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4章 生意気な中学生
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両手で頬をバシバシと叩いた。そしてこのときめきを無かったことにしようと決めた。さっさと風呂に入って早く寝てしまおう。そして明日、未来へ帰るのだ。
そそくさと廊下の突き当たりまで歩き、脱衣所の前に立ってドアノブに手をかけた。するとリビングのドアが開いて蓮也が声を発した。
「あのさ……」
ビクッと肩が震える。緊張で振り返れない。
「な、何?」
「あ、いや、その」
互いにギクシャクとして気まずい。いてもたってもいられず、十羽は勢いよく脱衣所のドアを開けた。
「お、お風呂、入ってくる!」
そう言って足を踏み出した、瞬間──。
脱衣所から強烈に眩しい光と、強風が吹き出した。
あっ! と怯んだが、十羽の体は真っ白な光りの中へ落ちてしまった。
タイムスリップだ。白い空間をどんどん落下していく。
頭上から蓮也の声がした。
「嘘だろ!? 今帰るのか!? 十羽さーん!」
「蓮也君!」
一度落ちたら落下するのみ。振り返ることはできない。
そそくさと廊下の突き当たりまで歩き、脱衣所の前に立ってドアノブに手をかけた。するとリビングのドアが開いて蓮也が声を発した。
「あのさ……」
ビクッと肩が震える。緊張で振り返れない。
「な、何?」
「あ、いや、その」
互いにギクシャクとして気まずい。いてもたってもいられず、十羽は勢いよく脱衣所のドアを開けた。
「お、お風呂、入ってくる!」
そう言って足を踏み出した、瞬間──。
脱衣所から強烈に眩しい光と、強風が吹き出した。
あっ! と怯んだが、十羽の体は真っ白な光りの中へ落ちてしまった。
タイムスリップだ。白い空間をどんどん落下していく。
頭上から蓮也の声がした。
「嘘だろ!? 今帰るのか!? 十羽さーん!」
「蓮也君!」
一度落ちたら落下するのみ。振り返ることはできない。
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