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2章
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「うーんとね、今回の事件はこのキヨラの町だけでは手に余るってなって正式にキヨラの町の領主のハインツ子爵からミルランタの領主経由で冒険者ギルドに人を派遣してほしいと依頼があったんだ。本来ギルドがこういった依頼を受けるのはめずらしいんだけどここの自警団はうまく機能していないからね」
レイ様がいつものようにのんびりとした口調で説明する。
キヨラの町の領主が動いてくれていたことに安堵しつつも気になっていたことをたずねた。
「冒険者を派遣する依頼でギルドマスターがわざわざいらしたんですか」
そうたずねるとレイ様は口の端を上げて「いいところに気がつくね」私を見た。レイ様の話はこうだ。
ことの始まりは一ヶ月前のことだ。ミルランタの冒険者内で「キヨラの町には子供をさらう精霊がいるらしい」と噂が立ち始めたらしい。
急速に広がり始める噂にミルランタのギルドマスターは不審に思い、独自でキヨラの町についての調査を始めた。すると次から次へと出るきな臭い町長の話にほっとく訳にもいかず頭を抱えていると、ギルドマスターの元へミルランタの領主経由で一通の依頼がきた。差出人はハインツ子爵。内容は簡単に言うと当主を代替えしたばかりでキヨラの町長を失脚させるために力を貸してほしいとのことだった。
「随分あけすけに物をいう方ですのね」
本来ならば政治介入ともいえる依頼を冒険者ギルドにするのはいいのだろうか
「まあ、元々先代のハインツ子爵とミルランタの領主であるグレンバリ伯爵は知己の仲だったみたいだしね。もちろんギルド側が直接政治に介入するのはルールとしてはあってはならない。だから今回ギルドへの依頼は『人手が足りないことによる一時的な町の警備と噂話の真相を突き止めること』のこの二つ」
つまりハインツ子爵には一人目の行方不明の噂がたった時点で耳に入っていたということになる。
「噂の広がりようから何者かが関与しているのは明らかだったし、なんでそんな噂が立つようになったのか突き止めるのにも人手が足りないのは事実だったみたいだからね、ギルマスが来たのも噂の件も含めて領主に話すためじゃないかな」
ローランドさんはハインツ子爵のことを「使い物にならない」と称したけれどとてもそうは思えなかった。キヨラの町長を失脚させるために動いていたようだし、町での噂のことも把握している限り計画的で行動力もある印象を受けた。
「ということは、最初にキヨラの町に寄ることになったのはレイ様が手を回したからなんですの?」
最初に私に噂話を持ちかけたり、キヨラの町に寄ることになっていたのもどう考えても巻き込まれるのは必然だったような気がしてならない。
話を聞いているとレイ様はミルランタのギルドからの命によって動いているようだし。
レイ様は「キヨラの町に寄ることになったのは最初から決まっていたよ、ただ行程を決めるにちょっとアドバイスは求められたからそれに口を出しただけだよ」と言ってウインクをした。
思わず脱力する。ハンナが厳しい表情でレイ様に問いかけた。
「このことは旦那様はご存じなのですか」
「あの伯爵様のことだから全部知っていると思うよ~キヨラの町で起こっていることも耳に入っていたみたいだしね」
それを聞いてもハンナは渋い表情のままだった。それにしてもお父様も知っていたとは……。つまりレイ様は初めからキヨラの町での捜査をするためにここに寄ったのか。町長を逮捕できる目処が立ったのでギルマスがきたということらしい。
「人身売買の件についてはどこまで知っていたんですの?」
「そっちについてはまーったく。マリウス神父もうまく隠していたみたいでさあ。町長との結託も最近までぜーんぜんわからなかったんだよね。町長の横領だけじゃどう考えても不自然な金回りがあってね、内通者からマリウス神父の名が上がってきてそこから教会について調べてたらちょうどお嬢が接触してくれて助かったよ」
あっけらかんと言うレイ様にまたもや脱力しそうになる。なんだかレイ様にうまく転がされていたような気がする。
「まあ、正直お嬢を囮にして奴隷商人やマリウス神父が尻尾を出してくれたらラッキーだし、本当に精霊の仕業だったらリクがなんとかしてくれるかなーって打算はあったよ」
悪びれずに言うレイ様にリクは呆れているしハンナは怒りでワナワナと震え出している。
「町長の方はどうなりましたの?」
レイ様の話によると潜入捜査をしているハインツ子爵の部下によって証拠書類を集めてあとは奴隷商人を逮捕して町長とマリウス神父の関与を口を割らせれば解決するというところだったという。
「ですが、奴隷商人は……」
「うん、妖精に殺されてしまったからねえ、一応町長が署名した売買契約書の書類は遺体から見つかったんだけどおおもとの組織の尻尾は掴めずじまい」
そう言ってレイ様は肩をすくめた。現在今回の事件に関与したと思われる者は皆牢に入れられているという。町長は最初は頑なに容疑を認めなかったが証拠書類を突きつけると堪忍したのかおとなしくなったという。
「マリウス神父は……?」
恐る恐るたずねるとレイ様は「それがさ……」と眉を八の字にしてため息をついた。
「ついさっき逃げられちゃった」
レイ様がいつものようにのんびりとした口調で説明する。
キヨラの町の領主が動いてくれていたことに安堵しつつも気になっていたことをたずねた。
「冒険者を派遣する依頼でギルドマスターがわざわざいらしたんですか」
そうたずねるとレイ様は口の端を上げて「いいところに気がつくね」私を見た。レイ様の話はこうだ。
ことの始まりは一ヶ月前のことだ。ミルランタの冒険者内で「キヨラの町には子供をさらう精霊がいるらしい」と噂が立ち始めたらしい。
急速に広がり始める噂にミルランタのギルドマスターは不審に思い、独自でキヨラの町についての調査を始めた。すると次から次へと出るきな臭い町長の話にほっとく訳にもいかず頭を抱えていると、ギルドマスターの元へミルランタの領主経由で一通の依頼がきた。差出人はハインツ子爵。内容は簡単に言うと当主を代替えしたばかりでキヨラの町長を失脚させるために力を貸してほしいとのことだった。
「随分あけすけに物をいう方ですのね」
本来ならば政治介入ともいえる依頼を冒険者ギルドにするのはいいのだろうか
「まあ、元々先代のハインツ子爵とミルランタの領主であるグレンバリ伯爵は知己の仲だったみたいだしね。もちろんギルド側が直接政治に介入するのはルールとしてはあってはならない。だから今回ギルドへの依頼は『人手が足りないことによる一時的な町の警備と噂話の真相を突き止めること』のこの二つ」
つまりハインツ子爵には一人目の行方不明の噂がたった時点で耳に入っていたということになる。
「噂の広がりようから何者かが関与しているのは明らかだったし、なんでそんな噂が立つようになったのか突き止めるのにも人手が足りないのは事実だったみたいだからね、ギルマスが来たのも噂の件も含めて領主に話すためじゃないかな」
ローランドさんはハインツ子爵のことを「使い物にならない」と称したけれどとてもそうは思えなかった。キヨラの町長を失脚させるために動いていたようだし、町での噂のことも把握している限り計画的で行動力もある印象を受けた。
「ということは、最初にキヨラの町に寄ることになったのはレイ様が手を回したからなんですの?」
最初に私に噂話を持ちかけたり、キヨラの町に寄ることになっていたのもどう考えても巻き込まれるのは必然だったような気がしてならない。
話を聞いているとレイ様はミルランタのギルドからの命によって動いているようだし。
レイ様は「キヨラの町に寄ることになったのは最初から決まっていたよ、ただ行程を決めるにちょっとアドバイスは求められたからそれに口を出しただけだよ」と言ってウインクをした。
思わず脱力する。ハンナが厳しい表情でレイ様に問いかけた。
「このことは旦那様はご存じなのですか」
「あの伯爵様のことだから全部知っていると思うよ~キヨラの町で起こっていることも耳に入っていたみたいだしね」
それを聞いてもハンナは渋い表情のままだった。それにしてもお父様も知っていたとは……。つまりレイ様は初めからキヨラの町での捜査をするためにここに寄ったのか。町長を逮捕できる目処が立ったのでギルマスがきたということらしい。
「人身売買の件についてはどこまで知っていたんですの?」
「そっちについてはまーったく。マリウス神父もうまく隠していたみたいでさあ。町長との結託も最近までぜーんぜんわからなかったんだよね。町長の横領だけじゃどう考えても不自然な金回りがあってね、内通者からマリウス神父の名が上がってきてそこから教会について調べてたらちょうどお嬢が接触してくれて助かったよ」
あっけらかんと言うレイ様にまたもや脱力しそうになる。なんだかレイ様にうまく転がされていたような気がする。
「まあ、正直お嬢を囮にして奴隷商人やマリウス神父が尻尾を出してくれたらラッキーだし、本当に精霊の仕業だったらリクがなんとかしてくれるかなーって打算はあったよ」
悪びれずに言うレイ様にリクは呆れているしハンナは怒りでワナワナと震え出している。
「町長の方はどうなりましたの?」
レイ様の話によると潜入捜査をしているハインツ子爵の部下によって証拠書類を集めてあとは奴隷商人を逮捕して町長とマリウス神父の関与を口を割らせれば解決するというところだったという。
「ですが、奴隷商人は……」
「うん、妖精に殺されてしまったからねえ、一応町長が署名した売買契約書の書類は遺体から見つかったんだけどおおもとの組織の尻尾は掴めずじまい」
そう言ってレイ様は肩をすくめた。現在今回の事件に関与したと思われる者は皆牢に入れられているという。町長は最初は頑なに容疑を認めなかったが証拠書類を突きつけると堪忍したのかおとなしくなったという。
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