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第七章 秘伝と任されたもの
421 神木
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高耶はこの時、神の状態を確認しながら、この場に来てから感じる違和感の正体を探っていた。
「なんか、しっくり来ねえ……」
その呟きが聞こえたのは、伊調達神楽部隊だった。
「御当主もそう思われますか。我々も、音の反響も悪いように感じているのです……穢れはあるとはいえ、これほど神に近い場所に居るというのに……」
「確かに……何か……反響しているような……」
「反響……っ」
そこで伊調は何かに気付いたらしい。
「御当主。確か、ここには神木が三本あったと」
「ええ。あの辺りとあちら、それとあちらに、今土地神が居る所を囲むような位置に……まさか」
「はい……おそらく、力は残っているのでしょう。かなり力も蓄えていたのではないでしょうか」
斬られ、根こそぎなくなったはずの神木。しかし、力の残滓が残っているようだ。
「土地に巡る音には、神木との共鳴が要となる場合もある……そうでしたね虎徹殿」
鐘堂虎徹が、ゆったりとした足取りで近付いてきていた。
「俺の親父の親父が言っていたな。そうした特殊な事案があったと。俺も忘れてたが……なるほどなあ。三本の神木なんてのは何かあると思わざるを得ん」
「音の反響が重要になりそうです。今は……それが中途半端な状態なのではないかと。その三本の神木があった辺りに、板でも立てれば……」
「大きさなんかも問題だろう。再現するのは難しいぞ」
恐らく、高さも重要だ。しかし、かつての様子を知らなければ、何も分からない。
そこで、虎徹と伊調は同時に思い当たった。
「高耶が居るじゃねえかっ」
「御当主が居られましたねっ」
「……再現ですか?」
「視ることはできるんだろ?」
「最低限の似た感じで構いませんから!」
「そうですね……」
高耶は他人にも視えるように術式を組み、一番近い場所のかつての神木の姿を視た。
「やっぱ、結構でけえな」
「立派ですねえ」
校舎の高さに並ぶものだった。それは、まっすぐに伸びている。
「この高さの板……は難しそうですね……」
「結界でどうにか……いや、音の反響が知りたいしな……そんな都合の良い結界は橘でも……」
「……」
鬼の対処も始まっているが、こちらの方をどうにかするのが、先のような気がしているため、高耶も動けない。
そんな高耶に、キルティスが気楽な様子で声をかけた。
「あら。高耶ちゃんのところの子なら、木を生やすのも簡単なんじゃないかしら?」
「……っ、確認してみます! 【果泉】!」
《は~い。アレとおなじ木を生やせばいいの?》
果泉は過去の映像を視て、無邪気に指を差して笑った。
「できるか?」
《うん! ちょっとね~。ねっこも、のこってるから、もんだいなしなんだよ?》
掘り起こされ、根まで取り除かれてはいても、根っこの欠片はあるようだ。そこから同じ木を生やせるらしい。
《いっくよー》
メキメキという音が硬い地面から響き、切れ目が入ったと確認してすぐに、爆発するようにそれは伸びてきた。
「「おおっ!!」」
「「「「「え!?」」」」」
事情が分からない者達からすれば、驚きの声を上げるのは無理もなかった。
************
読んでくださりありがとうございます◎
「なんか、しっくり来ねえ……」
その呟きが聞こえたのは、伊調達神楽部隊だった。
「御当主もそう思われますか。我々も、音の反響も悪いように感じているのです……穢れはあるとはいえ、これほど神に近い場所に居るというのに……」
「確かに……何か……反響しているような……」
「反響……っ」
そこで伊調は何かに気付いたらしい。
「御当主。確か、ここには神木が三本あったと」
「ええ。あの辺りとあちら、それとあちらに、今土地神が居る所を囲むような位置に……まさか」
「はい……おそらく、力は残っているのでしょう。かなり力も蓄えていたのではないでしょうか」
斬られ、根こそぎなくなったはずの神木。しかし、力の残滓が残っているようだ。
「土地に巡る音には、神木との共鳴が要となる場合もある……そうでしたね虎徹殿」
鐘堂虎徹が、ゆったりとした足取りで近付いてきていた。
「俺の親父の親父が言っていたな。そうした特殊な事案があったと。俺も忘れてたが……なるほどなあ。三本の神木なんてのは何かあると思わざるを得ん」
「音の反響が重要になりそうです。今は……それが中途半端な状態なのではないかと。その三本の神木があった辺りに、板でも立てれば……」
「大きさなんかも問題だろう。再現するのは難しいぞ」
恐らく、高さも重要だ。しかし、かつての様子を知らなければ、何も分からない。
そこで、虎徹と伊調は同時に思い当たった。
「高耶が居るじゃねえかっ」
「御当主が居られましたねっ」
「……再現ですか?」
「視ることはできるんだろ?」
「最低限の似た感じで構いませんから!」
「そうですね……」
高耶は他人にも視えるように術式を組み、一番近い場所のかつての神木の姿を視た。
「やっぱ、結構でけえな」
「立派ですねえ」
校舎の高さに並ぶものだった。それは、まっすぐに伸びている。
「この高さの板……は難しそうですね……」
「結界でどうにか……いや、音の反響が知りたいしな……そんな都合の良い結界は橘でも……」
「……」
鬼の対処も始まっているが、こちらの方をどうにかするのが、先のような気がしているため、高耶も動けない。
そんな高耶に、キルティスが気楽な様子で声をかけた。
「あら。高耶ちゃんのところの子なら、木を生やすのも簡単なんじゃないかしら?」
「……っ、確認してみます! 【果泉】!」
《は~い。アレとおなじ木を生やせばいいの?》
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「できるか?」
《うん! ちょっとね~。ねっこも、のこってるから、もんだいなしなんだよ?》
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《いっくよー》
メキメキという音が硬い地面から響き、切れ目が入ったと確認してすぐに、爆発するようにそれは伸びてきた。
「「おおっ!!」」
「「「「「え!?」」」」」
事情が分からない者達からすれば、驚きの声を上げるのは無理もなかった。
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読んでくださりありがとうございます◎
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