナちゃ~ん、最高です!!」

 冒険者たちは、一斉にテーブルに陣取って今夜も楽しい宴が始まった。

「ヒカルです、よろしくお願いします」
「ミチルです、よろしくお願いします」

「ウォ~!!!、ルーキー頑張れよ」

「マリオさん、リカコさん、冒険者の酒場って凄い雰囲気ですね」

 宴の熱気がひと段落した頃、バルドがグラスを掲げて言った。
「ヒカル、ミチル。明日は初めての冒険だな。薬草採取とはいえ、油断するなよ」
「「はい!」」二人は声を揃えて答えた。

「新人が初任務に出る前夜は、早めに休むのがギルドの流儀だ」
 カレンがそう言うと、周囲の冒険者たちも頷いた。

「そうだな、明日からはお前たちも“仲間”だ。無理せず、でも誇りを持って行ってこい」
「ありがとうございます、皆さん」
 ミナが手を振りながら言った。「じゃあ、ヒカルさん、ミチルさん、今日は早めに帰ってね」

「マリオさん、リカコさん、帰りましょうか」 
「そうだね、明日に備えて休もう」

 四人はギルドを後にし、夜風に吹かれながら借家へと向かった。空には星が瞬き、ナニサカの街灯が静かに彼らの足元を照らしていた。

 ◇ ◇ ◇ ◇

 マリオとリカコ、ヒカルとミチルの4人はカレンさんから借りたログハウスで朝を迎えた。

 マリオは女性陣の強い要望でシャワー付きトイレを男女別に2階と1階に増設した。
 この世界でのトイレはいわゆる汲み取り式なので、マリオは元の世界の知識を頼りにシャワー付き水洗トイレを具現化したのだった。風呂も同じように元の世界の記憶からユニットバスを作ったので、1階と2階のトイレ横に設置できたのだった。

 リカコとミチルはそれぞれ別々で風呂に入り、後からマリオとヒカルが朝風呂を楽しんだ。

「リカコさん、朝からお風呂なんて最高ですね」
「昨夜はマリオさんが酔っ払って寝たから罪滅ぼしよ」

「ところで、あなたたち、仲は進展したの?」
「その辺は、リカコさんの想像力にお任せします」

「この世界では、15歳で成人だから、そういうことも自然よ」
「そうなんですか?」

 リカコとミチルはスクランブルエッグを薄くスライスした田舎パンに挟み込み、簡易的なサンドイッチを作っていた。

「朝ごはんよ~」
「「は~い」」
「「「「いただきま~す」」」」

「マリオさん、今日の僕たちの予定はどうするのですか?」
「ウリエル、ヒカルとミチルのレベルアップ方法を考えてくれ」


「はい、まずはお二人にこの魔導ペンダントをかけてもらいます」
「しばらくすると、魔法袋が開きますのでじっとしていてください」
空中にウリエルがいつの間にか作った魔導ペンダントが浮かんでいた。この魔導ペンダントはマリオとリカコが買ったものより高性能に出来ていて、最大で魔力を10000まで上げることが出来るスグレモノだった。


「ヒカルさん、お腹がぽかぽかしてきたよ」
「ミチル、僕もぽかぽかしてきました」

 お二人ともいい感じです。それでは、マリオさんとリカコさんの瞑想の見本を見せてもらいましょう」

「マリオさん、リカコさん、瞑想をお願いします」

「リカコ、つなぐね」
「ええ」
 マリオとリカコが手をつないで椅子の上で瞑想を始めると二人の体が虹色に輝いていた。

「リカコさん、すごく神秘的でした」

「ヒカル、私たちも瞑想の練習よ」
「うん、お願い」

「あれ~、うまく魔力が流れ無い」
「ヒカル、焦らずにミチルさんの事を頭の中で思い浮かべてごらん」

「はい」
 その時、二人の体が薄く光だし、魔力の循環が始まった。

「やった~、ミチル、できたね」
「ヒカル、終わるのが早すぎよ。最低でも10分は集中しましょう」

 瞑想が終わったので、ウリエルの案内でマリオとリカコが薬草採取したオポタ川の堤防に歩いてきた。
 転移門を使えば直ぐだったが、まずは歩きで体力をつけるのも冒険のうちだった。

「マリオさん、家から随分距離がありましたね」
「30分の歩きは普通だよ」

 ミチル、疲れてない?
 ヒカルさん、疲れたのね」
「うん、かなり疲れた」

 ヒカルは土手で座り込んでしまった。
 マリオは「気合だよ」と声を掛けたが、ヒカルはぐったりしたままだった。

「リカコ、ヒカルに回復魔法をお願い」
「ヒール」 ヒカルの体がふわりと光り、目を開けた。
「はっ、ここは……どこ?」
「ヒカルさん、大丈夫? はい、冷たいお水」
  ヒカルはゴクゴクと飲み干し、「プハ~、生き返った」と笑った。

 転生してもヒカルの体力はそのままだった。

「ウリエル、ヒカルの基礎体力を上げる方法は無いのか?」
「はい、ヒカルさんが『体力強化』魔法を習得することです」 
「呪文は『ブースト』です」


「ブースト」
  ヒカルの体がふわりと光り、足取りが軽くなった。
「あっ、軽くなった!」
  ミチルが笑って言った。「ヒカルさん、これで薬草採取もバッチリですね」 

 ミチルの鑑定魔法のおかげで、常設依頼のマグワート採取は100束が揃い、ヒカルはそれを収納スキルでしまった。

「ミチル、お昼まだなの?」
「リカコさん、時計ってどうしてるんですか?」

「あなたたち、ギルドで鐘の説明は聞いたでしょ」
「はい、聞きました。大まかな時間しかないんですよね」

「えっ、マリオさんたちは不便じゃないんですか?」
「ヒカル、レベルが上がれば神様からタブレットがもらえるよ。時計も付いてるからね」
「やった~!レベル25で全開放だ~!」

「初日だから仕方ないよね」ヒカルはそう言って笑った。
 四人は急いで冒険者ギルドに帰り、マグワート100束の納品を終え、報酬の銀貨1枚を受け取った。


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 この作品では……イポニア国では15歳で成人として扱われるので飲酒は問題ないそうです。

(話終わり)
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