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夢人

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天海の陰謀11

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 家康が駿府に退いて久しい。もちろんここから幕府を動かしていた。天海は駿府と江戸城を行き来している。
 京之助は狼と影武者を連れて九州に入ったとの知らせを受けた。それまでに2度修験者に襲われ、1度服部と戦い、最後には柳生の師範代と勝負した。繋ぎにそろそろ伊賀上野に戻るように伝えた。後藤基次の影武者の出番はもう十分だ。この噂のために天海は仕上げを速めた。
 狗はムササビを連れて東海道を上った。ムササビは一番忍者らしい。途中薬売りからの繋ぎで情報が入ってくる。駿府に天海と胡蝶がいると言う情報だ。
「駿府にいく」
 城の周りには修験者の茶色装束が百人ほどが取り巻いている。服部と戦った節もある。それ程緊迫している。ここにも服部の師範代がいる。三つ巴だ。堀を潜り天井裏に入る。茶色装束が3人眠らされている。ムササビが剣を抜いた。
「待て」
 近づいてきたのは天海に張り付いていた鼠だ。
「影武者は何か飲ませれています。でも胡蝶が来て回復しています」
 見ると胡蝶が家康の背中を擦っている。まるで子供のように安らかな顔をしている。͡この影武者は果心居士の式神だ。操るのは胡蝶だ。その部屋に天海が入ってくる。
「ご苦労でしたな?」
「もう疲れた」
「そうだな。後は秀忠殿に任せればよい。だが遺志を継ぐのは秀忠殿の二男竹千代だ」
 なぜ竹千代なのだ。
「竹千代?」
「竹千代は私が最後に貯めた精を胡蝶に注ぎ込んだ結晶だ」
 どうも天海は自分に語り掛けているようだ。
「私はさすがにもう新しい生命に乗り移ることはできない。私にも寿命が来たのだ。それで今度は我が血を残すことにした。それを光秀にかけた。光秀の策だったのだ」
 果心居士と光秀の思いが重なり合ったのだ。ムササビは狐につままれたような顔をしている。
 襖が開いて奥女中がお膳を運んできた。その後数日が立ち家康は亡くなった。






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