夢の橋

夢人

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夢の橋13

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 朝目を覚ますと総司がいない。李の姿もない。庭から鋭い気合が聞こえる。襲撃を思い出して庭に飛び出す。そこに立っているのは真剣を構えた総司と斎藤一だ。李が立ちすくんでいる。これは割って入れる間合いではない。二人とも上段に構えている。静止しているようで少しづつ動いている。
 一から動いた。遅れて総司が動く。一の剣が総司の頭を真っ二つに割ったかに見えた。だが総司の姿はなく一の降ろされた剣が空を切っている。次の瞬間総司の剣が一の首で止まっている。
「いつか総司と真剣で勝負したことがあった。今の総司はその域に来ている」
「殺し合いは止めてくださいよ」
 私は不平を言った。
 その後久し振りに新聞社に顔を出した。新聞社は部屋が一回り大きくなっていた。隣の部屋を借りて拡げたようだ。私が座っていた席には見知らぬ女性が座っている。
「玄道編集長は?」
「隣の部屋ですが?どちら様ですか?」
「ここに座っていた記者です」
「あの方は朝鮮で殉職されたと?」
「乾、生きていたのか入れ?」
 玄道が抱えるように部屋に招いた。玄道にはトラベラーのことは話していない。机に座ると台紙で閉じれた私の報告書を読み上げた。
「君の仕事は日清戦争の生の声を書くのだ」
「発刊処分になりますよ」
「責任は私が取る」
「席は作ってください」
「この部屋においてやる。編集長付けだ」





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