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本編
041 納得行きませんわ!
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ビオラを女王にとの発表を聞いてしばらくしてから、半数以上の者達が手を叩く。
「なんてことっ。ビオラさんが王女っ! 素晴らしいわっ」
「うむ。彼女ならば女であっても問題ない」
「ステキ! 大司教様が幸せそうだわっ」
「血筋も問題ない……その上に、第二王子を王配とするなら王子としての立場も悪くない……これ以上ない縁組みですなっ」
批判的な意見など出せなかった。どれだけ反対したくても、血筋に問題がない。第二王子が王の子ではないというのは、王妃派の者達にとってはもっとも大きな汚点だ。第一王子が亡くなったという前提での主張でしかなく、王位は自然に第二王子のものになるはずだったのだ。
「女が……女王など……っ」
何とか反対しようと声を上げる者も居たが、それはすぐにかき消える。
「彼女は、王立学園でも主席で卒業した才女ですよ。私の自慢の息子達でさえ論議で言い負かされる」
「っ、そ、そんな……セイグラルの子が……」
「それです。そのセイグラルだからという見方をやめるられるべきです。どの領よりも領主が国を守っており、この国の商業を支え、更には国内の安寧も守ろうとしてくれている。そんな、最も国に貢献する家を、血を、馬鹿にするならば、誇れる功績の一つも上げてからにしなさい」
「っ、ど、どういう……」
「情報を得る能力がないと知らしめてどうするんだか。セイグラルをバカにする者は、目の前の事も見えない愚か者だと、他国の者でも知っていることですよ?」
「無知をここまで正直に見せつけるなんて、恥ずかしい方……」
「「「「「っ!?」」」」」
受け入れられない王妃派の筆頭達は、多くの貴族達に蔑んだような目で見られていることにようやく気付いたようだ。
そんな中、王妃は目をギョロギョロと動かして、味方を探しているようだ。だから、先に口を大きく開けたのは王女だった。
「っ、納得行きませんわ! 王女でもない女が、どうして女王に!? 何より、夫を二人持つなんて、おかしいでしょう!」
「「「「「……」」」」」
多くの者達が『こいつは本当にバカだな』という表情で王女を見た。それに、王女は気付いていないらしい。
「お兄様っ! お兄様からも何とか言って! お兄様だけじゃなく、大司教様まで侍らず卑しい女なんて、嫌でしょう? おかしいわよ!」
これはどうするつもりだと、今度は第二王子に視線が集まった。別に責めてはいない。どうにかするよねと期待も込めている。
「おかしいのはお前の頭だ。他国の歴史を知れば、女王には通常、二人から三人の王配……つまり、夫が補佐としてつくと分かる」
「え……そ、そんなの知らないっ」
「知ろうとしなかっただけだろう。女王は、王としての責務と、女性の王妃としての役目の両方を兼任するようなもの。そして、子を宿せば執務の出来ない時もある。だから、代理権限を与えられる王配が複数人必要となるんだ。他にも色々とあるが……お前にはこれくらいしか頭に入らないだろう……」
第二王子は、頭を抱えながら、ため息を吐く。そんな第二王子の背中を撫でて、ビオラが前に出た。
「あまり彼を疲れさせないでもらえるかしら。あなたのような偽物にも、ちゃんと対応してくれる、この人の優しさを理解できている?」
「何言ってるのよ! 偽物はそっちじゃない! 第一王子は死んだはずでしょう!? お母様とお祖母様が言っていたものっ!」
「っ、何をっ」
王妃が慌てて口を塞ごうとするが、王女はバカ正直に告げていた。
「そうねえ。始末したかったのでしょう。邪魔ですものねえ。正当な血には勝てない。分かっているからこそ、お父様を恐れた。よくもまあ、王族の、それも王相手に托卵などできたわねえ」
「っ、し、失礼なっ!」
王女はバカ過ぎて相手にする気はないと言うように、ビオラは王妃を真っ直ぐに見ていた。
「ああ、そうね。王を毒殺しようとするほどの凶悪犯ですものね。それくらい余裕なんでしょうね?」
「なっ」
「「「「「っ!!」」」」」
王妃は、バレていないと思っていたのか、目を丸くして絶句する。
反応したのは他の貴族達だ。
「何てことを!」
「王を!?」
「ビオラ様が言うなら、証拠も出ているのね」
この声に、ビオラは笑みを浮かべる。
「ええ。この薬の入手ルートも分かっているわ。大体、その王女の父親を調べれば、すぐに分かることだったわ」
「っ、う、うそよ!」
「え? 父親? 私の? お父様ではないの?」
「あら。やはり頭が悪いようね。そんなことも知らなかったなんて」
「っ、ど、どういうこと!? お母様!!」
「っ……!」
王妃は言い訳を考えながら、未だに逃げる気のようだった。
もちろん、そんなことは許さない。ここで、開け放たれたままになっていた扉から、アルティナとオリエルがやってきたのだ。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
「なんてことっ。ビオラさんが王女っ! 素晴らしいわっ」
「うむ。彼女ならば女であっても問題ない」
「ステキ! 大司教様が幸せそうだわっ」
「血筋も問題ない……その上に、第二王子を王配とするなら王子としての立場も悪くない……これ以上ない縁組みですなっ」
批判的な意見など出せなかった。どれだけ反対したくても、血筋に問題がない。第二王子が王の子ではないというのは、王妃派の者達にとってはもっとも大きな汚点だ。第一王子が亡くなったという前提での主張でしかなく、王位は自然に第二王子のものになるはずだったのだ。
「女が……女王など……っ」
何とか反対しようと声を上げる者も居たが、それはすぐにかき消える。
「彼女は、王立学園でも主席で卒業した才女ですよ。私の自慢の息子達でさえ論議で言い負かされる」
「っ、そ、そんな……セイグラルの子が……」
「それです。そのセイグラルだからという見方をやめるられるべきです。どの領よりも領主が国を守っており、この国の商業を支え、更には国内の安寧も守ろうとしてくれている。そんな、最も国に貢献する家を、血を、馬鹿にするならば、誇れる功績の一つも上げてからにしなさい」
「っ、ど、どういう……」
「情報を得る能力がないと知らしめてどうするんだか。セイグラルをバカにする者は、目の前の事も見えない愚か者だと、他国の者でも知っていることですよ?」
「無知をここまで正直に見せつけるなんて、恥ずかしい方……」
「「「「「っ!?」」」」」
受け入れられない王妃派の筆頭達は、多くの貴族達に蔑んだような目で見られていることにようやく気付いたようだ。
そんな中、王妃は目をギョロギョロと動かして、味方を探しているようだ。だから、先に口を大きく開けたのは王女だった。
「っ、納得行きませんわ! 王女でもない女が、どうして女王に!? 何より、夫を二人持つなんて、おかしいでしょう!」
「「「「「……」」」」」
多くの者達が『こいつは本当にバカだな』という表情で王女を見た。それに、王女は気付いていないらしい。
「お兄様っ! お兄様からも何とか言って! お兄様だけじゃなく、大司教様まで侍らず卑しい女なんて、嫌でしょう? おかしいわよ!」
これはどうするつもりだと、今度は第二王子に視線が集まった。別に責めてはいない。どうにかするよねと期待も込めている。
「おかしいのはお前の頭だ。他国の歴史を知れば、女王には通常、二人から三人の王配……つまり、夫が補佐としてつくと分かる」
「え……そ、そんなの知らないっ」
「知ろうとしなかっただけだろう。女王は、王としての責務と、女性の王妃としての役目の両方を兼任するようなもの。そして、子を宿せば執務の出来ない時もある。だから、代理権限を与えられる王配が複数人必要となるんだ。他にも色々とあるが……お前にはこれくらいしか頭に入らないだろう……」
第二王子は、頭を抱えながら、ため息を吐く。そんな第二王子の背中を撫でて、ビオラが前に出た。
「あまり彼を疲れさせないでもらえるかしら。あなたのような偽物にも、ちゃんと対応してくれる、この人の優しさを理解できている?」
「何言ってるのよ! 偽物はそっちじゃない! 第一王子は死んだはずでしょう!? お母様とお祖母様が言っていたものっ!」
「っ、何をっ」
王妃が慌てて口を塞ごうとするが、王女はバカ正直に告げていた。
「そうねえ。始末したかったのでしょう。邪魔ですものねえ。正当な血には勝てない。分かっているからこそ、お父様を恐れた。よくもまあ、王族の、それも王相手に托卵などできたわねえ」
「っ、し、失礼なっ!」
王女はバカ過ぎて相手にする気はないと言うように、ビオラは王妃を真っ直ぐに見ていた。
「ああ、そうね。王を毒殺しようとするほどの凶悪犯ですものね。それくらい余裕なんでしょうね?」
「なっ」
「「「「「っ!!」」」」」
王妃は、バレていないと思っていたのか、目を丸くして絶句する。
反応したのは他の貴族達だ。
「何てことを!」
「王を!?」
「ビオラ様が言うなら、証拠も出ているのね」
この声に、ビオラは笑みを浮かべる。
「ええ。この薬の入手ルートも分かっているわ。大体、その王女の父親を調べれば、すぐに分かることだったわ」
「っ、う、うそよ!」
「え? 父親? 私の? お父様ではないの?」
「あら。やはり頭が悪いようね。そんなことも知らなかったなんて」
「っ、ど、どういうこと!? お母様!!」
「っ……!」
王妃は言い訳を考えながら、未だに逃げる気のようだった。
もちろん、そんなことは許さない。ここで、開け放たれたままになっていた扉から、アルティナとオリエルがやってきたのだ。
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