復讐の芽***藤林長門守***

夢人

文字の大きさ
上 下
31 / 192

抜け忍村7

しおりを挟む
「この仕事は大当たりだ」
 帰ってきた源爺が母屋に茉緒と凛を呼ぶ。今回は凛も堺の町に行ってきた。給金で米俵や干物が運び込まれて皆に振舞われた。茉緒はお館の了解を取り付けて藤林の火薬も買い入れた。
「堺は今は三好の力が強いが織田が今川を破ってから勢力が変わりつつある。商人は力関係に敏感だ」
 凛が買ってもらった浴衣を着せて見せる。。茉緒にも買ってもらっている。まさに源爺は好々爺だ。
「ところで柘植の出かたは?」
「やはりあの柳生と服部と柘植は係わりがあります。ここは藤林と連携できそうです」
 どうしても柘植と戦うには1家以上の応援がいる。藤林とは明確に柘植は戦っている。
「来月には茉緒が堺に行ってほしいのだ。今度は堺から京に上る長旅だ。京はいまだに戦の絶えぬところだ」
「凛も行く」
「凛は残って監視の仕事をしてもらう」
 まだ安心できないものがいるのだ。
「何人を連れて?」
「今度は探索を含めて7人入るだろう。明日にでも藤林は済ませておくとよいだろう」
「では今宵にも伝令を出しておきます」




しおりを挟む

処理中です...