ウソツキ彼女とニセモノ彼氏

武井戸 えあ

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彼女&彼Side

彼Side16 保健室

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試合終了を知らせる笛と同時に俺は駆け出した。

「やったー!!小林ぃ~!…ってあれ!?」
後ろで山林の声が聞こえた。

「ちょっとどいて」

佐藤が倒れていて、異変に気づいて周りが集まってきつつある生徒達の中をかき分けた。

見ると青白い顔で倒れている佐藤を抱き止めるように座っている友海がいた。

その横にいた町田が俺に気づく。
「小林くん?」
何で?とその顔がビックリしていたが、なりふり構っていられなかった。

友海も顔を上げた。
「敦史…」
友海が今では呼ばない下の名前でうっかり呼んだ。
別れてからはずっと小林くん、だったのにそれを忘れるくらいテンパっている。

俺は片膝をついた。
ボールが当たって倒れたんじゃない。
その前に崩れ落ちた。

「朝、貧血かもって保健室行ってたの。ずっと具合悪くて教室でも休んでて…でも決勝戦だから観るって…」

「頭打った?」二人を見る。

「打ってない」
「わ、私もいきなり寄りかかってきたからびっくりして…」

佐藤の息が浅い。

目眩?立ちくらみ?貧血か?
下まぶたをめくると白い。
母親が貧血でずっと前に薬を飲んでたので、症状見れば何となく分かった。

「保健室まで運ぶ。誘導して」
ハチマキが邪魔で結んだままずらして下ろして首にかけた。

俺は佐藤の身体の下に腕を入れて抱え上げた。

いわゆるお姫様抱っこだけど、思ったより軽くて簡単に持ち上がり驚いた。

えっ。軽い。
こんなに軽かったか?

もともと細身だったけど、ここまで軽くは無かった気がする。

こうやって抱えた事はないけど、エッチする時俺の上に乗ってたりしたから何となく体重は分かる。
この一か月くらいで2.3キロ以上は痩せてる。

「小林ー!お前今から表彰式だぞ!」
向こうのコートで村山たちの叫ぶ声が聞こえた。

そんなのどうでもいい。
誰か出といて、と大きな声で答えた。

周りがざわざわと「どうしたの?」「ボールぶつかって倒れたみたいよ」と話している。

「ごめんなさい、通して」
友海が先に行って道を開けさせてくれた。

その後をグッタリとした佐藤を抱えて運びながら、その目に滲んだ涙が一滴、下に垂れて行くのを見下ろした。

きつかったんだろう。
ここまで体調が良くないとは思わなかった。

いや体調が悪そうなのは何となく分かっていた。

佐藤姉から聞いていても、佐藤を視界に入れず関わらないようにしていた。

佐藤が辛い思いしてるだろうなと思っても見てみないフリをしていた。

ごめん、佐藤。

俺は佐藤を抱えながら保健室に続く渡り廊下を急いだ。



「———佐藤さん、朝一回来たのよね。貧血って分かってるみたいだけど、薬は保健室では出せないから、結局教室に戻って休むって言って帰っちゃったんだけど」

養護の先生がそう言いながら、用紙に記入した。
町田は実行委員の仕事が残っているから戻り、友海はというと、佐藤の着替えや荷物を取りに行くと言って教室に戻った。

「で、小林くんは?」
ペンを止めて俺を見る。

「はい?」
「キミ、結構ボロボロだけど」

鼻と、擦りむいた肘や打った膝を指さす。
そういや体操服にも血がついている。
鼻血の痕。

「あ、全然大した事ないからいいっす」
「そ。拭いといたら」
ウェットティッシュを渡してくれた。

「今から担任の先生に話して佐藤さんのお家の人に迎えに来てもらえるか連絡してくるわ。あ、あと湿布。ハイ」
腫れている膝用にくれる。

先生は開いたドアからそのまま出て行った。


佐藤はベットで休んでいる。

俺はベッドの横の丸イスに座り、湿布を貼って、鼻の詰め物を取った。

もう血は止まっている。

顔を拭いて、首から下げていたハチマキを取ろうと結び目を解こうとしたが、取れない。

そのまま頭から抜いて、キツく結んだ結び目に手をかけた。

その時、ふと裏にNSのイニシャルが入ってる事に気づいた。

「…?」
NS?
俺のじゃない。

間違えた?
いつ入れ替わったんだろう。

いや、朝からずっと外してない。

バレーが終わってさっき初めて外して首から下げた。

俺ならAKだ。
そこまで考えてから、まさかと思った。
NS…。

恐る恐る佐藤の首の周りにかかっているハチマキをめくった。
AK。

じゃあこれは佐藤の?
手元にあるハチマキを見つめた。
いつから?

朝渡す時に間違えた?
それともわざとか。
何で?

「…」
俺は朝の事を思い出した。

『——ハイ、これ小林の』
俺は受け取って確認せずそのまま巻いた。
あの時佐藤はまだハチマキをしていなかった。

間違っていれば、その後自分がつける時に気づいて言ってきそうなものだ。

何で?
また分からない難題が頭をぐるぐる回る。

俺の頭は?マークだらけ。

『俺と付き合って。今日から俺がホンモノの彼氏になる』
あの告白から返事はない。

カップルでハチマキを交換。別れないジンクス。

ただでさえ理解出来ない慣習に加えて、さらに理解出来ない佐藤の行動。

普段学校ではツンケンしている佐藤は何を考えてるのかいつも分からない。

何でそんな事すんの?

それなら俺に直接言ってきたらいいじゃん。
佐藤が俺の告白をOKしてくれるなら喜んで付き合うよ。

交換条件で執行力はないのに、強制的に付き合わせようとした告白だったけど。

「…」
目の前の佐藤を見つめていると、瞼がピクと動いてうっすら目を開けた。

ゆっくりと目を動かして、ようやく焦点があってきたのか、ベッドの横にいる俺に気づいた。

「…」

何で、と言いかけたのが分かったので、
俺は「保健室。体育館で倒れた」と先に言った。

すぐ理解したのか、黙った。
でも起き上がる気力はないんだろう。

今までずっと目を逸らし続けて来たので、久しぶりに長時間視線が合う。

思考が回るようになっていろいろ考えられるようになる前に先に聞いてしまおうと思った。

「これ…ハチマキ、何で俺の持ってんの?」

「…」口が動きかける。
声がすぐには出ないようだったので、待つ。

…俺の事好きだからって言って。

「…間違えた」
見上げるように瞳が上に動く。
佐藤は少し掠れた声で言った。

「…」
だめだ。
もう意識は戻ってる。
焦点が完全に合ってる。
遅かったか。


佐藤は大体が嘘つきだ。
普段はズバズバ言う癖に肝心な時には本当の事をいわない。

ねーちゃんの彼氏と寝て、隠したまま居られるような強者だ。

気持ちを隠したまま、好きでもないヤツとエッチもできるような猛者だ。

それだけ聞いたら、ハッキリ言ってどうしようもない悪女だと思う。

どの言葉が本当でどれが嘘なのか俺には分からない。

だけどこんなに惹かれるのはなんでなんだ。

何で佐藤の全部を嫌いになれないんだ。

「…勝った?」
「勝ったよ。バレー優勝」
自然とそのおでこを撫でた。

撫でられ一瞬目を瞑る。
本当に猫みたいだ。

「…やったね」

何であんなに頑張ったか佐藤は知らないだろ?

「打ち上げ代、ゲットだね」

そっちか。
俺、別にクラスのために戦ったんじゃないんだけどな。

「そうだな、いくらかな」

そういや金額は聞いてない。
実行委員は知ってるんだろう。
まぁ少なかったら柴村に補填してもらおう。

「…まぁ私は出られないかな」
ポツリと呟く。

多分このまま早退するだろう。

「…ちゃんと食べてる?」
俺はそのままよしよしするようにそのおでこを撫でながら、出来るだけ優しい声で聞いた。

フルフル、と首を振る。
「…お姉ちゃんのつわりがひどくて…なんか見てたら私まで食べられなくなっちゃって…」

仲のいい夫婦などはうつる話を聞いたことがある。

姉妹でもあるもんなんだろうか。

多分、気分的なもんなんだろうけど。

「お姉ちゃんは外に出たら気が紛れるらしいから、よく外出してるんだけど」

佐藤姉が買い物に出ていた事を思い出す。

あの時は元気そうだなと思ったけど、そう言う事だったのかと思う。

「一緒に家にいるときはちょっとしんどい…」

「そっか」

しんどいのはつわりがうつったみたいで体調悪くてしんどいのか、好きな人の子供を身篭っている姉を見るのがしんどいのか。

聞けばいいのに聞けない。
佐藤はきっと本当の事は言わない。

俺は撫でる手を止めた。
「もしそれが本当のつわりだったら、父親は俺だな」

俺の台詞に佐藤は笑った。

「んな訳ないじゃない」

「でも俺しかいないだろ?」

佐藤は笑う。
無理している。

「…もし本当だったら責任とるから」

100%ではないが、そんな訳はない。
きちんと避妊している。

「バカじゃないの」
佐藤が生理来たし、と続けた。

来なきゃいいのに。
そしたら既成事実でずっと一緒にいれるのに。

全然、生活力ないけど。

そうなったら、学校辞めて、今のガソリンスタンドで社員にしてもらおう。

年収500万以上を目指してたけど、家族のために一生懸命働くのもいい。
佐藤家みたいな家庭を作るんだ。

温かい家庭に縁がない自分には本気でそう思えた。

…本当にバカだけど、そう思った。

「この前、お姉ちゃんと会ったんだってね」

「…あぁ」

「荷物持って、買い物付き合ってくれたって。…のんちゃん、いい彼氏持ったねった言われた」

佐藤がゆっくりと上半身を起こした。

マグカップの事は言ってないだろうな。

ヒヤッとしたが、多分ああやって俺に教えてくれると言う事はバラしてないだろう。

姉バカだし…妹思いだし。

「最後までちゃんと彼氏のフリしてくれてありがとう」
佐藤がゆっくりと頭を下げた。
「でももういいから」

「…もういいって何?」

「…ごめんね、無茶なお願いして。小林モテるし、多分今日のバレーできっとまた人気でるよ。友海も惜しい事したなって思ったと思うよ」

「…」
だから何でそこで友海が出てくんの?

俺、そんなに女々しいように見える?

和幸もいいヤツだし、身を引いたからには幸せにはなってもらいたいと思ってる。

「…お前、オレをバカにしてんの?」
違う、こんな事言いたいんじゃない。

好きじゃなきゃ、こんなに身体中痛いのに保健室まで運ぶかよ。

ニセモノの彼氏役なんてめんどい事引き受けるかよ。

わざわざ駅まで迎え行ったり、髪乾かしたり、腕痺れるのに一晩中抱きしめて眠るかよ。

エッチだけならもっとめんどくない子選ぶわ。

「俺が好きなのは———」
そこまで言いかけた時ガラっとドアが開く音が聞こえた。

「佐藤さーん?起きたー?」
養護の先生が戻って来た。

「親御さんが迎えに来てくれるって。さっき中山さんに会ったから、制服預かってきたわよ。カバンは中身持って帰るのが分からなかったから持ってこなかったって。歩けるなら着替えたら後で教室に取りに行って来なさい」

ハイ、と着替えが入ってる袋をベッドの足元に置く。

「小林くんももう教室戻っていいわよ。ありがとうね」

「…」
促されて、そのまま黙って椅子から立ち上がった。
俯いたまま、失礼しますと言って保健室を出る。

…何でいつもこうなるんだ。

言えばいい。
聞けばいい。

分かりやすい子ならこんなに振り回されないし、苦労はしない。

きっと楽だ。そういう子の方が。

だけど俺は佐藤が好きで、佐藤はあのおっさんが好きで、でも叶わなくて苦しんでいる。

堂々巡りだ。出口が見えない。
答えは一つしかない。
「諦める」だ。
その答えを選ばないなら、全てを捨てないといけない。

そんな覚悟もなく、ただ苦しんでいるだけだ。

そんな姿を見るのが辛いなら、俺はどうしたらいい?



俺は一人、教室に続く廊下を歩いた。

隣の2組の前を通った時すでにHRが始まっているようだった。 

ガラッと1組の教室のドアを開ける。

まだ柴村は来ていなかったので、ホッとしたのも束の間、しゃべっていたクラスメイトが一斉にこちらを振り返り、しん…となった。

「…」

なんだ?
ものすごい違和感。

あの時のあれだ。
前の学校で、停学を食らった後の初登校がこんな感じだった。

みんなが注目しているけど、みんなが距離を置いているのを感じる。

俺は無言でそのまま席につこうと歩いた。

その時、近くに居た堤が「———なぁ、小林、佐藤を妊娠させたってホント?」と聞いて来た。

「…は?」
椅子に座りかけていた俺は堤を見た。

「…偶然聞いちゃって…さっき」

後方の席にいた山林が気まずそうに立ち上がって、こちらに近づいてくる。

振り返るとバレー組の数人が固まっていた。和幸が心配そうに見ていて、村山を止めようと肩に手をかけた。

だけど、村山はそれを無視して振り払った。
「表彰式終わったから、教えに行こうと思って保健室行ったら話してるの聞こえて」

残りの5人のメンバーで表彰式に参加したのだろう。

和幸は何も言わないが、俺をじっと心配そうに見ていた。

「…」
一瞬何を言われているのか分からなかった。

保健室の先生が出て行った時、ドアは開いていた。
でも戻ってきた時は開けて入ってきたから閉まっていた。
俺のところからは見えなかったけど。

あの時、いた?

『もしそれが本当のつわりだったら、父親は俺だな』
『でも俺しかいないだろ?』
『…もし本当だったら責任とるから』

いつから聞かれていた?
いや、実際にはできてないし、『たられば』の話だ。

だけど俺のあのセリフはそう勘違いさせるような内容だった。

「い、いやまさか。んなわけないって。コイツら仲悪いもん!村山、だからなんかの冗談だって言ったじゃん」
山林がカラ元気で明るく言って指差した。

「そーいやさー、最近希望元気なかったんだよねー」
荒木が机に腰掛けて、髪をいじりながら言った。
「食欲なさげだったしさー?今日もバレー出られなくて補欠と変わってたでしょ。結構前から体調悪そうだったよ?」

何か言おうとしたが言葉が出ない。
いや、いつもみたいに笑い飛ばせばいい。

クラス中が俺を見ている。

「———んなワケないだろ」
そう言うのが精一杯だった。

村山がホッとしたように
「だ、だよな!まさかな!いつもお前女なら誰でもいいって言っても佐藤はねーだろ、佐藤は!」
と笑った。

ちょっとクラス中がホッとした空気に包まれる。

その空気に安心する状況なのに、俺は苛立ちを隠せなかった。

「いや、もしそうだったらド級のクズだなーと思ってびびったわ!穴があれば誰でもいいって、いくらなんでも佐藤はねーわ!アレだ、面白くて揶揄ったんだろ?それとも落とせるかどうか誰かと賭けてるとか?一口いくらよ、俺ものっちゃおうかな」
冗談のつもりか村山が言った。

「…おい、言っていい事と悪い事あんだろ」
俺は低い声で言って、村山を見た。

自分の事を笑いに変えるのは平気だし慣れてる。

そういうポジションだし、そういうのを求められてる。

でも佐藤を好奇の目に晒したいわけでも貶めたいわけでもない。

いつもだったらふざける俺が笑いに変えないので、その態度に村山が黙った。

「…な、なんだよ、じゃあ保健室で話してたのは何だったんだよ。出来てたら俺の子だとかいって…付き合ってんのかよ、お前ら」

村山の言葉にクラス中が一気に騒ぎ出した。
「えっマジか!」
「ホントに付き合ってんの?」

何でこんな事になった?

迂闊だった。学校で話すなんて。

あんなに佐藤は嫌がってたのに。

あぁ、でもこうなるから嫌がってたのか。
俺は佐藤が好きで大事で守りたいのに。

「俺は…」
俺が口を開き掛けた時、
「———バカじゃないの」
と入り口から声が聞こえた。

振り返ると、まだ少し顔色が悪いものの制服を着た佐藤が立っていた。

「小林となんか付き合ってるわけないじゃない」
いつもの能面のような無表情でスタスタと俺の横を通り過ぎ、俺の後ろにある自分の机のところまで行った。

クラス中が佐藤を見ている。

横にかけているカバンをとって机の上に置く。

「…」
俺は佐藤を見た。
だけど、その視線から逸らすように佐藤が村山を一瞥した。

「変な噂、立てないでくれる?迷惑よ」

感情のこもってない声。冷たい視線。表情のない顔。
氷の女王と言われる所以だ。

そして振り返って俺を見た。

「小林は私の事が嫌いだし、私も小林が嫌い。天地がひっくり返ってもあり得ない」

一瞬瞳が揺れたような気がした。
———本音か演技か。

だけどその言葉が俺の胸をえぐる凶器となる。

明らかな拒絶。

「お、おい、ひどいんじゃないの。小林は倒れた佐藤を運んでやったってのに」
山林が非難めいて口を挟んだ。

「運んでなんて頼んでない。そんな事するから誤解を招くのよ。———ホントありがた迷惑」

「…」

あぁ、そういう事なんだな。

俺と付き合うのを嫌がってたのはこういう事なんだと改めて思い知らされる。

軽くて適当で、女の子大好き。
いつもふざけていて真面目に恋愛なんてしない。
女の子なら誰でもいい。

そう思われるように振る舞っていたツケだ。

そんなヤツと恋愛なんてする気はない。

みんなの前で付き合ってるなんて思われたくない。

それが佐藤の答えだ。

———告白して、みんなの前で振られるところだった。公開処刑か。

いくら俺が気持ちを伝えたところで、お前は俺と付き合う気なんてないんだな。

「———俺もお前みたいな女ごめんだよ」
俺は静かに、ゆっくりと言った。

じゃあなんで俺とハチマキ交換したんだよ?
倒れるくらい具合悪いのに、最後の決勝見に来たんだよ?

———何で言い出したお前がそんな泣きそうな顔してんだよ?

聞きたい言葉が次々と出てくるが飲み込んでいく。

飲み込んだだけ、黒い澱のようなものが腹の中にたまっていく。

「…もう何があっても助けねーよ。勝手にしろ」
俺は椅子を引いてガンと座った。

クラス中がしん…と静まり返った。

佐藤が後ろでカバンを持って帰る準備をしている音だけが響く。

黙ってそのまま教室を出て行く時、入れ違いに柴村が入ってきた。
「おっ、佐藤。大丈夫か。お母さん下で待ってるぞ。気ィつけて帰れよ」

佐藤が頭を軽く下げて出て行く。

「よーし、HRはじめっぞー。とその前に、お前たち、おつかれさん!男子バレー優勝おめでとう!!俺は職員室で聞いて泣いたぞ!…ってあれ、どした?」

柴村が教室中の静まり返った空気にポカンとした。
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