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2章
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前方を見るとローランドさん達の前に二体のゴブリンがいた。初めて見る魔物に思わず身体が緊張で強ばる。
図鑑の絵でしかいたことないゴブリンは思っていたよりも小柄で私と同じくらいの背丈しかなかった。尖った耳に緑っぽい肌にお腹だけでてて奇妙な出立ちをしている。腰布を巻いた状態で棍棒のような物を引きずっていており、「ギイギイ」と声をあげてローランドさん達の前に立ちはだかっている。
リクが警戒して私の前に立つ。黙ったままことの成り行きを見守っているとローランドさんが腰に携えていた剣でゴブリンに斬りかかった。
ゴブリンは素早く横に飛んで剣をかわすと、持っていた棍棒でローランドさんの脛をめがめて振り切る。そのとき、ロックさんが剣でそのゴブリンに上から斬りかかるとゴブリンは避けきれずに耳の上から胴体まで切られた。途端にゴブリンから血飛沫が飛び出す。よろけたゴブリンにそのままローランドさんが横なぎに斬りつけるとそのまま倒れこんだ。倒れたゴブリンから黒い煙が出たかと思うと、ゴブリンの姿は消えて魔石が転がった。
仲間が切られたことに動揺したのかもう一体のゴブリンがロックさんめがけて棍棒で打ちにかかる。ロックさんはそれを受け止めようとすると、横からキリクさんがゴブリンに蹴りを入れた。ゴブリンは「ギャッ」と声を上げて転がる。
「ロック! お前、このあいだゴブリンの棍棒を正面から受けて剣が曲がったの忘れたのか!」
ロックさんはすかさず転がったゴブリンを切りつける。ゴブリンは声を上げることもなくそのまま消え去って魔石だけが残った。
「あれは剣が悪かったんだ」
苦々しくロックさんはキリクさんに言って剣を鞘に収めた。
「思っていたより連携が取れていますね」
隣でリクが呟く。私は目の前の戦いが終わったことに安心してふうっと息をはいた。今だに心臓の鼓動が早いことに自分が緊張していたのがわかる。
ローランドさん達三人が魔石を拾っていると、レイ様が突然叫んだ。
「まだいるよ!」
すると、ガサガサと前方の茂みから音がしたかと思うと、背格好が同じようなゴブリン達が群れをなして現れた。
その数は目視で確認すると全部で六体程のゴブリンだった。ローランドさん達は剣を再び鞘から抜き、すかさず臨戦態勢に入る。
「ちょっと厳しそうかな。リク、お嬢様任せてもいい?」
「ああ。行け」
リクが返事するのを言うが早いかレイ様はすぐさま駆け出した。鞘から剣を引き抜いたと思ったら飛び上がって上から先頭にいるゴブリンに斬りかかった。ゴブリンは血飛沫を上げる前に煙となって消え去っていく。それを合図にローランドさん達も次々にゴブリン達に斬りかかっていく。
レイ様の戦っているところを初めて目にした私は目が離せないでいた。凄まじい光景とも思えるのになぜか目が離せない。
さすがA級冒険者、剣裁きは鮮やかとも言える。まるで踊っているようでいて無駄がない。遠目から見てもレイ様の実力は明らかだった。
私はその光景を固唾を飲んで見守っていると突然腕をグイッと引っ張られた。
いきなりのことに態勢が崩れそうになり、転びそうになるのを堪える。掴まれた腕の先を見ると知らない少年が目の前に立っていた──。
「へ?」
思わず間抜けな声が出てしまう。向日葵のような髪の男の子が私の腕を掴んでいる。少年は私を見てにっこりと笑った。
「大丈夫、ここには誰も入ってこられないから」
そう言われて不思議に思い、あたりを見渡してみるとローランドさん達や、レイ様も、ゴブリンもいない。唯一リクだけが私のそばにいた。森ではあるが先程とは違い、開けた場所になっている。鳥の鳴き声も聞こえない木々のざわめきしか聞こえない静かな場所だった。私が唖然としていると目の前の少年は苦笑した。
「驚くよね。でもここは魔物は入ってこないから大丈夫だよ。君は精霊かな?」
そう言って私を掴んでいた手を離すと隣にいるリクに視線を向けた。リクは警戒しているのか無言だ。
「カイ! 何をしている!」
突然声がしたかと思うと目の前にパッと光る物体が現れたかと思うと私とその少年の周りをクルクルと飛び回った。よくみると人型の精霊でこちらを睨んでいる。
「ゴブリン達との戦いに巻き込まれそうだったから、危ないと思って」
カイと呼ばれた少年と精霊を見て驚いた私は思わず目の前の少年に駆け寄った。
「あなた、カイっていうの?」
「そうだよ」
微笑んで答えるカイに次の言葉をかける前にこちらに目掛けて何かが飛んできた。私に到達する前に後方からかまいたちのようなものが飛んで霧散させた。カイは私の肩を掴んで横に移動させたかと思うと、困惑したように叫んだ。
「いきなり何をするんだ! リリュ!」
人型に近い形から中位精霊だろうか、こちらをものすごい形相で睨みつけている。
「コイツ、嫌い! カイ、危ないから離れろ!」
魔力を集めて今にも攻撃を繰り出そうとしている目の前の精霊を見て脳裏にティアお姉様の精霊と出会ったときのことが思い出された。
私、そういえば精霊に嫌われてるんだった……。
図鑑の絵でしかいたことないゴブリンは思っていたよりも小柄で私と同じくらいの背丈しかなかった。尖った耳に緑っぽい肌にお腹だけでてて奇妙な出立ちをしている。腰布を巻いた状態で棍棒のような物を引きずっていており、「ギイギイ」と声をあげてローランドさん達の前に立ちはだかっている。
リクが警戒して私の前に立つ。黙ったままことの成り行きを見守っているとローランドさんが腰に携えていた剣でゴブリンに斬りかかった。
ゴブリンは素早く横に飛んで剣をかわすと、持っていた棍棒でローランドさんの脛をめがめて振り切る。そのとき、ロックさんが剣でそのゴブリンに上から斬りかかるとゴブリンは避けきれずに耳の上から胴体まで切られた。途端にゴブリンから血飛沫が飛び出す。よろけたゴブリンにそのままローランドさんが横なぎに斬りつけるとそのまま倒れこんだ。倒れたゴブリンから黒い煙が出たかと思うと、ゴブリンの姿は消えて魔石が転がった。
仲間が切られたことに動揺したのかもう一体のゴブリンがロックさんめがけて棍棒で打ちにかかる。ロックさんはそれを受け止めようとすると、横からキリクさんがゴブリンに蹴りを入れた。ゴブリンは「ギャッ」と声を上げて転がる。
「ロック! お前、このあいだゴブリンの棍棒を正面から受けて剣が曲がったの忘れたのか!」
ロックさんはすかさず転がったゴブリンを切りつける。ゴブリンは声を上げることもなくそのまま消え去って魔石だけが残った。
「あれは剣が悪かったんだ」
苦々しくロックさんはキリクさんに言って剣を鞘に収めた。
「思っていたより連携が取れていますね」
隣でリクが呟く。私は目の前の戦いが終わったことに安心してふうっと息をはいた。今だに心臓の鼓動が早いことに自分が緊張していたのがわかる。
ローランドさん達三人が魔石を拾っていると、レイ様が突然叫んだ。
「まだいるよ!」
すると、ガサガサと前方の茂みから音がしたかと思うと、背格好が同じようなゴブリン達が群れをなして現れた。
その数は目視で確認すると全部で六体程のゴブリンだった。ローランドさん達は剣を再び鞘から抜き、すかさず臨戦態勢に入る。
「ちょっと厳しそうかな。リク、お嬢様任せてもいい?」
「ああ。行け」
リクが返事するのを言うが早いかレイ様はすぐさま駆け出した。鞘から剣を引き抜いたと思ったら飛び上がって上から先頭にいるゴブリンに斬りかかった。ゴブリンは血飛沫を上げる前に煙となって消え去っていく。それを合図にローランドさん達も次々にゴブリン達に斬りかかっていく。
レイ様の戦っているところを初めて目にした私は目が離せないでいた。凄まじい光景とも思えるのになぜか目が離せない。
さすがA級冒険者、剣裁きは鮮やかとも言える。まるで踊っているようでいて無駄がない。遠目から見てもレイ様の実力は明らかだった。
私はその光景を固唾を飲んで見守っていると突然腕をグイッと引っ張られた。
いきなりのことに態勢が崩れそうになり、転びそうになるのを堪える。掴まれた腕の先を見ると知らない少年が目の前に立っていた──。
「へ?」
思わず間抜けな声が出てしまう。向日葵のような髪の男の子が私の腕を掴んでいる。少年は私を見てにっこりと笑った。
「大丈夫、ここには誰も入ってこられないから」
そう言われて不思議に思い、あたりを見渡してみるとローランドさん達や、レイ様も、ゴブリンもいない。唯一リクだけが私のそばにいた。森ではあるが先程とは違い、開けた場所になっている。鳥の鳴き声も聞こえない木々のざわめきしか聞こえない静かな場所だった。私が唖然としていると目の前の少年は苦笑した。
「驚くよね。でもここは魔物は入ってこないから大丈夫だよ。君は精霊かな?」
そう言って私を掴んでいた手を離すと隣にいるリクに視線を向けた。リクは警戒しているのか無言だ。
「カイ! 何をしている!」
突然声がしたかと思うと目の前にパッと光る物体が現れたかと思うと私とその少年の周りをクルクルと飛び回った。よくみると人型の精霊でこちらを睨んでいる。
「ゴブリン達との戦いに巻き込まれそうだったから、危ないと思って」
カイと呼ばれた少年と精霊を見て驚いた私は思わず目の前の少年に駆け寄った。
「あなた、カイっていうの?」
「そうだよ」
微笑んで答えるカイに次の言葉をかける前にこちらに目掛けて何かが飛んできた。私に到達する前に後方からかまいたちのようなものが飛んで霧散させた。カイは私の肩を掴んで横に移動させたかと思うと、困惑したように叫んだ。
「いきなり何をするんだ! リリュ!」
人型に近い形から中位精霊だろうか、こちらをものすごい形相で睨みつけている。
「コイツ、嫌い! カイ、危ないから離れろ!」
魔力を集めて今にも攻撃を繰り出そうとしている目の前の精霊を見て脳裏にティアお姉様の精霊と出会ったときのことが思い出された。
私、そういえば精霊に嫌われてるんだった……。
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