198 / 248
盗聴
しおりを挟む
「お早う!」
小さいカオルに声をかける。最近は団長はカオルの代役を務めてくれた少女を子守に雇っているようだ。
「団長は?」
「朝一番に横浜に劇団の打ち合わせに。朝御飯はオムライスがあるということです」
少女は慣れた手つきで抱きかかえると、カオルを1階の階段の上り口に揺り籠を据え付ける。周平は昨夜は12時過ぎに戻ってきて、先に眠ってる団長に声をかけずそのまま寝てしまっている。ホワイトドームの壁掛け時計はすでに10時を回っている。久しぶりの休日だ。
「名前は?」
「ユキ」
「近く?」
「裏口から路地を10メートル」
カウンターに素早く温めたオムライスにビールの小瓶を置いてくれる。
「ビールまで出してくれるのか?」
「はい。団長がそうするようにって」
「ユキはカオルを知っている?」
「お母さんの方?よく知ってる。ここで舞踏会があるときは裏口からよく見に来ていました。それでずっと劇団に入れてほしいと。最初に認めてくれたのはカオルさんでした」
カオルが目を覚まして泣き出した。ユキが飛ぶように駆け寄って抱きかかえる。
「おお、起きてたか!」
アロハシャツにサングラス、いかにもチンピラ臭い轟だ。
「遂にKジャーナルを首だ」
カウンターにテープを出して、自分で冷蔵庫から氷を出してきて焼酎のロックを作る。
「仕事は回すから心配するなよ。それより小林と許は?」
「たっぷり3時間テープが入ってるぜ。ただ肝心な話は最初の10分と最後の3分だけだ。二人ともめっちゃな女好きだ」
「ポイントは?」
「京都駅裏の土地だが、B勘を3億もかましているそうだ。そこから小林が1億貰う条件だ。ばっちりテープに入っている」
周平は持って降りてきた鞄から100万束を出す。轟は折りたたんだ領収書拡げて並べる。領収書は表の経理に載せて100万はB勘処理でミーに口頭で伝える。ミーはそんなこともいらないというが生真面目に今でも続けている。
小さいカオルに声をかける。最近は団長はカオルの代役を務めてくれた少女を子守に雇っているようだ。
「団長は?」
「朝一番に横浜に劇団の打ち合わせに。朝御飯はオムライスがあるということです」
少女は慣れた手つきで抱きかかえると、カオルを1階の階段の上り口に揺り籠を据え付ける。周平は昨夜は12時過ぎに戻ってきて、先に眠ってる団長に声をかけずそのまま寝てしまっている。ホワイトドームの壁掛け時計はすでに10時を回っている。久しぶりの休日だ。
「名前は?」
「ユキ」
「近く?」
「裏口から路地を10メートル」
カウンターに素早く温めたオムライスにビールの小瓶を置いてくれる。
「ビールまで出してくれるのか?」
「はい。団長がそうするようにって」
「ユキはカオルを知っている?」
「お母さんの方?よく知ってる。ここで舞踏会があるときは裏口からよく見に来ていました。それでずっと劇団に入れてほしいと。最初に認めてくれたのはカオルさんでした」
カオルが目を覚まして泣き出した。ユキが飛ぶように駆け寄って抱きかかえる。
「おお、起きてたか!」
アロハシャツにサングラス、いかにもチンピラ臭い轟だ。
「遂にKジャーナルを首だ」
カウンターにテープを出して、自分で冷蔵庫から氷を出してきて焼酎のロックを作る。
「仕事は回すから心配するなよ。それより小林と許は?」
「たっぷり3時間テープが入ってるぜ。ただ肝心な話は最初の10分と最後の3分だけだ。二人ともめっちゃな女好きだ」
「ポイントは?」
「京都駅裏の土地だが、B勘を3億もかましているそうだ。そこから小林が1億貰う条件だ。ばっちりテープに入っている」
周平は持って降りてきた鞄から100万束を出す。轟は折りたたんだ領収書拡げて並べる。領収書は表の経理に載せて100万はB勘処理でミーに口頭で伝える。ミーはそんなこともいらないというが生真面目に今でも続けている。
0
あなたにおすすめの小説
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
【完結/番外追加】サリシャの光 〜憧れの先へ〜
ねるねわかば
恋愛
彼女は進む。過去に囚われた者たちを残して──
大商会の娘サーシャ。
子どもの頃から家業に関わる彼女は、従妹のメリンダと共に商会の看板娘として注目を集めていた。
華々しい活躍の裏で、着実に努力を重ねて夢へと向かうサーシャ。しかし時には心ないことを言う者もいた。
そんな彼女が初めて抱いた淡い恋。
けれどその想いは、メリンダの涙と少年の軽率な一言であっさり踏みにじられてしまう。
サーシャはメリンダたちとは距離をおき、商会の仕事からも離れる。
新たな場所で任される仕事、そして新たな出会い。どこにあっても、彼女が夢を諦めることはない。
一方、光に囚われた者たちは後悔と執着を募らせていき──
夢を諦めない少女が、もがきながら光を紡いでいく軌跡。
※前作「ルースの祈り」と同じ世界観で登場人物も一部かぶりますが、単体でお読みいただけます。
※作中の仕事や制作物、小物の知識などは全てフィクションです。史実や事実に基づいていないことをご理解ください。
【完結】雨の日に会えるあなたに恋をした。 第7回ほっこりじんわり大賞奨励賞受賞
衿乃 光希
恋愛
同僚と合わず3年勤めた仕事を退職した彩綺(さいき)。縁があって私設植物園に併設されている喫茶店でアルバイトを始める。そこに雨の日にだけやってくる男性がいた。彼はスタッフの間で『雨の君』と呼ばれているようで、彩綺はミステリアスな彼が気になって・・・。初めての恋に戸惑いながら、本をきっかけに彼との距離を縮めていく。初恋のどきどきをお楽しみください。 第7回ほっこり・じんわり大賞奨励賞を頂きました。応援ありがとうございました。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
後宮の偽花妃 国を追われた巫女見習いは宦官になる
gari@七柚カリン
キャラ文芸
旧題:国を追われた巫女見習いは、隣国の後宮で二重に花開く
☆4月上旬に書籍発売です。たくさんの応援をありがとうございました!☆ 植物を慈しむ巫女見習いの凛月には、二つの秘密がある。それは、『植物の心がわかること』『見目が変化すること』。
そんな凛月は、次期巫女を侮辱した罪を着せられ国外追放されてしまう。
心機一転、紹介状を手に向かったのは隣国の都。そこで偶然知り合ったのは、高官の峰風だった。
峰風の取次ぎで紹介先の人物との対面を果たすが、提案されたのは後宮内での二つの仕事。ある時は引きこもり後宮妃(欣怡)として巫女の務めを果たし、またある時は、少年宦官(子墨)として庭園管理の仕事をする、忙しくも楽しい二重生活が始まった。
仕事中に秘密の能力を活かし活躍したことで、子墨は女嫌いの峰風の助手に抜擢される。女であること・巫女であることを隠しつつ助手の仕事に邁進するが、これがきっかけとなり、宮廷内の様々な騒動に巻き込まれていく。
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる