あなたとぼくと空に住むひと

シラサキケージロウ

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郡司さんと私

郡司さんと私 その4

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 それからしばらくアマメの行方を捜した後、私は昼食休憩のためにアンリへと向かった。

 ここ最近、私は一日も欠かさずアンリに通っている。それは、とうとうマスターの淹れるコーヒーを飲まなければ、手が震えて幻覚が見えるようになるといったような禁断症状が出てきたというわけではない。青前さんの顔を見ることによって、連日続けられる無意味と思える行動の理由を思い出していたのである。そうでなければ、私の心はくじけてしまいそうなほど参っていた。

 暇そうにカップを磨くマスターを横目にコーヒーを飲んでいると、やがて青前さんがオムライスとナポリタンの乗せられた白い皿を持って、私の席までやってきた。

「お昼休憩なんだ。一緒にいいかな?」
「ええ。もちろん」

 私がそう頷くと、彼女はふたつの皿をテーブルに置いて、私の対面の席に腰掛けた。

「それにしても、最近はやけに忙しく動き回ってるね。なにかあったの?」

 貴女へのホワイトデーのお返しのためですなどと、恩着せがましいことを言えるわけもなく、私は「なに、大したことではありませんよ」と適当に誤魔化した。

 私の顔をじっと見た青前さんは、「そう」とだけ言ってナポリタンをつるつる食べ始めた。「そうなんですよ」と答えた私は、安堵した顔を見せないようにオムライスをせっせと口に運んだ。

 食事の最中、青前さんは言葉数少なく、喋る代わりに私の顔を時折じっと覗き込んだ。彼女に瞳を向けられるたびに、私はまるで心の奥底までを見透かされているような気がして落ち着かなった。

 やがて私よりも先に食事を終えた青前さんが、空の食器を持って席を立った。

「ナリヒラくん。無理はしないでね。あたし、心のこもってるものなら特になんでもいいんだから」

 ほとんど崖っぷちに追い込まれたような私の状況を見透かしたようなひと言を置いて、青前さんはキッチンの奥へと消えていった。

 残された私は「心のこもっているものか」と呟き、様々なものを思い浮かべた。手作りのお菓子や両腕いっぱいの花束、ペンダント、ピンキーリング、靴、財布、バッグ、旅行のチケット……浮かんでは消えていくさまざまなアイデアの中で、一際光り輝いていたのは案の定というべきか〝新座〟の二文字であった。

「原点に帰る必要がある」と私はひとり呟いた。





 ゾウキリンやら〝かしらなし〟が出てきたせいで、本当になすべきことを私はとんと忘れていた。そもそも私は、新座浮遊の原因が知りたいと青前さんに言われていたのである。だとすれば、ホワイトデーのお返しはそれでいい。それがいい。是非ともそれにするべきだ。

 しかし新座浮遊の謎を探ることは、アマメの真意を探ることより難しいと思われる。だからといって「できません」が簡単に通るかといえば、それはもちろん「否」なのである。

 恐らく、新座浮遊の原因究明について、科学的なアプローチは散々やりつくされたものと思われる。ゆえに道理が通ることはいくらやっても無駄である。ならば一見したところ全く益の無いことを積み重ねれば、それが自ずと新座浮遊の理由へ繋がるはずだ。

 自分でもいささか頭の悪い論理だとは思う。しかし、佐和田さんは似たような筋道でゾウキリンを生み出すことに成功した。成功者には倣うべきであろう。

 私は呆れるほどに馬鹿らしいことを繰り返した。妙音沢から汲んできた水を用いて作ったゆで卵を、新座市内各地にある神社仏閣に奉納したり、市内に流れる野火止用水に大小さまざまなドングリを一定間隔で投げ入れたりと、その奇行の内容は多種多様であった。

 そんなことをひたすら続け、気が付けばもうホワイトデーの前日である。二十四時間とて猶予が残されていない状況にも関わらず、最後まで可能性を信じていた私は無益に無益を重ねるために、かつての立教大学・新座キャンパスに向かっていた。

 その日、そこで私は満行寺の鐘の音をたっぷり聞かせた丸石を学内の至る所にばら撒き、新座の反応を伺うつもりであった。行き当たりばったりのやけっぱちだと言われようが、事実であるので仕方がない。

 レンガ造りの洒落た校門を乗り越えると、正面には教会が見える。左右に道が伸びており、左の道を進めば大学のキャンパスである。このキャンパスは浮上当時から使用されていないので、人影は一切なくがらんとしている。植木も街路樹も伸び放題で、コンクリート打ち放しの建物がどこかぞっとする気配を放っている。

 しばらく道なりに進むと、やがて野球グラウンドが見えてきた。グラウンドといえど、今となっては背の高さほどある雑草に溢れ、どこが外野でどこが内野だかわからないほどではあるが。

 グラウンドを囲むフェンスは乗り越えられる高さではなかったが、破れているところがあったのでそこから中へと侵入した。私はポケットいっぱいに詰めた丸石を宙に放りつつ、グラウンドの真ん中の辺りまで歩いていった。

「頼むぞ。なんでもいいから何か起きくれよ」

 そう願いながらポケットに入れていた最後の石を高く放り投げると、それの落下位置から「ぷぇぇ」という情けない悲鳴が聞こえてきた。まさかと思い声の聞こえた方に向かって走ると、そこには頭に手を伸ばすゾウキリンがいた。

「おお、やっぱりお前か!」と私はゾウキリンを抱き上げた。

「悪かったね。当てるつもりは無かったんだ」

 彼は「ぶぇえ」と鳴いて答える。どこか抗議の意を示しているかのような声である。

「悪かったって。君のお母さんのところへ連れていくから許しておくれ」

 そう言って私が彼の頭を撫でた、その時であった。私の背中に「なにやってるの?」という冷たい声が浴びせられた。振り向いてみるとそこにいたのはアマメである。私はとっさにゾウキリンを後ろ手に隠した。

「隠したってもう遅いよ。ずっと見てたんだから」
「悪いけど、このゾウキリンは渡せないよ。落ち込んでる知り合いと、その人が落ち込んでるせいでもっと落ち込んでる知り合いがいる。落ち込みの連鎖を断ち切るには、彼がいるのが一番なんだ」
「だめ。渡して」
「せめて理由を教えたらどうなんだい。ゾウキリンをそのかしらなしに食べさせる理由を」
「教えたって意味なんてないから教えない。ほら、早く」

 その無機質な瞳に込められたアマメの覚悟は本物であった。一歩も譲らないという彼女の気迫に負けないように、私はむんと胸を張った。

「駄目なものは駄目なんだ。僕は彼を先生のところへ届ける」
「……なら、実力行使だね」

 アマメはぱんと手を叩いた。すると何やらグラウンド中の草木がざわつき始める。やがて彼女の背後から、例の白い大蛇、かしらなしがゆっくりと頭を上げて出現した。実力行使とは、なんと卑怯なことか。

「わたし、お兄さんのこと結構好きだよ。だからお兄さんには怪我はして欲しくないの。お願い、大人しくそれを渡して」
「そんな都合のいいこと言っちゃいけない。誰かから無理やり物を奪おうとしてるんだから、傷つけて、その罪を背負うつもりじゃなくちゃ」
「……わかったよ。でも、恨まないでよね」

 アマメが大蛇に命令を与えるより先に、私は一目散に出口へ向けて駆けだした。しかし大蛇はすでにその長い身体でグラウンド中を取り囲んでおり、逃げ道は残されていなかった。

 万事休すか。そう思われた時であった。「待たんかーっ!」という威勢の良い声が天高く響いた。
今度はなんだと思っていると、フェンスを大きな影が軽々と飛び越える姿を私は見た。長い滞空時間の後、私の前に着地したそれは、いつぞや見た栗色の毛を持つ大きな馬と、それに跨る郡司氏の姿であった。正体不明の方だとは思っていたが、まさかこのような超人的な芸当をやってのけるとは。

「ぐ、郡司さん! なぜ貴方がここに?!」
「説明は後だ。ユキヒト、お前はそいつをしっかり見張っていろ」

 彼が助けてくれる理由はわからなかったが、助けてもらえるというのなら断る理由は微塵も無い。「もちろんですとも!」と元気よく答えた私は、ゾウキリンをしっかりと抱きしめた。

「さあて、いくぞ鬼鹿毛(おにかげ)。お前の力を見せてやれっ!」

 鬼鹿毛と呼ばれた馬が声高く嘶き、郡司氏を乗せたまま大蛇に向けて突進していく。威嚇するような声を上げた大蛇は、その長い身体で幾度と鬼鹿毛を締め付けようとするが、彼はそれを寸前のところでひらりと躱し続ける。やがて、避けると同時に高く飛び上がった鬼鹿毛が、存分に重力を借りた前脚で大蛇の胴体を踏みつけた。

 するとどうしたことか。鬼鹿毛によって踏みつけられた部位から大蛇の身体が千切れ、あっと思った次の瞬間には千切れた身体の一部が数えきれないほどの小さな白い蛇へと変わった。

 その時になって私は理屈抜きで理解した。馬を自らの手足のように操るライダージャケットを羽織ったこの方が、本当に新座の英雄である〝郡司長勝〟なのだと。

 郡司氏は小さくなった蛇を睨みつけながら言った。
「やはりな。昔から弱点は変わっとらん。小さきものが群れをなして、大きなものを装っているだけのことよ」
「……昔と同じと思わないことね」
「ふん。負け惜しみを」

 郡司氏は鬼鹿毛を操って、見る見るうちに大蛇を分裂させていく。それから一分と経たないうちに、大蛇はせいぜい鶏を一飲み出来る程度の大きさの蛇へと退化した。

「お前の負けだ。幽霊女。ゾウキリンには手を出させんぞ」
「さて、それはどうかしらね」

 その言葉はアマメの負け惜しみでもなんでもなかった。彼女がぱちんと指を鳴らすと同時に、鬼鹿毛の周りを小さめの〝かしらなし〟が二十匹ほどで取り囲んだのである。

「あなたみたいな野蛮人でも、多勢に無勢って言葉くらいは知ってるでしょ?」
「……やれるものならやってみろ」

 先ほどまでの騒がしさから一転、両者の睨み合いが始まる。先に動いたのは郡司氏の操る鬼鹿毛でなく、かといってアマメの操る〝かしらなし〟でもなく――他でもない私である。邪魔をすればただではすまないとはわかっていたが、どうしようもなかった。

 ゾウキリンを頭にしがみつかせた私は、かかしのように両腕を広げて二人の間に割り込んだ。

「ま、待ってください、ふたり共! なにもここまで争うこともないでしょう!」
「黙っていろ! 何も知らんくせに!」
「そうだよ、お兄さん。引っ込んでて」
「その通り! 私は何も知りません! ですから、ふたりが争う理由を教えて欲しいのです! 理由もわからずこんな怪獣大戦争に巻き込まれたんじゃたまったものではありません!」

 一度争いが中断すればきっと頭も冷えるはず。私はとにかく時間を稼ぐことを第一に考えた。

 郡司氏は不満げに鼻を鳴らすと、「この女が悪い」とだけ言った。アマメも負けじと「この男が悪い」とだけ言ったので、私は頭を抱えた。

「ふたり共、それでは埒が明きません」

 両者は私を挟んで再度睨み合いを始めた。やがて先に語りだしたのは、年長者たる郡司氏であった。

「……実の孫だと思って接してきた娘の夢がようやく叶った。それをあの女に潰されるのを、黙って見ていることは出来ないというだけの話だ」
「この髭面。夢は夢のままにしておくのが一番なんて簡単なこともわからないの?」
「なんだとこの幽霊女!」
「やるの? わたしは構わないけど」
「待ってくださいよ。おふたりの事情はさっぱり見えてきませんが、こうして一度は矛を収めたんです。話し合いで解決できるでしょう」
「無駄だ、無駄。出来るわけがない」
「そうだよ。お兄さんはどっか行ってて」
「この女の言う通りだ。お前はそのゾウキリンを抱えたまま――」

 郡司氏はふいに言葉を切って、愕然とした表情で私を見た。続けてアマメも目を丸くしてこちらを見たので、理由もわからず私は不安になった。

「おふたり、どうしました?」
「……お前、ゾウキリンはどうした?」
「どうしたもなにも、私の頭の上に」

 言いながら私は頭に手を伸ばす。しかし、そこにはあるべきはずの感触が存在しなかった。そこで私は、ゾウキリンがこの混乱に乗じて逃げたのだと理解した。

 郡司氏は途端に血相を変えて私に詰め寄った。

「な、なにをしているこの大馬鹿者! 見張っておけとあれほど言ったろうに!」
「も、申し訳ない。すぐに探します!」
「当然だ! 草の根を分けても見つけ出せ!」

 私達は辺りの草木をかき分けて、ゾウキリンの黄色くてすべすべしたボディーを探そうとした。そこにアマメと〝かしらなし〟のコンビも加わり、陣営入り混じっての大捜索が開始された。

「まったく、何故お前は目を離した! あの女が先に見つけたらどうするつもりだ!」
「気にしなくていいよ、お兄さん。わたしを助けてくれたつもりなんだよね」
「なんだと?! お前、あの女と通じていたのか!」
「そうだよ。ようやく気付いたの? わたし、お兄さんと一緒にお祭りに出かけたこともあるくらいなんだから」
「この裏切り者め!」
「裏切ったつもりも、そもそも郡司さんに与したつもりもありません。もちろんアマメにも。とにかく今はゾウキリンを探しましょう」
「後で覚えていろよ!」

 このような言い合いを続けながらゾウキリンの姿を求めグラウンド中を探して周るうち、私は何かにつまづいた。前のめりになって転がった私が起き上がるより先に、私の上にのしかかってきたのはゾウキリンであった。

 私は思わず「いた!」と声を上げそうになったが、そんな私を止めるように彼はその短い腕を必死に交差させてバツ印を作った。

 そこで私は考えた。そもそも、馬鹿正直にこのゾウキリンをふたりの前に出しては再び争いが始まるだけである。何せ彼はふたりにとってのバルカン半島。それならば、いっそのこと彼を抱えてここから逃げてしまった方がいいのではなかろうか。

 そうと決まればスタコラサッサだ。ゾウキリンを抱え上げた私は、彼を探すふりを続けながらこっそりグラウンドを後にした。

 フェンスを抜けたところでふと後ろを振り返ってみると、郡司氏とアマメは未だ言い合いを続けながらも、「どこだどこだ」と既にそこには存在しないゾウキリンの姿を探し回っていた。
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