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侵略6

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 翌朝商人会の8人衆が総督府に押し掛けた。未明から警備艇が港の入り口を塞いだ。門を固める東インド会社の警備兵を押しのけるように警備艇の百人と民兵が3百人が総督府を取り巻いた。朝のうちの下忍が総督府に忍び込んでいる。
「懲罰委員会を開きます」
 李商人会代表が総督室に入る。この警備は下忍が5人が化けている。
「統括部長も同席してください」
と会議室に連れてくる。
「こんなことをして!私がすでに総督を引き継いだ」
と統括部長は怒鳴るが自らの兵がいないので黙って座る。総督はテーブルに乗せられている白い布の上の短銃にぶるぶる震えている。
 警備艇隊長が李の兄の遺体の説明をする。それとこの短銃が総督のもので遺体から玉が出てきたと伝えた。それから李代表からも和寇からのアヘン持ち込みの件の結果発表も総督が黒だと伝えて、解任の動議を提案した。
「総督の任命解任は商人会にあります。もちろん東インド会社には報告します」
 建物の階段で発砲があって賑やかになた。強引に警備隊が上がってきたのだ。押されるように警備艇の隊員が部屋に押し込まれてくる。急に統括部長が立ち上がって李代表の頭に短銃を突き付けてた。
「正当防衛で撃つこともできる」
「だがこれは総督の懲罰委員会ですよ」
 すでに入ってきた警備隊の3人が統括部長を警護した。茉緒は総督府の事務員として李課長と座っている。茉緒は短剣をすでに抜いている。だができるだけ商人会の懲罰委員会として済ませたい。
「香港はすでにイギリスの属国なんだよ」
 茉緒は入ってきて鉄砲を向けている警備隊を見る。それぞれに紛れてた行ってきた下忍の警備艇隊員が狙っている。あっという間に統括部長は振り向いて総督の頭を撃ち抜いた。
「私が今から総督だ」




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