復讐の芽***藤林長門守***

夢人

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騒乱6

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 空が薄明るくなってくる。弾正が合図を送る。一斉に矢が放たれる。六角と赤松の兵が背中から狙われてバタバタと倒れる。街道の三好軍が釣られるように街道を突撃し始める。
「待機するといったはずなのに」
「いや松永軍に戦果を奪われたくないのだ。それが取り巻きが長慶を引きずっていく」
 弾正はこうなることを読んでいる。その時凛の繋ぎが走って来る。
「藤林が街道の向こう側にいます。火薬の臭いがします。応戦しますか?」
「手を出すな」
 弾正の目が鋭い光を放っている。すでに三好との戦いは始まっているのだ。
「裏道の手配をするように」
 茉緒は命を伝えると街道を見つめる。早くも藤林得意の火薬玉が飛ぶ。六角赤松軍がなだれ落ちてくる。三好軍はここで2百3百は兵を失う。弾正は天下取りを狙っている。しばらく付いていこうと行こうと茉緒も思っている。だがそのためには父の藤林を取り戻す。
「足の速い忍者にこの手紙を持たせて堺に走らせよ」
 これは長慶に書かせた手紙だ。
「これは私が届けまする。忍軍は探索に置いていきます」
「堺に着いたら夜を楽しみにしているぞ」
 弾正は凛しか抱いていない。そう言うともう丘を下り始めている。茉緒も走りだしている。





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